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幽霊

 金田一

「さて、お次は誰かな?」


 司会

「先生、次は何とあの幽霊ですよ。私は幽霊を生まれて初めて見ます。それでは幽霊さん、どうぞお入りください」

 その瞬間、司会の傍らに貞子のようなロングヘアーの白装束の女性が「ぬっ」と現れた。


 司会

「で、出たー!」

 腰を抜かす司会。


 幽霊

「初めまして、よろしくお願いします」

 消え入りそうな声で挨拶する幽霊。


 司会

「き、急に出ないでくださいよ。死ぬかと思いました」


 幽霊

「すいません。元来がこういうキャラなもので」


 司会

「やっぱり怖いですね。だけどもここは仕事と割り切ります。幽霊さん、早速ですが今日は何を提訴されますか?」


 幽霊

「やはり『幽霊の正体見たり枯れ尾花』ですね」


 司会

「これもよく使われますね。怖い心を持っている時は正確な判断ができず、ススキの葉っぱが揺れるのを見ても『幽霊だ!』と思うことですね」


 幽霊

「そうなんです。でも現実的にススキと私たちを見間違いますかね?」


 司会

「先ほども言ったように怖い気持ちを持った時は見間違えるんじゃないんですか?」


 幽霊

「あー、やっぱ。皆さんは私ちが怖いんですね」


 司会

「それはそうですよ。幽霊さんを見てびっくりしない人はいないです」


 幽霊

「そうですか。やっぱりそういう受け止められ方をしてるんですね」



 司会

「え?むしろ怖がらせるために出るんじゃあないんですか?それよりこのことわざの何が不満なんですか?」


 幽霊

「その前に司会さんに質問があります。皆さんは『道に迷っている人』を見たらどう対応しますか?」


 司会

「そうですね。それはやっぱり声をかけて『どちらに行きますか?』とか言って何とか助けになりたいと思います」


 幽霊

「ですよね。私たちも天国へ行けず成仏できずに迷っている存在なんです」


 司会

「と言いましても・・・」


 幽霊

「実は私たちが家に現れるのは、本当は皆さんと一緒に会話をしたり楽しく生活ができたらなと思ってるんです」


 司会

「無理無理。絶対怖すぎます」


 幽霊

「さっきも言いましたが私たちは『成仏できずにいる存在』なんです。ですからもっと愛情を持って接して欲しいんです」


 司会

「とおっしゃってますが、金田一先生助けてください。怖すぎます」


 金田一

「要するに『人間の世界と楽しくコミニケーションが取りたい』ってことですね」


 幽霊

「はい、そうです」


 金田一

「では、条件が3つあります。まず今日の帰りに美容室へ行って髪を切ってアップにしてください。そして常に胸を張ること。今みたいに猫背では怖いだけでなく、健康にも良くありません。それと、ものを言う時はハキハキと大きい声で滑舌よく話しましょう。この3つができますか?」


 幽霊

「はい、何とか努力してみます」


 金田一

「では明日からは『幽霊の模範を示すQ太郎』とします」


 司会

「え、あの『オバケのQ太郎』ですか?」


 金田一

「はい、Q太郎はオバケの世界から人間界に来て大原家に居候しました。そしてその明るさから町のみんなに慕われています」


 司会

「U子ちゃんとのラブロマンスまでありましたね」


 金田一

「人間界に溶け込んでいる、いい先輩がいるではないですか?」


 幽霊

「はい、生前にはよくテレビで見てましたから正直羨ましいと思ってました」


 金田一

「では決まりですね。まずは身なりと性格改善からです」


 幽霊が髪の毛をかき揚げて背筋を伸ばした。

「わかりました!今日は本当に有り難うございました!」

 大きな声が会場内に響いた。


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