15 RPG その8
☆15 RPG その8 ☆
マオ『これにて一件らくちゃく』
「カッコイイイ!」
僕は、思わず独りつぶやく。
「え?」
「そう?」
「変態っぽくないですか?」
「いや、惚れた!
これから恋愛イベントがあったら自分の判断で
ロールプレイとしてすすめるからね!」
ゲームから得た初めての感情に
わけもわからず、僕は我を通す宣言をする。
「いいけど」
「うーん、任せるで、ござる」
「えー、とめましょうよお!」
僕は、マオに話しかける。
すると、僕の感情とシンクロしたかのように
コマンドが現れた。
マオに告白しますか?
⇒はい
いいえ
僕は、宣言していたとおり、
人に聞かずに、イベントをすすめる。
もちろん、選択は、”はい”だ。
クウヤ&空也「好きだ! マオさん! オレとつきあってください!」
自分の我というか地が出ると自称がオレになってしまうが、
ちょうど、クウヤのキャラとシンクロしまっていた。
「ちょ」
「待つでござる!」
「空也先輩、落ちついて!」
マオ『ごめんなさい。私、明日、結婚するの。
もっと早く出会っていたらよかったね!……。
よかったら明日の結婚式に来て、祝ってくれると嬉しいわ』
マオは、招待状を渡して行ってしまった。
僕達パーティーは、結婚式の招待状を得た。
結婚式に行きますか?
⇒はい
いいえ
もちろん、”はい”行くを選択する。
「ちょっと、この場面は相談しなさいよ!」
「そうでござる!」
「行くのはかまわないですけど、相談してください」
ゲームの画面がブラックアウトし、
”次の日”と説明が表示される。
結婚式は、どうやら、世界樹で行なうようだ。
新郎と新婦のマオは既に世界樹の下で儀式を行なっている。
画面いっぱいにウエディングドレスを着たマオが
ドレスや髪とベールをたなびかせ、世界樹の木漏れ日が点滅する。
ファミコンとは思えないグラフィックの超美麗画像で
マオの下半身から上半身へとスクロールする。
ROMという少ないはずの記憶媒体にどれだけの容量を
使っているのだろうか、これはまるで100メガショックで
動画を作る某格闘ゲームメーカーのようだ。
長美麗なマオのグラフィックに僕はますます
目を奪われていた。
僕の心とシンクロするかのようにコマンドが現れる。
結婚式をとめ、花嫁を奪いますか?
⇒はい
いいえ
つづく。




