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独裁の夢の果て…

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782


【カクヨム】

https://kakuyomu.jp/my/works


【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪



タイトル:(仮)独裁の夢の果て…



▼登場人物

宇津野うつのヒカル:男性。35歳。独身サラリーマン。普段は優柔不断で何でも人に合わせてしまうがその本性は独裁者。

広川裕子ひろかわ ゆうこ:女性。34歳。ヒカルの彼女(のちに別れる)。本編では「裕子」と記載。

●警察:男性。一般的なイメージでお願いします。

森魔夢乃もりま ゆめの:女性。30代。ヒカルの本能と欲望から生まれた生霊。


▼場所設定

●Dream Stronghold:お洒落なカクテルバー。夢乃の行きつけ。本編では主に「カクテルバー」と記載。

●街中:デートスポットや簡易ホテルなど一般的なイメージでOKです。

●夢の中の別荘:ヒカルが見た夢に建っている。すぐ前方には海が広がり波の音が聞こえる。部屋の中は何も無く窓だけがある。

●夢乃がヒカルの為に用意したアパート:普通のアパートのイメージですが少し不思議な感じを漂わせても良いかもです。


▼アイテム

●Power of Sleep:夢乃がヒカルに勧める特製の液体薬。これを飲んだ人は自分を取り戻すついでに独裁の心を強めてしまう。

●Salvation of Sleep:夢乃がヒカルに勧める特製の錠剤。これを飲んだ人は夢の中にいざなわれ、2度と目覚める事なくその後の余生を過ごす。


NAは宇津野ヒカルでよろしくお願い致します。



イントロ〜


あなたは人に合わせるタイプですか?

それとも何が何でも自分に合わせようとする

我儘なタイプでしょうか?

いずれにしても人間関係を図っていく上で

配慮と我儘のバランスを保つ事は難しいようです。

今回はそんな事で悩み続け、

やがて不思議な世界にいざなわれた

或る男性にまつわるエピソード。



メインシナリオ〜


俺の名前は宇津野ヒカル。

今年35歳になる独身サラリーマン。


俺は今、自分の事で悩んでいる。

自分のこの性格、優柔不断なあり方、

そんなのでいつも友達関係に悩み、

今は恋人との関係にも悩んでいる。


裕子「この前行くって言ってたじゃない!もう忘れたの!?」


ヒカル「いや忘れたわけじゃなくて、友達がどうしてもその日ウチに来てくれって言ってきたからさ…何か悩んでるみたいなんだあいつ」


裕子「そんなの、私との約束のほうが先だったでしょう!?いつもこんなのばっかりじゃない!友達を思うのは大事だけど、彼女の私も少しは大事にしようって気になってほしいわ!」


また喧嘩した。

確かに彼女の言う通り、先に約束したのは彼女のほう。

でも友達からどうしても家に来て欲しいと言われた俺は

それを無視できず、また優柔不断な虫が働いて

自分がその時とるべき行動に迷ってしまう。


これはまだ良いほうだ。

俺は無意識の内にも八方美人を目指してしまうのか?

