俺強いハーレムしてる正義マンを虐めたら世界から追い掛けられたけど気にしない
勇者。
それは魔王を倒す為に世界が生み出した理のような存在。
その力、能力は計り知れないパワーがあり、いわゆるチートだ。
そしてムカつく事に大抵ハーレムを作れるくらい美男、美女揃いだ。
ムカつく事に何不自由ない金とコネを映画みたいな都合よい展開でどんどん手に入れていきやがって!
本当にムカつくぜ。
と思っていた不細工男が名も知らぬ辺鄙村におりましたとさ。
その男、年齢は42歳、デブ、不細工、禿げ、太い眼鏡、大きいリュックをからって薬草を採集してギルドに売って細々と貧乏な生活を送っていた。
この世界ではステータスなんてモノはなく、パラメータ的なモノは何もない。
強さ、技術は数字ではこの世界では知る事ができない。
故に、相手の技量、情報も数字では見ることは適わない。
だが、直観と、推理、魔質、魔量を知る事は可能である。
そんな世界の主人公、リンゴン・ジュエスは3歳の儀式で悪魔の神、アキシサスからの祝福を受ける。
まあ、殺しの才能を貰っても、花屋の仕事をしている店主も居るご時世だ。
協会も特に驚く事無く事務的だった。
この祝福のギフトの名前はアドソー、『吸収』 だ。
意外に500年歴の協会でも初めて出たギフトだったが、吸収とは平和なギフトだなとほのぼのした雰囲気だった.
リンゴンは本当にがっかりした様子で帰った。
親、同世代の近所の子供達からもからかわれた。
デブだから吸収なんか貰ったんだよと。
お前なんか家の恥さらしだと。
しかし、その日の夕食。
肉が入ったシチューを食べたら、頭の中で強酸、頑強な胃袋を入手しましたというアナウンスが聞こえた。
リンゴン「うわあああ!?」と椅子から転げ落ちたが家族皆無視。
仕方なくシチューを食べた。
もうアナウンスは聞こえなかった。
翌朝、牛乳を飲んだ。
アナウンス「広範囲の視野、草分解菌を入手しました」
リンゴン「〈ブボハ!〉」 吐き出した。
恐る恐るまた飲むが、もうアナウンスはなかった。
これはもしかしてと、色々試した。
そして解った。
このギフトはとんでもないチートである事を。
ダシ、汁、一欠けらでも飲み込めば、その物質が持つ特性を吸収し完全コピー出来る。
それが膨大な魔力を必要とするモノなら小さくなるか発動しない。
ただ、発動しないだけで、能力としてはずっと自分の中で存在し続ける。
問題は能力があってもそれを使える魔力や、体格、技量がなくては直ぐに体のガタが来てしまうのだった。
ある日、魔力ポーションを試しに買って飲んでみた。
アナウンス〈MP力拡大、ポーションの構成式を入手しました)
MPの容量、ポーション制作方法が解るようになった。
能力を得る条件は一舐めでも良いから飲み込む、たったそれだけ。
そう。
例えばこんなー。
リンゴン「うわあ・・・でっけえ骨」 ドラゴン料理の残飯からでも。
アナウンス〈焔、風邪、氷の使用技術がサウザンドドラゴンよりコピーされました、これにより使用想像力が拡大されました)
この力は最強になる前に知られてはまずい。
そう考えたリンゴンはあらゆる屈辱に耐えに耐えた。
今この場でこいつらを殺しても国、いや、世界から犯罪者として追われて死刑になるだけだと。
我慢し、我慢し、我慢して・・
31年後。
どうでも良くなった。
今居る村は流れ者になってから8番目の比較的大きな村だ。
村の名前はベルクトン。
復讐するべき、見返すべき奴らはゴブリンの襲撃に合い、女は誘拐され、男達は餌になった。
リンゴンはカメレオン能力で逃げて自分だけ助かった。
それを7度程繰り返し、現在に至る。
自分の力はもう既に、数ヵ国が連携した海上艦隊で、海の上で飛びながら戦っても余裕で勝てる高みまで来たという確信が持てていた。
42歳、童貞。
しかし童貞であろうとなかろうと、幸せな家庭を築こうとも、築かなろうと、その地に根を下ろすという事、それ即ち、死人になったも道義。
