2. ショタのメイドの仕事
「ここからどうすればいいんですか?…ご主人様」
僕はどうすればいいのかわからず彼女に尋ねた。
急にメイドになれ、などと言われたけれども色々言い返したい気持ちはあった。
しかし、こんな家のことだし、異論は認めないって言われたからには逆らったら処刑されそうと思ったからだ。
なんとなく答えはわかっていたけれど、彼女は相変わらず笑いながら僕に向かって
「ん?今言ったでしょ、ここでメイドとして働くのよ?あ、そう言うことね!メイドの仕事を聞いているのね」
やっと質問の意味を理解したらしい。
「メイドの仕事はねぇ。まず
この屋敷のお掃除ね。この屋敷は相当広いから大変かもしれないけれど、あなた以外にもメイドさんはいるから安心して頑張って頂戴ね?」
掃除?この広い屋敷を?僕以外にもメイドはいると言ってもせいぜい十人だろう。
(その人数でこの屋敷を掃除しろって言うのか?)
どうやら気の遠くなる時間がかかりそうな予感がする。そうして僕は彼女の次の言葉に耳を傾けた。
「次は、
この屋敷の服のお洗濯ね。ここの住人は多いけれでも、これはあなたが担当する量は少なくしているので安心してくださいね。“基本的“なお仕事はこの二つね。」
お洗濯か、ただなぜ僕だけ担当が少ないのだろう。そしてなぜか彼女は“基本的“を強調していた。
つまりまだ仕事があると言うことになる。と思い最後まで話を聞こうとした。
「そして三つ目、これが一番大事かもしれないからよく聞きなさいよ?
まず寝る時に私と一緒にねなさい。これは添え寝っていうのかしら?毎日必ずこれは守りなさいね。
最後に私が入りたい気分の時お風呂に一緒に入りなさい、以上よ。」
添え寝か、なぜ添え寝をするのかは疑問に思ったが、僕のご主人様は男子にメイド服を着せてる時点で十中八九ショタコンで間違いないだろう。まず添え寝か。これは女性経験皆無の僕にはちょっと厳しいかもしれない。
なぜなら僕のご主人様は相当顔が整っているからだ。いくら童顔とはいえ、これはドキドキしすぎて眠れない可能性がある。
そしてお風呂?どういうことかわからない。お風呂って普通服脱いで入るんだよね?それじゃあ男女が一緒に入るのはダメじゃないのか?混合ってことか?いやいくらなんでも相手も僕も年頃の人だ。
これは落ち着いて風呂にすら入れないっていうことか?ご主人様からしたら相手はショタだから問題ないのかもしれないが、
僕は普通の人だ。もし僕がロリコンおじさんだったら大歓迎なのかもしれないけど、生憎と僕は普通のショタだ。
どうしよう、もう一回ご主人様に尋ねるか。
「ご主人様。もう一度お聞きしますが僕と一緒にお風呂に入るのでしょうか?」
だめだ。敬語の話し方は難しい。それよりどう答えてくれるのか。さっきのが聞き間違いだったらいいけれど。
「ん?さっきも言ったでしょ。あなたはこれから一緒にお風呂に入るのよ、今から入りたいからついてきて?」
(えっ今から?)
どうやらご主人様は今から入る気でいるようだ。そして意気揚々と部屋を出ていった。もう誰にも止めることはできないだろう。
これはこういうしかないだろう
「承知いたしました。ご主人様」
僕はこれからショタコンのご主人様のメイドとして働くことになりました。