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グラン&グルメ 小話集  作者: えりまし圭多
【1巻発売】十日後にやらかすグラン&巻き込まれるアベル【カウントダウン】
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十日後にやらかすグラン&巻き込まれるアベル――六日目

 そんなわけでアベルが朝から実家に行って哲学の本を借りて来てくれたので、アベルの部屋にお邪魔して読み始めたのだが、難しすぎて最初の三ページくらいで寝てしまった。スヤァ。

 その三ページですら意味がわからなかった。

 しかもそのままアベルの部屋で一時間くらい爆睡をしてしまった。

 目が覚めてもう一度チャレンジしたが、やはりすぐ眠くなって内容がさっぱり頭に入ってこないので、俺でもわかるように三行で説明してくれと言ったら、ものすごく微妙な顔をされた。

 もしかしてアベルも哲学の本は難しくて理解できてないのか?

 なんだ、仲間か。そうだよな、こんな非常識な奴が哲学に理解があるわけがないな。


 それはそうとアベルの部屋は本がちょろちょろ置いてあるだけで物がほとんどないな。

 生活に必要な家具に、時々フローラちゃんがおいていると思われる綺麗な花の花瓶や植木鉢、部屋にあるのはそれくらいだ。

 部屋の広さは俺の部屋と変わらないはずなのに妙に広々として寂しい。


 何か飾る? 面白い置物でもつくろうか? スーパーシオマネキ君ネオでもつくろうか?

 え? 何もいらない? そんな、遠慮しなくても……あ、ダンジョンで拾って来た置物とかはどう? それもいらない?

 あ、そこに飾ってあるのってもしかして家族の姿絵? 見せて見せて! ダメ? 何で隠すんだよー! けちぃー!! 

 用が済んだなら部屋から出て行け? はーい、しょぼーん。


 アベルに部屋から追い出されたし、哲学の本は俺には難しすぎたので、無理に理解するのは諦めよう。

 そして俺は難しいことを考えるのをやめた。

 本物だろうと偽物だろうとえっちならそれでいいのだ。


 アッ!!


 納得しかけたが、そこで非常に重要なことに気付いてしまった。

 服だけを溶かすスライムができたとしたも、それをテストする対象に困る。


 まさかアリシアとかキルシェにそんなことを頼めないし、頼んだとしても俺が変態のように思われてしまいそうなので却下だ。

 アベルに頼むのなぁ。男の服を溶かしても面白くないし、アベルの服は高そうだし、抜き打ちでやるとめちゃくちゃ怒られそうだし。

 三姉妹は幼女だからそんなことをしたら犯罪になるし……残るはラトか……ラトに頼むか?

 いや、ラトも男だから却下だな。

 やっぱこう実害がない範囲で、セクシーなお姉様とか可愛い女の子がいいじゃん?

 

 しかし、人でやると犯罪になるのでお試しは人形かな。

 そう、マネキンだマネキン。

 マネキンだ! マネキンを作ろう!!


 む? クオリティの高いものは俺だけでは難しいかもしれないな。

 どうせならちゃんとしたものの方が服の溶かしがいがあるというものだ。

 そうだ、そうゆうことは指先が器用なタルバに協力してもらおう。


 タルバのとこに行く前にマネキンのデザインも決めないといけないな。

 それにリアル過ぎると罪悪感もあるし、俺が変態みたいだから……そうだな、前世にあった――そう、フィギュア! フィギュアみたいなのがいいかな!!

 ありがとう転生開花先生! なんだか上手くいきそう気がしてきた。


 そうこれはあくまでエンターテイメントなのだ。

 誰かに迷惑をかけてはいけないし、リアル過ぎてもダメなのだ。

 あくまで楽しく、健全に!!


 俺はフィギュアのデザインを考えるため、自室に籠もることにした。

お読みいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 謎の人形(ドール)職人が、こうして誕生した………………(笑)
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