表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/54

35-15

 いつから飛んでいたのでしょうか。かなりたくさんの距離を飛んでいたようです。そしてその飛行はこれまでになくとても楽しかった。でも、その飛行ももうここで終わりなのです。私の知らないうちにいつの間にかたどり着くべき所にたどり着いてているのです。

 見渡せば辺り一面の淡い桜色の平原、雲のようなふうんわりとしたマシュマロ感に包まれたこの場所は、淡い色の桜色。春のような温かさ、そして優しさ、そしてこの静けさ。音が何も聞こえてこない。

 この静けさにもかかわらず、ここには私だけがいたのではありません。数は少ないのですが私よりも先に何人かは到着していて、それぞれ何か目的を持って歩いているようです。好き勝手に歩いているのではなさそうです。人々を見ている私は、私がどこか好きなように行きたいとしても、それはとても難しいと思われてきます。人々はとても静かに歩いていて、行くべきところをみんな心得ているように見えます。しかし私には行くべき所が思い浮かびません。私は歩いている人の手に切符を見つけます。もう一度辺りの人々をよく見ると、かなりの人が手に切符を持って歩いています。切符を売っている一人の駅員らしい人と、その人から切符を買っている人もいます。私も切符を買うべきなんだろうな、と思います。私は駅員の方をチラッと見て少しだけ駅員に近づき、そこで立ち止まってまた見ます。そして不安げながらまた少しずつ近づいていきます。

 なぜそんなに不安?私にはお金がないのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