カッパ 2回目提訴
金田一
「はい、お次の方」
司会
「次は、昨日に引き続きカッパですね。それではカッパさんどうぞ」
カッパ
「昨日の提訴の結果の『カッパの屁』にはみんな喜んでる。礼を言う」
司会
「はい、それはよかったですね。カッパさんそれでは今日は、どのことわざが気に入らないんですか?」
カッパ
「今日は、『陸に上がったカッパ』だ」
司会
「なるほど、一般には『環境が変わることによって得意な技が使えないから一気に能力が落ちる』と言う意味ですが、何かご不満でもあるんですか?」
カッパ
「それより、おまえは不思議に思わないのか?俺は今陸に上がってこうして話をしているだろうが」
司会
「そうですよね、言われてみれば。一般にかっぱさんは『皿の上の水がなくなったら死ぬ』と言うふうに私たちは聞いてますが、今は大丈夫なんですか?」
カッパ
「今はなあ、便利な商品があるんだ。『保湿用ジェル』というのを皿に塗っておけば1日や2日は水の中にいなくても大丈夫なんだ」
お辞儀して皿に塗ったジェルを指差して見せるカッパ。
司会
「たしかに薄い皮膜のようなジェルがありますね」
カッパ
「日本では、現在若者の労働力が足らない。この事は知ってるよな」
司会
「はいもちろん知ってます。だからコンビニや外食産業などでは東南アジアなどの外国人労働者をよく見かけますよね」
カッパ
「それでもまだ足らない状況らしいんだ。だから最近では外食産業やコンビニ業界は我々、カッパ界に求人募集を始めているんだ」
司会
「え、カッパ界に求人ですか?そこまでひどい求人状況なんですか?」
カッパ
「そうだ、いくら人間に求人をかけても必要な人数が集まらないらしい。今や日本の外食やコンビニ産業は完全に外国人労働者がなければ回らないような状況になっている」
司会
「カッパさんにまで求人が出回るとはゆゆしき事態なんですね」
カッパ
「そうだ、しかし知っての通り我々かっぱには陸に上がって長時間仕事するには弱点がある」
司会
「先程言った「皿の水の問題」ですよね」
カッパ
「そうだ、この習性により『長時間、陸に上ることができない』と言う我々の弱点に対してコンビニ会社と外食産業会社が結託してこのジェルを開発した次第なんだ」
司会
「で、その効果のほどはどうなんですか?実際使ってみて」
カッパ
「確かに最初はおっかなびっくりで使っていたが、結論から言うとかなりイケてると思う。これで、今まできゅうりを盗む時は短時間で素早くやらなければならかったが、これからは時間をかけてゆっくり盗むことが可能になったから、みんな大喜びしてる」
司会
「らしいですよ。きゅうりを作ってる農家の方々よく聞いておいてくださいね」
カッパ
「しかもこのジェルはアマゾンで注文したら次の日に届く。いずれにしても、これでわれわれは心置きなく長時間コンビニでも外食産業でも働くことが可能になった」
司会
「深夜のきつい労働でも大丈夫ですか?」
カッパ
「そんなものは『屁のカッパ』いや『カッパの屁』だ」
司会
「はい、お話はよくわかりました。それでは今日の提訴内容を言ってください」
カッパ
「簡単なことだハンディキャップがなくなったから『陸に上ったカッパ』の意味を変えてくれ」
司会
「わかりました。それでは金田一先生よろしくお願いします」
金田一
「たしかに、この100年間で皮膚に関する科学技術が発展しました。最近の保湿ジェルはかなり良い性能がありますからカッパさんを陸で働くことを可能にしたわけですね」
カッパ
「はい全くその通りです」
金田一
「それではこうしましょう『陸に上がったカッパ』の意味を明日から『日本の求人問題解決の最終手段』とします。これでいかがでしょうか?」
司会
「いいですねぇ。なんか、『リーサルウェポン』の正義のヒーローみたいなイメージがありますよ」
カッパ
「お、いいね!私も賛成だ。今まで悪者だったカッパが『お助け役』になるな」
司会
「それでは、明日からこれを施行します」
カッパ
「わかった、みんなもまた感謝するだろう。ありがとな」
司会
「最後にカッパさんはどこに、就職決定なんですか?」
カッパ
「もちろん『カッパ寿司』だ」