その地に根を下ろしてしまったら、土地、人脈、のしがらみが出来てしまう。
7つの村々も全く同じだった。
全く同じ死に様だった。
逃げる時間はあったのだ。
だが、財産、土地、家、仕事仲間への信頼。
そんなモノの為に逃げられず、戦い、破れ、食われていった。
地に根を下ろすというのは、つまりそういう事。
死ぬべき場所という事なのだ。
リンゴン「若返りや、変身を使える死体を見つけたら食べてやる、んでそれでー・・・うへへへへ」
リンゴンには『次』の人生しか頭に無かった。
そんなリンゴンの前には鬱蒼とした森が広がっている。
死人の森と呼ばれている森で、ベルクトンから王都までの壁となっている。
ベルクトンから崖下1キロにある森で、ランクSSの冒険者しか入る事は許されない。
ベルクトンからこの崖を降りる者は一人しか居ない。
自分から狩りに行き、死体の血を飲むか、焔魔法で焼けた肉を食らう日々。
既に疫病、寄生虫耐性は付いている。
リンゴン「ふんふん♪」
散歩気分で楽勝で狩っていく。
魔王軍隊にも所属していない野生の森の為、魔王軍にとっても煩わしい壁としての機能が備わっている危険な森を散歩しながら狩る。
そんな日々が一ヵ月程続き、たまにはきちんとした肉料理が恋しくなってベルクトンに空間移動で戻って来た。
モンスターは正体がバレるから、珍しい薬草、冒険者達の死体から盗んだ宝石類、魔石をベルクトンの何でも屋に売りに行き換金して貰った。
まだベルクトンに拠点を移してから二か月も経ってない。
春、夕方。
リンゴン「う~ん?あれ?ハンバーグ店はどっちだっけ?」 迷子。
それなりに街は広い、迷子になってウロウロ。
路地裏で女性二人がレイプされそうになっている所に出くわした。
1「あ?見てんじゃねえよ」
2「死にたいんか?あ?」
3「・・・・」
4「不細工が、チンコちぎってやろうか?」
5「ぎゃははは」
若い10代の猫人メイド1「た、たしゅけ・・にゃ・・」
20代前半の猫人メイド2「お、お願いします!この子だけでも!」
1「じゃっかわしい!だあああとれええ!!」
2「はよどっか行!?」
リンゴン「えええっと~?こっちが森で・・防具屋がこっちだから・・」 素通り。
盗賊達『な、何だったんだ?』
2「と、早いとこ、行こうぜ?」
4「そ!〈ドグ!〉」 20代の猫人メイドが腹を殴られた。
20代猫人メイド「はぎゃん!?」 気絶。
10代猫人メイド「ふぐうう・・うんぐうう・・」 猿轡、号泣。
5「後でたああっぷり、ねええちょり、食べてあげるからねええひひ」
3「・・・・(今の奴・・何か妙だな・・非常に落ち着いていた、警備兵でも呼ばれては面倒だな・・やはり仕留 《ドドドドド》 風の矢が5人全員に真上から刺さった。
10代猫人メイド「え?・・うえ・・うえええ・・うえええええ・・」
死体の山の中泣く。
リンゴンはもうかなり遠くに居る。
〈ヒュン〉遠視魔法を閉じる。
リンゴン「・・ふん・・ま!万が一発動魔質が解析でバレても、それで戦争に巻き込まれても、国に追われても・・大丈夫になったしな・・名誉には興味はないが・・高みに登ったら、後は好きに助けて、好きに殺そうって決めてたからなあ・・」
ハンバーグ店発見。
リンゴン「お?やっとあったあった!腹減ったあ・・〈カララン〉」
店主「らっしゃあああせえええええ」
夫人「注文が決まったら呼びな!」
リンゴン「あ、じゃあ、全部のメニューをください」
皆『シイーーーーーーン』
リンゴン「・・ん?」
店主「聞き間違えたかな?今全部のメニューって・・」
リンゴン「あ、はい全部でお願いします」
店主「・・兄ちゃん・・金はあんの?ざっと2金貨はいくけど?」
リンゴン「あ、はいあります、んじゃ前払いしますから、ほら」
夫人に2金貨渡す。
夫人「・・ホンモンだわ・・あっはっはっはっは!!すっげえ気前がいい男だねえ?あんた達も見習いな!」