誰に対しても良い顔をしようとし、

その場限りの調子の良い事を言い、結局、嘘をつく事になる。


他人に合わせ過ぎるのだ。

自分てものがまるで無い。

彼女だからと裕子には少し甘えてしまい、

彼女を犠牲にし易い。


ト書き〈カクテルバー〉


裕子「もうイイわよ!アンタなんか絶交だから!」


昨日、結局、裕子は今までの俺のあり方に激怒して、

電話で啖呵を切るように別れ話を切り出し、そんな事を言ってきた。


でもこれも初めてじゃなく、これまで何度かあった事。

だからまた関係修復できるだろうなんて俺は少したかをくくり、

でもやるせない気持ちでもあったので、その日の会社帰り、

俺は久しぶりに1人で飲みに行く事にした。


そうしていつもの飲み屋街を歩いていると…


ヒカル「ん、あれ?こんなお店あったっけ?」


全く知らないバーがある。

名前は『Dream Stronghold』と言い、結構きれいな店だったので

俺はそこへ入り、カウンターにつき1人で飲んでいた。


ヒカル「ふぅ。裕子、ごめんな…」


今まで裕子にしてきた事を思い出し、

溜息をつきながら飲んでいると…


夢乃「こんばんは♪お1人ですか?もしよければご一緒しませんか?」


と1人の女性が声をかけてきた。


彼女の名前は森魔夢乃さん。

都内でメンタルヒーラーやライフコーチの仕事をしていたようで、

本業では精神カウンセラーの仕事もしていると言う。


ヒカル「へぇ、あなたヒーラーさんなんですか?なんかいろいろ仕事されてて凄いですね」


夢乃「いえ♪本業のほうはまぁアレですけど、副業のほうは趣味のようなものですから」


それから何となく話が弾み、俺達は改めて軽く自己紹介し合い、

世間話から段々悩み相談のような形になっていった。


喋ってる内に2つの不思議に気づいたが、

夢乃さんはどこか上品でもあり暖かく、

そのうえ悩みを聞き出すのが非常に上手いタイプの人で、

そんな調子にあったからか、

「昔どこかでいちど会った事のある人?」

みたいな不思議な気にさせてくる。

だからか恋愛感情もほとんど湧かない。


そしてもう1つの不思議な事は、

そんな彼女の雰囲気がそうさせるのか。

自分の事を無性に打ち明けたくなり、

特に悩みを解決して貰いたい…そんな気持ちにさせられるのだ。

そして俺はその通りに行動していた。


ヒカル「僕ダメなんですよ。なんて言うか優柔不断で、周りに流されてばっかりで…。ホント自分ってものがないんじゃないか?なんて毎日自分に問い掛けたりしてます…」


結構シリアスに打ち明けていた俺。

でもそんな愚痴のような悩みを彼女は真剣に聴いてくれ、

アドバイスをしてくれた後、

本当に俺の事を助けようとしてくれたのだ。


夢乃「分かりました。ここでこうしてお会いできたのも何かのご縁です。今のあなたにピッタリの特効薬を私今持っていますから、そちらを差し上げましょう」


ヒカル「え?」


そう言って彼女は持っていたバッグの中から

栄養ドリンクのような物を1本取り出し、

それを俺に勧めてきてこう言った。


夢乃「それは『Power of Sleep』と言う特製の液体薬で、それを飲めばきっとあなたはまた自分を取り戻す事ができ、その取り戻した自分を強く保つ事もできるでしょう。つまり周りに流されず、自分ならその時どうしたいかをはっきり他人に見せつける事ができ、その上で自分の人生をしっかり歩んで行ける。…とまぁそんな効果を秘めたお薬です」


夢乃「本気で今の自分を変えたいなら、まずそう成れると信じる事です。自分の力を信じなければ、その未来も明るくありません。夢に向かって歩き出す人と言うのは、得てして自分のそうした秘めた力をまず信じ、その上で夢を開拓して行くものですから」


ヒカル「はぁ…」(何となく感心して聴いてる)


いきなり言われたのでよく解らなかったが、

その理解はあとからついてきた。


つまり今差し出されたこの液体薬を1本飲めば

俺は今までの自分を捨て去る事ができ、

ずっと理想に描いてきた自分の人生を存分に歩んで行ける…

そんな効果を秘めた薬だという事がその時わかった。


でもだからと言って

急にそんな事を言われて信じる人は居ないだろう。

しかしここでもやっぱり彼女は不思議な人だったのだ。


彼女に言われると、

他の人に言われて信じられない事でも信じてしまう。


この3つ目の不思議に気づいた時、

俺は彼女にそのまま従う形でその液体薬を受け取り、

その場で一気に飲み干していた。


ト書き〈変わったヒカル〉


それから数日後。

俺は本当に変わっていた。


ヒカル「おい裕子、今日はここへ行くぞ」


裕子「え、ヒルズデパート?今日は映画見に行く約束じゃなかった?」


ヒカル「映画なんていつでも見れるだろ!ビデオリリースされたらその時に借りて見ればイイんだ。今日は俺がここへ行きたいから行くんだ!お前も黙ってついて来い」


何事もリードするのが俺になり、

簡単に寄りを戻した俺達は、その後、

いつでも俺の言う事を聞く形で

裕子はついてくるようになっていた。


裕子「なんか頼もしくなっちゃったね♪どうしたの?」


ヒカル「頼もしくなっただと?へっwもともと俺はこういう人間なんだよ!wつまんねぇ事くっちゃべってねぇで早く来い」


裕子「はいはい♪」


女ってのは大体自分をリードしてくれる男に憧れを見る。

男のワイルドさ、野蛮性を欲しがる女も結構居て、

裕子もその例外じゃなかったんだろう。


(トラブル)


