1. ショタが誘拐されてメイドに!?
(…あぁ)
僕ことユウは孤児院のベッドで一人、空中の無を見つめていた。
周りからは子供の喧嘩の声が聞こえてくるし、ベッドも埃っぽい。
僕は幼い頃に両親を交通事故で亡くし、その時から今までの12年間孤児院暮らしだ。
そして貧しいが故に学校にも通えず、外にもあまり出ていないため不健康なほど白い肌になっていた。
しかし、目は鮮やかな青で鮮やかさのない肌との差がとてもある。
外に出ず、紫外線もあびないため、12歳の思春期だとは思えないほど、肌も綺麗だった。
そして、運動もしないし食事もあまり好きでは無いため12歳で体重30kgほどだ。
他にも、衣服もあまり揃えられないので靴もズボンもシャツも全てブカブカだった。
そして何よりもここには娯楽が何もなかった。だから日中できることといえば、今の僕のように空中をぼーっと見つめることだけ。
そこで僕の唯一の楽しみは夜中に孤児院を抜け出して、近所を散歩することだけだ。
しかし、昼間は何もなく、散歩は日中暇な僕には十分な暇つぶしだった。
「夕食の時間ですよ」
孤児院のおばさんに呼ばれた。
もう夕食の時間なのか。さっき朝食を食べた気がするのだが…いや、
僕が動いてないからお腹が空いてないだけか。
僕は重い体で一階に行った。
そこについたはいいものの食堂のおばさんに開口一口目に
「また、あんたガリガリで〜」
と言われてしまった。運動していないのに痩せているのはすごいらしいが、食べていないから当たり前だ。
僕は、そのまま夕食を食べ、もう一回自室へ向かった。
僕はこの後、いつも通りみんなが寝静まった頃合いを見てここを抜け出そうと思っていた。
(そろそろかな。)
僕は自室をそっと抜け出した。予想通り全員もう寝ていたようだ。そのままバレないように音を立てずに一回の玄関に向かった。
そこから玄関を何なく出て、僕はまたいつも通り近所を歩くことにした。
夜中なこともあってか不気味なほど静かだ、まあだからこそ安全なんだが。
そのまま周りを歩いて行こうとしたが、
「っ!?」
突如として僕は体を後ろから腕でしっかりと固定されてしまった。
大きさから感じるに大柄な男か?
いきなりのことで、頭が追いつかなかったが本能が怖いと感じたのでそのまま抜け出そうともがいた。だが、
いつもの生活が仇になった。
運動をしていないため、抜け出す筋力もないし、
いつも声を出さないため、声も掠れて出なかった。
そして後ろから頭に袋を被せられ視界が塞がれた。
そこでその男に頭を強く殴られた。頭の中には鈍い衝撃音と体が不安定になる感覚だけが入ってきた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(ん?)
目が冷めた時僕は椅子に縛られていた、そこで僕は誘拐されたことに気づいた。
わざわざ僕を誘拐するような理由なんて無いと思ったが今はここの状況を把握しようと思い、周りを見た。
ここは大きな広間で壁や屋根には素晴らしい彫刻などが刻まれていた。
周りには、僕と同じような10歳前後の男子が100人ほどいた。
そして自分の体を確認すると、服はそのままだったが靴はなぜかなくなっていた。そして胸に紙が貼られていてそこには大きな文字で
《23》
と書かれていた。これが何を意味するのかはわからないが、動けないためどうしようもないか。と思いながら前を見たら大きなボードに
《声を出してはいけません》
とも書かれていた。
危ない、気づかなかったら喋るところだった。やけに静かなのはこのせいか。
と思っていたら
「1番の方」
という声が左側から聞こえた。
そしてそちらを向くと1と書かれた紙の人が、後ろの男性に縄を取られ前の部屋に連れて行かれていた。
そこから自分の後ろを見るとやっぱり思った通りに同じ姿の男性がいた。
そのまま数分後にその二人は出てきたが、また座るのではなく後頭部を殴られ気絶させられていた。
そしてその男の子を抱え、広間から出て行った。
その次に
「2番の方」
と呼ばれていたので僕も呼ばれると気づいた。このまま待つしかないか。
数十分後
「23番の方」
と呼ばれたそうしたら案の定後ろの男が僕の体を縛り付けていた縄を解き前の部屋に連れて行かれた。
向かっている途中他の人たちの視線を感じた。自分たちもこうなると思ったらどんな人でも見ずにはいられないだろう。
そして僕はそのまま部屋の前に来た。
大柄な男性がいると思い覚悟していたがいざドアが開かれるとそこにいたのは、