冒険者達『・・まじかよ・・何モンだ?・・さあ・・見ねえ顔だよな?・・うん・・知らない・・』
ざわざわ。
食べていたら、衛兵3人を引き連れてゴツイ熊みたいな男が来た。
2つの大きい斧を背中にからっている。
熊男「・・」
辺りを見回す。
リンゴンを見るなり、目が見開き、にやつく。
リンゴンの前に座った。
リンゴン「・・何か?」夫人がビールを持って来た。
リンゴン「あ、どうも」
熊男「さっき盗賊共を殺しただろ?獣人村からお前にお礼が出るそうだ、良かったな?明日一番に獣人広場の式典がある事は知ってるな?そこでお前を表彰したいそうだ」
冒険者達『ザワザワザワアアアアアア』
リンゴン「・・まさかもう嗅ぎつけるとはな・・匂い、痕跡は『自然に』残した筈だが・・レアスキル持ちが2人居るのか、一人が2つ持ちなのか・・それか・・時魔法系か」
熊男「〈ピク〉」
リンゴン「過去視か・・とんでもないな、何故王都ではなくこんな辺鄙な村へ?」
熊男「式典だ」
リンゴン「・・断る・・と言ったら?」
熊男「・・」
リンゴン「・・〈ゴキュゴキュ〉ぷはあ・・」
熊男「お前こそこんな辺鄙な村で何してる?内には風使いがいるんだがな?そいつの話じゃ、お前の風はSSSクラスでも居るか居ないかって話なんだがな?そんな腕を持ったお前が何故王都の魔導士試験も受けずにこんな辺鄙な村で?」
リンゴン「あれくらい誰だって出来るよ、あ、どうも」 夫人がハンバーグを置く。
熊男「風の威力を損なわずに小さくしてそれを遠視魔法と同式させて、遠隔操作しながら、人質に当てることなく5人同時に仕留める事が、誰でも出来るって?」
冒険者達『ザワザワザワザワアアアアアアアアアア』
リンゴン「ああ、あふあふ、しょ、あふ、しょうだ」
熊男「被害者の娘の証言によると、お前はたった一回チラッと見ただけで、素通りしたって?」
リンゴン「・・〈モグモグ〉」
熊男「たった一回素通りしただけの速さで、この店に入るまで何分だ?」
リンゴン「・・さあ?」
熊男「40秒だ」
冒険者達『ザワザワザワザワアアアアア』
熊男「SSSランクの上のOOOランクでも遠隔、遠視、その他魔法の3種並列、連結、連動は発動までに1分が限界だという記録がある、同種類の並列とは訳が違うからな、お前は実際に魔法の起動から、仕留めるまでには10秒も掛かっていない、発動までに多少歩いたな?何か考えていたんだろうが・・大方、助けるか考えていたんだろう?」
リンゴン「買いかぶりすぎだ・・俺は、あ、どうも」 夫人がエビチャーハンを持って来た。
リンゴン「・・とにかく・・断る・・いいな?」
熊男「・・」
リンゴン「んだよ?だめ?いいじゃん断っても」
熊男「獣人と・・人間との懸け橋になってはくれんか?・・頼む・・」
熊男と共に頭を下げる一行。
リンゴン「やだ」
熊男「解った・・邪魔したな」
リンゴン「あふあふ」
熊男一行が去っていった。
店を出た。
リンゴン「せっかくだし、宿を取って休みたいな」
だがどこもいっぱい。
宿を探していたら、獣人街へ着いてしまった。
リンゴン「あれ?ここって獣人街じゃね?うっわやっば!」
離れようとー。
〈ギュウウウウ〉突然横から抱きしめられた。
リンゴン「!?(敵意の壁が作動しない!?)」
10代猫人メイド「見つけた・・ありがとう、本当にありがとう」
落ち着かせて話をした。
猫人「なら是非館へ来てください!きっとお嬢様も、旦那様もお喜びになられます!」
猫族の本館のお嬢様のメイドで、名前はミーシャ。
お使いの行きがけに襲われていたのだとか。
門。
ピンクフリフリの服を着た10代前半?くらいの美人な猫娘が苛立ちながら立っている。
フリフリ「ああ!!もう!お使いはもういいって言ったのに!ミーシャ!?」
ミーシャ「あう!ご、ごめんなしゃい」 リンゴンの後ろに隠れる。
猫族お嬢様「あら?そちらの方は?」
猫お嬢様16歳「あなたがミーシャと、エハナの命の恩人ね?どうもありがとう!二人の恩人ならば恩返しをしなくては我がミノラ家の誇りに関わるわ!さあ入って入って!」
