5. メイドとしての規律
どうしよう、
今は絶賛午前3時頃だ。さっきのことだ
僕はなぜか目が覚めると右腕に感触を感じた。そして右を見るとお嬢様が僕の腕に抱きついていた。
…これを理解するのには、30秒ほどかかったが理解した後は焦りと実感がだんだんと体の中に湧いてきた。
普通の男性だったら美少女が腕に触れるだけで嬉しいのかもしれないが、生憎と僕には邪な感情はなく
そこにあったのは焦りだった。しかしよくよく考えてみると彼女が自分からやったんだから大丈夫と言うことに気付いた。
ただ、自分のご主人様がショタコンと言うことを再び実感し、少し悲しくなった。
と言うわけで腕に人の体温を感じながら再び僕は眠りについた。
翌日、目が覚めた僕は自分が孤児院にいないことを自覚するのに時間がかかった。
数分間ぼーっとした後にやっと自分はメイドになっていることを思い出した。
ふと大戦犯であるお嬢様がいる右方面に目をやると
ぐっすりと眠っていた。彼女はロングスリーパーなのだろうか。
しかし、相変わらず僕の腕は固定されており、身動きは取れなかった
だからそのまま横になり、ぼーっとしてると隣からご主人様が起きる声が聞こえた
「う〜ん、んーーー」
そして、伸びをした時に手を離すと思ったら、なんと片手で掴んだまま伸びをした。
この人は大戦犯すぎる。
そうしてやっと僕の腕を離し、起きたと思ったら寝起きとは思えない表情で
「さっこの服を着て?」
と速攻で言われてしまった。しかもそこにあったのは、またしてもメイド服だった。
そして着替えようとしたが彼女はそのままこっちを見続けていた。
どう言うこと?みられながら着替えると言うこと?と思いながらも僕は再び服を着た。
そうしたら彼女は
「ちょっとあっち向いてて、着替えるから」
と言った。部屋から出ろとは言わないのか。と思いながら僕は後ろを向いた。完全に敬語は無くなってるな。
数分後もういいわよと言われたので前をむくと、着替え終わったリライアがいた。
しかし、すぐに
「こっちにきて」
と言いながら部屋を出てしまった。そして、僕はそれに続いて部屋を出て行った。
着いた場所はまたしても大きな広間だった。そこの真ん中に彼女は真剣な眼差しで立っていた。
彼女は僕をみながらこう言った
「あなたはメイドなんだからちゃんとしてくれないと他の家に馬鹿にされちゃうの。だから今からメイドの立ち振る舞いや仕草を教えるわ」
なるほど。メイドとしての振る舞いか、そんなの気にしてなかったなと考えていると彼女はこっちに歩いてきて
僕の背中をみながら
「まず背筋を伸ばしなさい」
と言った。そのごあれこれ指図してきたが一応ご主人様なので何も言い返せなかった。
そして僕が背筋を伸ばし、足を揃え、手を揃えたら満足げに笑みを浮かべて
「まあそれでいいわ。これからは仕事も教えるからね?」
とまた歩いて行ってしまった。
まだあるのか、と僕はまた後をついていくのだった