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 一つ目の扉を抜けてすぐに、新しい別の扉が二つも置いてあった。そして、そこにはもうすでにたくさんの人々が来ていた。私が一番最初にここに来たと思っていたのに、先を越されたようで少しがっかりです。

 たくさんの人々の存在と新しい二つの扉の存在がとても不思議に感じられます。でも、驚くのは決して好ましくないのです。驚きなどの感情ではなくて、ただ何かそこに物があるといったような察知のみに感情を留めておく必要があります。思いを膨らませていくのではなくて、そこに一瞬浮かび上がった思いを心のページに書き留めて置いて、書いてからその思いをすぐにでも消すような気持ちでいなければ、また今まで辿って来た様な過ちを繰り返すことになると感じています。

 たくさん人々の行列を見ていて、いつになってもどこへ行っても私は一人切りにはなれないのだろうか、と考えたりもします。でも、開いている扉の方には行列ができていますが、まだ閉められた扉も開いている扉の隣に見えています。その扉には誰も入って行こうとはしていません。

 このお話の中身はかつてすでに起こったことでもあるようですし、今この時現在の私と一緒の経過時間で話が進んでいるようでもあります。待っていると何かが見えて来て、見えてくる何かについてすぐ文章を組み立てる必要があります。そうしないと、その景色はすぐにでも消え去りそうで、一刻も早く走り書きでもいいのでそのイメージを書き留めて置かないと、もしそのイメージを書き留めないでそのままにしていれば、そのイメージが消え去った後はもう二度と絶対にそのイメージは私の許にやって来ないのではないかという切迫感があります。でももし、その景色をうまく書き留めることができたなら、おそらくその文章は絵画のように明快で、絵画以上の説明力を持つと思われます。美しい景色ではなく、景色の美しさを描いた絵画のような。

 

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