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オシドリ

金田一

「さあ、次は誰かな?」


司会

「次はオシドリですね。なんと夫婦での参加ですね。それではオシドリさんどうぞお入り下さい」


オシドリ

「初めまして。よろしくお願いします」


司会

「さすが仲の良さそうな夫婦ですね。今日は何を提訴されますか?」


オシドリ

「やはり『オシドリ夫婦』ですね」


司会

「あー、とても仲の良い夫婦の例えですね。うちの家庭は全く程遠いですが、これの何が不満なんですか?」


オシドリ

「実は意味が全く逆なんですよ」


司会

「逆といいますと?」


オシドリ

「私たちは一緒にいる期間は確かに仲良く見えるんですが、実はその期間はわずか1年間だけなんです」


司会

「えー!結婚式では必ず『末永く、いつまでもオシドリ夫婦でいて下さい』と締め括りますが、あれは間違いだったのですね」


オシドリ

「はい・・・誠にお恥ずかしいのですが」


司会

「では、今日の提訴はこのことわざからの辞退ですか、それとも意味の変更ですか」


オシドリ

「できれば意味を変えていただければありがたいです。今更厚かましいお願いでしょうが」


司会

「わかりました。ということなんですが、金田一先生よろしくお願いします」


金田一

「はい、わかりました。この100年間で鳥類の研究がだいぶ進みましてオシドリさんの実態がわかってきました」


司会

「なるほど。昔はわからなかった生態が明らかになったんですね」


金田一

「そうなんです。昔はオシドリは末長い夫婦関係を維持する仲のいい鳥と思われていました。しかし実際には冬ごとに毎年パートナーを替えることがわかっています」


司会

「えー!毎年新しい相手つ結婚するんですか?羨ましい限りです」


金田一

「しかも夫婦の共同作業などは皆無で抱卵はメスのみが行い、育雛も夫婦で協力することはありません」


司会

「えー!じゃあ私の家庭のほうがまだマシですよ」


オシドリ

「恥ずかしながら、全て先生が言われるとおりです。長年にわたり人間は私たちを買い被り過ぎていました」


金田一

「では明日からはこうしませんか?1年おきに女を変えるジゴロに対して『オシドリ野朗』と呼びます。いかがですか?」


オシドリ

「あ、本当のことですからそれで納得します」


金田一

「それと夫婦で共同作業をしない家庭を『オシドリ家庭』と呼びます」


オシドリ

「はい、依存ありません」


司会

「なんかいつになく、厳しい審査になりましたがこれでいいですか?」


オシドリ

「はい、今まであまりに現実とかけ離れる言葉でしたから正直気が引けていましたが、これで満足しました」





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