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30 ラーメン的に必然的な味的に顔的に

男はすぐに飽きてしまう。またしても事業に飽きてしまう。ラーメン屋は必然的に始まる。

男がラーメン屋を始めたいと思ったのは、ある人間に興味を持ったからだった。Q君とでもしておこうか。彼は男の会社でアルバイトをしていた。将来の夢は自分のラーメン屋を開くことだという。Q君にカルボナーラを作ってもらって食べた男は、Q君の料理の才能を確信した。それまで食べたどの店のパスタよりもうまかった。だがそれよりも何よりも、そのうまさにはQ君の人柄に関係があるようにも思われた。同じ味のパスタでも、気難しい人が茹でたパスタは気難しい味になるし、朗らかな性格の人が茹でたパスタは朗らかな味で、食べると楽しい味がするものだ。Q君は決してモテ顔ではなかったが、彼の顔は何と表現しようか、とにかくおいしそうな顔をしていた。

男はQ君に出資して、一緒にラーメン屋を始めた。でも、男はまたすぐにやめてしまった。店は今でも繁盛している。

Q君は女性にもモテるようなタイプではなかったし、それはQ君自身も承知していた。だが、もし一緒に苦労したいのであれば、彼のようなタイプの男性がいいだろう。苦労を苦労と感じさせないようなパワーを彼は持っている。彼と一緒にいれば、苦労していても女性はきっと楽しい気分でいられるだろう。

男は基本的に気難しい性格だった。お金があったとしても、一緒にいた女性は決して幸福ではなかった。

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