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5 リリシズムとネットカフェと二次方程式

男は疲れていた。

「お前だけじゃないよ、疲れているのは」男の中のもう一人が言った。

「ただのリリシズムさ」男は声に言い返した。


「そう言えば、ネットカフェで1000円以上使ったことないな」と男は思った。

久しぶりに入ったネットカフェのドリンクバーで、男は下らないカクテル遊びをしていた。オレンジジュースにカルピスソーダを入れてみたり、グーレープジュースにリアルゴールドを混ぜてみたり。

横では一人の若者が精算を済ませて出ていくところだった。若者の支払った代金は2千円だった。その店の料金は3時間で600円だった。男は複雑なものを感じていた。


通りを歩いていて男は声を掛けられた。

「あなたは神を信じますか?」

男は答えた。

「神は信じるものではない、感じるものだ」「神はX2+1=0の解だ」「X2+1=0という式が菩薩でその式の解が如来だ」「神は気配だ。気配を求めたり気配に促されたりして人は高い山に登ったり、ヨットで太平洋を横断したりする」「たまには恋をしたりもする」

声を掛けた方が言った。

「今日は貴重なお話を伺いました。すぐそこで集会をやっているので是非いらしてください」

「そう?じゃあ、今度気が向いたら」

声を掛けた方はチラシを渡した。男はチラシを受け取って立ち去った。チラシの下の方に太字で『The last day is beginning』とあった。帰る途中、コンビニのゴミ箱にチラシを捨てた。

帰ってから部屋のテレビをつけると「天国で糞でも垂れてな」と言って、一人のいかしたガンマンがとどめの一発をブッ放つところだった。天国にも糞はあるのだな、と男は思った。じゃあ、蠅もいるんだろうな。蠅にはかなわん、蠅は苦手だ。

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