街から少し離れた丘の上にその広い館はあった。
ミーシャと、エハナが発情しながらベットで迫って来た為、魔法で眠らせた。
翌朝。
エハナ「館の主、ゴルーニャ様がお待ちです、朝食も兼ねてご相談があるとか・・リンゴン様?入りますよ?リンゴン様?」
置手紙だけ、リンゴンはもう居なかった。
死人の森。
ランクOOOモンスターグニングルドラゴン。
人型に近いドラゴン。
強力な魔法と竜語を話す。
リンゴン「くううう(ドゴオオオ!!)くわ!?」
流石に楽勝とは行かない。
リンゴン「へへ・・やんじゃねえの!流石は死人の森の苔の岩山!、魔王軍でさえも遠回りする訳だぜ!」
観客のグニングル族の男達『ウオオオオオオオオオオオオオオオオ』
リンゴン「この森の生態系のてっぺんのあんたに勝てば俺はもっと強くなれる!」
グニングル1戦闘代表「チッチッチッチ」 8本指の一本を振る。
リンゴン「・・もしれえ・・っくっぜオラアアアアアアアアアアアアアア」
勝った。
片目、片足を失ったが。
グニングル1の死体を食べた。
グニングル族達と一緒に。
殺したくはなかった。
良い奴だった。
だが、手加減出来る隙間なんてなかったのだ。
凄い奴だった。
凄い・・奴だった。
リンゴン「えぐ・・うんぐ(モグモグ、クチュ、モニュモニュ)んっぐ、んっぐ」
そんなリンゴンをよそに、楽しく飲んだり、踊ったりするグニングル達。
グニングル族特有の体質。
アナウンス(グニングルの再生を入手しました)
足が凄いスピードで生えた。
目も治った。
この力に苦戦させられた。
普段なら、力が手に入ったらそのまま他のモンスターの呼び餌にするのだが。
この友だけはと。
最後まで食べた。
精神的に疲れたので、グニングル達と涙のお別れをして、4日ぶりにベルクトンへ戻って来た。
街ではパレードが行われていた。
こ の 街 で の獣人のお偉いさんと、人間のお偉いさんが同じ馬車に乗って民衆に手を振っている。
リンゴン「ほ・・良かった・・ま、どうでもいいか」
正体がバレている以上、隠す必要がないと、今度は遠慮な高いランクのモンスターの死体を自作のアイテムボックスから出す。
あっという間に噂が立ち、勇者の一行の一人、魔槍使いが絡んで来た。
槍「おいおいなあんだよ・・期待して来てみりゃあこんなちんけなチン毛野郎かよ?」
リンゴン「チン毛はお前の髪だろ触覚野郎」
槍「・・面白い事言ってくれるねえ・・俺は勇者と魔王軍と渡り合った男だぜえ?解ってんの?」
リンゴン「・・俺が弱いって解って絡んで来たお前は勇者って資格が無い事・・解ってんの?」
槍「・・おいおい・・俺は引けって言ってんだぜ?解ってんの?」
リンゴン「強い者が引くモンだろ?それが強者の矜持だろ?解ってんの?」
槍「(ヒクヒク)弱い者虐めはしたくないんだよ、いいからさっさと謝れや、それで許してやっから」
リンゴン「そっちから絡んで来た癖に?はあ?馬鹿じゃ・・は?・・ああ・・馬鹿な顔してんもんなあ・・可哀そうに・・きっとハーレム築けなくて苛ついてんだなあ、全部勇者に取られて」
槍「・・お前・・忠告するぜ・・あと一回俺を馬鹿にしたら躊躇なく殺るぜ?」
リンゴン「ばあか」
(ビ)槍が顔に刺さー。
外れた。
槍「な!?(蜃気楼魔法ミラージュ?)」
リンゴン「今のは遊びでは済まさない」
槍「ちょ待て!?」
リンゴン「待たないから防いでみろよ」
槍の体が紫色に光っている。
槍「!?く!?くっそったっれえええ!!」
リンゴン「ふん」 手をデコピンの形へ、そして弾いた。
槍の体がバラバラにはじけ飛んだ。
リンゴン「磁力魔法だ、自分の中の鉄分で死んだ気分はどうだ?くくはははは」
勇者「まあたく・・まあたもめ事ー・・」集団を掻き分け勇者イケメンがハーレム達とやってきた。
槍のバラバラ死体を見た瞬間。
その場に居た人間は勇者パーティーとリンゴンを除き、気絶した。