でもそんな関係はやはり自然の摂理とも言うべきか、

長くは続かなかった。


裕子「ちょ、ちょっとそれって犯罪じゃないの!?」


ヒカル「へっw別にイイじゃねぇかよ、俺達が人生楽しめればそれでイイだろ?」


裕子「そ、そんな事…」


ネット犯罪を手始めに、

俺はあらゆる手を尽くして金を稼ごうとした。

これも俺と裕子の為なのだ。

自分達の将来を金銭的に明るくして何が悪い?

俺がそうしたいからそうするのである。


でも、それは紛れもなく確かに犯罪で、

どんどんエスカレートしていく俺に

やがて裕子はついて来れなくなった。


ヒカル「なんだよ!どこまでもついて来てくれんじゃなかったのかよ!」


裕子「じょ、冗談じゃないわ!」


ヒカル「へん!w勝手にしろ!その代わりもう幾ら稼いだって分けてやんねぇからな!」


結局、裕子は俺の元から離れた。

その時点で本当に別れたのだ。


でも俺は更に逆上するようにエスカレートして行き、

犯罪に犯罪を重ね、やがて常識も鈍くなってきたのか。

ついに現行犯の形で暴力事件まで起こしてしまった。


警察「待てぇ!」


ヒカル「ハァハァ!!」


俺は必死に逃げて何とか警察を振り切った。

でもこの先、もう明るい未来など無い。


ヒカル「ど、どうする?どうすれば…!」


ただ捕まりたくないと言う焦りだけが心の中に湧き上がる。


俺は街中でカツアゲし、相手がどうしても渋ったから殴り倒し、

その場でボコボコにしている時に警察が現れた。

誰かがチクリやがったんだ。


でも警察から逃げながら、俺には1つ大きな不安があった。

それは俺が階段から殴り飛ばしたその男が動かなかった事。


ヒカル「…もしかしてあいつ、死んだのかも…」


その疑問が本格的に湧き上がる。

そしてその不安と疑問は的中した。


簡易ホテルに泊まってテレビを見ていたら、

俺が起こしたその事件をやっていた。


キャスター「昨日未明、駅の階段で何者かに殴られ足を踏み外し、そのまま転落した男性は搬送先の病院で…」


ヒカル「ウ…ウソだろオイ…」


俺は人殺しになってしまった。

犯罪の延長は人殺し。戦争。


ヒカル「ど、どうしたらイイんだよぉ!」


パニックになりながらも自分でしでかした事。

自業自得。今更どうしようもない。

それが分かりながら、俺は最後の後悔をした。

でもその時…


ヒカル「はっ…あ、あの人なら…も、もしかしたら…」


「今のこんな俺でも助けてくれるかもしれない」

そう思って向かった先は、あの日俺を変えてくれた

あの人が居たカクテルバー。


ヒカル「ハァハァ、頼む、居てくれ…!」(走りながら)


店に飛び込んだらあの人が居た。


ヒカル「あ、夢乃さん!」


夢乃「あら、あなたは確か…」


それから俺は彼女に、

今のこんな自分をどうしても助けて欲しいと無心した。


助かる為なら何でもする!

あんたの言った事ならどんな事でも信じてそれを守る!