一人の少女だった。これには拍子抜けしたがその少女を見ると歳は16ぐらいだろうか。
しかし、16ほどと言っても大人びた女性ではなく童顔の少女だった。
けれども少女といえど、多分相当金持ちの娘なんだろう。高級なドレスに身を纏っていた。
そしてお嬢様なのだろう。椅子にとても上品な座り方をしていた。
髪は紫がかった青で肩までの長さだった。そこでその少女は目の前の椅子を指し、
「そこに座ってくれる?」
と僕にいった。母あまりお嬢様言葉は使わないようだ、まあこっちもそうな方が接しやすいが、
ここで逆らっても意味はないので僕は言われるままに椅子に座った。
そして彼女は何かを言うわけでもなく僕の頭からつま先まで全身を見続けた。
数分後彼女はようやく口を開いた。僕はこの後、男に頭を殴られると思って覚悟していたのだが、彼女は
「決めたわ。この子にしてくれない?他の子はもういいわ」
と言い放った。
決めた?他の人はもういい?僕は何を言っているのか理解ができなかった。
そしたら男は部屋の外に行ってここには僕と少女の二人が残された。
そして何を企んでいるんだ?と彼女を見ていたらこちらに気づいたようで
「どうしたの?怪訝そうに見つめて。」
と言われた。だが、彼女の意図は全くもって読めなかった。
しかし、だからと言って質問する勇気もなく無言を返し続けてたら、彼女は
「あら、そんなに緊張しないでもいいのよ?」
と言った。緊張?そう言うレベルじゃなくて僕はこの状況に恐怖していた。
急に誘拐されたら『この子に決めた』とか言われて、理解が追いつかない。
そうしていたら、男が戻ってきて彼女に
「お嬢様、他の方達は全員元の場所に返しました。」
と言った。
他の人は全員返した?つまり僕だけが残っているって言うこと?またしても理解ができなかったが彼女はその人に
質問したかったがやはり無理だった。
彼女、お嬢様?は僕に
「こっちについてきてくれない?」
と僕にいいながら部屋を出て行った。ついていけばいいのかな?と思いつつ僕は部屋を後にした。
彼女について行って歩いた結果わかったことだが、ここは相当大きなお屋敷なようだ。そこのお嬢様ということは想像以上に身分が高いかも知れない。と思いながら歩いていたら
「私の名前はリライアと申します。あなたの名前は…?」
僕はそのままの勢いで
「あっユウと言います」
と言ったがなぜかリライアに
「いい名前ね」
と言われてしまった。まあお世辞だろう。
そしてどこかの部屋の前に着くと、
「ここに入って中にある服に着替えて?」
と言われた。
なぜ服を着替えなければいかないのだろうか、別にまあいいかと思いながら部屋に入ったが彼女はついてこなかった。いやまあ着替えるならいなくても当たり前だけど、説明は無しか
部屋に入るとここの真ん中に服が畳まれていた。そしてそこに近づいてその服がどんな服か見たら、
メイド服だった。
どうしてメイド服なんだ?これは女性が仕事する時に着るものでは?
僕は男なんだけれども彼女は気づいていなかったのかと思ったがここに連れてこられた人が全員男子なことを考慮すると、間違いではないようだ。つまり彼女はド性癖?
そして、着方がわからないと思ったが服を持ち上げた時に一枚の紙が落ちた。そこには
《メイド服の着方》
と書かれていた。ご丁寧に細かく書かれていたため、いやでも上手く着れる気がした。
そんな書籍があるのかと疑問には思ったが、こんな家のことだ。
どうせ作ったのだろうと思った僕はそれを見ながら時間をかけてメイド服を着た。
僕は着終わったのでそこにご丁寧にあった鏡で自分の姿を見てみた。自分で思ってしまったが、恐ろしく似合っている。それに加えて裸足のせいでより際どく見えてしまう、男なので問題ないが。
そしてサイズがあっている。先に準備していたのかと思うぐらいには。
もう着終わったので覚悟をきめ、僕は部屋を恐る恐るドアを開いた。
彼女はドアの前でずっと待っていた様子で、僕を見た途端とても嬉しそうな様子でこう言った。
「これからあなたはここでメイドとした働いて?異論は認めない。私のことはご主人様と呼びなさい?」
どうやら僕のご主人様はショタコンなようです。
どうも、ゆーやけです。
このシリーズどうでしょうか?自分では結構気に入ったのでめちゃくちゃ続けたいです!
ショタコンである、皆さん!ぜひ応援お願いします
ショタコンじゃない皆さん!ジョタコンになってぜひ応援お願いします!
これからも頑張るぞ!
2話は2時投稿です!