猪 2回目
金田一
「さてお次は誰かな?」
司会
「次はまた猪ですね。猪さんどうぞ」
猪
「前回は『猪突猛進』の意味を変えてありがとうございました。おかげでイメージが刷新されました」
司会
「それはよかったですね。で、今日はどのことわざを提訴されますか?」
猪
「ズバリ『山より大きい猪は出ぬ』ですね」
司会
「一般には『どんなに大きな猪でも、その猪が住んでいる山よりも大きいわけがないことから、入れ物よりも大きな中身などありえないというたとえ』ですね」
猪
「はい、『おおげさな言い方もほどほどにしろ』という戒めに使われています」
司会
「これが何か不満があるのですか?」
猪
「はい、最近はプロジェクションマッピングという技術が進みました」
司会
「え?プロジェクションマッピングですか?」
猪
「はい。ビルや駅、お城などの大きな建物や山などをスクリーンとして映像を投影する技術です」
司会
「あ、テレビでみました。たしか東京駅で映像を投影してましたね」
猪
「これを見てください」
一枚の写真を司会に手渡す猪。
司会
「あ、山全体に猪が写っていますね。これは凄い!」
猪
「はい、私たちの住む山は猪で有名で、街起こしで猪のプロジェクションマッピングをやっています」
司会
「なるほど。たしかに山より大きいですね。金田一先生よろしくお願いします」
金田一
「しかしまさか山より大きな猪が出てくるとは思いませんでしたね。科学は偉大です」
猪
「そんな悠長なことを言わずになんとかしてください」
金田一
「しかし綺麗に山に写っていますね。本当の猪がいるみたいですね。正直、このことわざだけは未来永劫ひっくり返ることは無いと思っていましたが感激です」
写真をくまなくチェックする金田一。
猪
「そんな、人事みたいに感激しないでなんとかしてください」
金田一
「わかりました。それでは明日からは『山より大きな猪が遂に出た!』にしましょう」
司会
「先生、意味は?」
金田一
「昔では考えられなかったことが科学技術の発展で実現した時に、使いましょう」
司会
「いいですね。今後もいろんな分野で使えそうですね。猪さんいかがでしょうか?」
猪
「私たちが科学技術の発展の象徴になるのですね。満足です」