そう言って彼女に詰め寄り、

とにかく「今の自分を助けてくれ!」と訴え続けた。


夢乃「そんな事をされてたんですか?」


ヒカル「え、ええ…全部僕が悪いんです。でも、こんなになっても…やっぱり助けて欲しいって…」


彼女は俺を嗜めるように叱った後…


夢乃「ふぅ。仕方ありませんね。あなたはもう元の生活に戻る事はできないでしょう。1度犯してしまった罪は償わなければなりません。それが世の中の道理。けれどこのままではあなたはそれなりの処罰が下され、下手すると極刑になるかも…?」


ヒカル「い、嫌だ…嫌だぁ!」


夢乃「…あなたさっき、私の言う事なら何でも信じる、そう言いましたね?」


ヒカル「え…?あ、はい…た、助けてくれるんですか…?」


夢乃「あなたが助かる道が1つだけあります。」


ヒカル「えぇっ!?そ、それはどんな…!?」


そう言って彼女は少し沈黙した後、

また持っていたバッグから今度は錠剤を取り出し

それを俺に勧めてこう言ってきた。


夢乃「これは『Salvation of Sleep』と言うこれもまた特製のお薬で、これを飲めばきっとあなたの心は安らぎます。正確には助かると言うより安らぐと言う事になるでしょうか。とにかく今の不安や恐怖、そして苦しみは全部過ぎ去り、あなたはまるで夢のような世界に取り巻かれ、そのまま余生を穏便に過ごす事ができるでしょう」


「今俺を苛んでいる不安・恐怖・苦しさが全部過ぎ去る…無くなる」

それを聞いた瞬間、

俺の心にパアッと明るい光のようなものが差し込み、

また前と同じように俺はその錠剤をすぐ手に取って、

その場で慌てて一気に飲み干した。


ヒカル「ング!…ハァハァ…こ、これで…俺は…」


ト書き〈夢の中〉


次に気づくと俺は、

だだっ広い海と砂浜が広がる光景を前にしていた。

ぽつんと突っ立っている。

でも心はひどく穏やかだった。


ヒカル「こ、ここドコだろう…?」


夢乃「フフ、ここはあなただけのパラダイス。誰も追って来る事のない、あなたを捕まえる事もない、自由な空間なんです」


ヒカル「うわっ!ゆ、夢乃さん!?」


人の気配がまるでしなかったのに、

俺のすぐ後ろにあの夢乃さんが立っていた。


そして夢乃さんはそれから俺の手を引き案内し、

そこからすぐ近くにあった別荘のような場所へ連れて行った。


ヒカル「こ、ここは…」


夢乃「この建物こそが、あなたの全てを受け入れてくれる安らぎの場所。あなたの我儘もきっと許されるでしょう。さぁどうぞ、お入りなさい」


俺はまた夢乃に言われるがまま、その建物に入っていった。

誰もおらず、静けさが支配しているその空間。

ザザーっと波の音だけが聞こえてきて、

その海を一望できる窓だけが付いている。


俺はそこに座り海を眺めながら、何となくぼうっとしていた。


そして俺がその部屋に入った瞬間、

夢乃はどこにもおらず消えていた。


ト書き〈その別荘を外から眺めながら〉


夢乃「私はヒカルの本能と欲望から生まれた生霊。その欲望からなる夢を叶える為だけに現れた」


夢乃「でもその夢と言うのは名ばかりで、単なるヒカルの我儘。我儘と言うのは延長すると独裁になり、なんでも自分の思い通りにしなきゃ気がすまなくなる。それでヒカルの周りからは全ての人が立ち去った。まさに独裁者にやってくる典型的な末路よね」


夢乃「『Power of Sleep』は確かに自分を取り戻す為のお薬だったけど、自分を取り戻すついでに独裁の心を強めてしまい、結局ヒカルは犯罪に身を染めてしまった。そして『Salvation of Sleep』は夢の中にその人をいざない、2度と目覚めさせる事のない力を秘めている」


(夢乃が用意したアパートの部屋で眠っているヒカルを見ながら)


夢乃「とりあえずヒカルの為にこのアパートを借りてあげたけど、ここもいずれすぐ警察に見つかるでしょう。それまでの余生を夢の中で穏やかに過ごしなさい。文字通りその間、あなたは不安も恐怖も苦しさを感じる事もない。気づかない内にあなたは捕まり、処罰され、そしていずれ天に召されるのでしょう。…感謝して貰わなきゃね。ここまでの救いを与えてあげたんだから」


少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


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