3. お嬢様とお風呂に
どうしよう、彼女はもうついてくるようにドアのそばで待っている。
いや、どうしようって言っても拒否権はまずない。そこから導かれる答えは、
_行くしかない。
(どうにか逃げることはできないのか…ん〜あっ!)
そこで僕は思いついた。お風呂に“入れば”良いのだ!
「承知しました。“お嬢様”」
…間違えた。お嬢様じゃなくて、ご主人様だった、これは何か言われるか…?と身構えたもの彼女は
「お嬢様?ん〜いいじゃない!これからはそう呼んでもいいわね、さあこっちに来なさい?」
とあっさり認証された。しかし、お風呂に入るだけなら僕は問題ないため
「わかりました。それでは参りましょう。」
と言っておいた。そうしたら満足げな様子でお嬢様は颯爽と歩いて行った。
僕もそこについていったが相変わらず大きなお屋敷なこと。着くまでにも数分かかってしまった。
そして、風呂場に着いた様子なので僕はお嬢様に
「それでは、お嬢様は先に入っておいてください。」
と言った。そうしたら案の定だが…呆れた様子で僕を睨みつけながら
「あなたも一緒に入るのよ…」
と言われてしまった。残念、もし入るだけなら先には言ってもらった後に足の先だけ入れようと思ったのに…
こうなった以上入るしかないか、烏の行水作戦で行きますか…
そして、先にお嬢様が入って湯船に入ったと確信したタイミングで僕が急いで入って行った。
「やっと来たのね…
今だ!僕は一瞬で浴室からですということをした。後ろから彼女が止める声がした気がしたが、今はそんなことどうだっていい!
そして、メイド服に急いで再び身を包み、お嬢様が出てくるのを待った。
そうしたら驚きと怒りの入り混じった顔をしながらお嬢様が顔だけを覗かせてきた。
「どうして出て行ったの!!?入ってないじゃない…」
と言ったが僕は冷静に
「お嬢様の仰った通りにお風呂に入りましたよ。」
と言った。これでもう大丈夫だろうと思ったがお嬢様はあたりめの様子で
「それなら指示を追加するわ。湯船に浸かりなさい。」
あぁ僕の惨敗だ。ボロ負けだ、もう断る方法はない。もし僕のことを今誰か見ているのならどうすればいいのか教えて欲しいぐらいだ。
そして半強制的に服を脱がされ、何故か主人に背中を流され、強引に湯船に沈められ、今二人で湯船に使っている。やっぱりご主人様はショタコンスケベだ。そして僕は急に誘拐されて、こうなっているのだ。普通に犯罪だ。
孤児院の人たちはどう思っているだろうか、
いや、僕は隠キャだったから誰も何も思ってないかもしれない。最も昨日夜に誘拐されてから今が夜だから24時間は経っているはずなのだから。と言ってもそろそろのぼせそうだ。出るとしよう
「お嬢様、もうお風呂を出てもよろしいでしょうか」
と聞いてみた。そうしたらお嬢様は
「出ていいっていうと思った?」
と顔を近づけていってきた。あぁいつまで付き合わされるんだ。
結局出てもいいと言われたのは20分ほどあとだった。
僕は「お風呂を出た瞬間に体を拭き、服を着た。初対面の人を前に裸でいるのはかなり気まずいからだ。
そして部屋の外で、お嬢様を待っていたら数分後出てきた…しかし、上機嫌な様子で
「あなたの部屋に案内するわ♪、着いてきて」
とスキップしながら歩いていってしまった…
どうしてあんなにも上機嫌なのかは置いておいて、部屋か。そんなものも用意されるんだなと感心しているとお嬢様にここよと言われた
そして中に入ると、ほとんどの家具があった…ソファからタンスまで何もかも最高級で申し分ない使い勝手だろう…しかし僕は一つ物語ないことに気づいた。
「すみません、お嬢様ここにベッドはないのでしょうか?」
時くと彼女は当たり前かのように僕にこう言い放った
「そりゃあ一緒に寝るんだからベッドなんていらないでしょう?」