勇者「・・嘘だろ・・パリダム・・嘘だろ・・妹に・・贅沢させてやるんじゃなかったのかよお・・」
リンゴン「・・言っておくが・・正義は此方にある、そいつが絡んできて、口喧嘩になった、んで、そいつが俺を殺そうとしてきたから、殺した、それだけだ」
勇者「・・そうなのか・・そうなのか?」
女賢者「本当みたいね、わざと思考を読ませたわね?」
リンゴン「 断 る 理由がないからな?」
女賢者「・・あなた・・何者?」
エルフ女「・・」 特大な弓矢を構えて微動だにしない。
リンゴン「つうかさあ・・あんだよ・・安い奴らだなあ・・はあ・・コロシアイなら・・買うけど?」
賢者「!?何ですって?私達を知ってるでしょう?私達は魔王とも渡り合うのよ?そんな私達にあんたみたいなー・・」
リンゴン「みたいなキモデブ不細工が勝てる訳ないって?くははは、それで負けたら歴代勇者の最悪の汚点だな?くはははははは」
勇者「だまれええええええええええ!」
(ビリリイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ)
勇者「・・スーーーーーーーー・・フウウウウウウウウウウウウウウ、場所を変えよう・・勿論・・買ってくれるんだよな?(オオオオオオオオオオオオオオオオ)」
リンゴン「うん、いいよーー買って あ げ る 」
賢者「んじゃあ・・クリスタル平原へ飛ばすわよ」
《シュン》
《シュン》 着いた。
何もない。
草原が広がっている。
馬が大量に走っている。
巨大な首が長いのが悠々歩いている。
女賢者「良かった、近くにモンスターは居ないし、人も居ないわ」
猫族女「そんな奴さっさとやっつけるにゃご主人!」
エルフ女「そうです!マイマスター!」
ドワーフ女「しかし・・あやつの魔力・・解らん・・まるで測れん」
蛇族女「心配ありませんよ・・マスターならば」
狼族女「我が主がピンチになるなどあり得ん!」
貴族姫「・・信じているぞ」
侍女「さっさと終わらせろおおおおい主いい!」
勇者「行くぞ」2刀流構え。
リンゴン「ふぁあ・・あ、ごめん、いいよおおおあふぁ」
勇者「〈ブチン〉(縮地)」 一気にー。
リンゴン「〈スカ〉ふぁあ・・」躱した。
勇者「(想定内だよ!)」切り返した。
リンゴン「(大振り?)うざい〈ボキイ〉」勇者の右肘に蹴り。
勇者「(腕の動きに合わせて!?どれだけ俺が遅く見えてんだ!?)ぐあ!?」
近場テレポートで離れる勇者。
勇者「はあ、はあエクストラヒー〈ボゴオ!〉おげえええええ!?」喉を殴り潰した。
リンゴン「コロシアイに『時間』はないんだよ、わざわざ痛がってハアハア言ってんじゃねえ、舐めてんのか?あ?」
勇者「(い、息が!?)」 また近場テレポート。
携帯エクストラポーションを飲もうとバッグを探ろうとしー。
バッグがない。
勇者「!?」
リンゴン「探してんのコレえええ?」大声で見えない勇者に語り掛ける。
バッグを高らかに持ちー、火炎魔法で〈ボン!〉焼いた。
勇者「・・」諦めず意識を集中させ、無詠唱ハイパーエクストラヒールを使った。
〈シュオオオオオオオオオオオオ〉 緑色に光った。
勇者「(よし!これであのふざ〈ブチュグ!!〉ほおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」前に股間を押さえて寝転がる。
リンゴン「ハイパーヒールくらいなら光を消せたのに・・エクストラなんか使うから緑光が丸見え!かあ~・・やっぱ・・舐めてんだろ?あ?」
大きく足を振りかぶってー・・。
〈ズドオオオオオ〉勇者が押さえてる股間へまた蹴り。
勇者「・・」気絶。
その後、勇者のお付き人達が襲って来た。
全員ミニスカだったので、下着を戦闘中に脱がし、動けなくさせた。
女達『ひ、卑怯だぞ!?正々堂々と戦ええええ!おのれええ小癪な真似を」
リンゴン「っつかさあ・・お前ら肌見せすぎじゃね?恰好はまんまビッチだな勇者一行はパンツ見せたがりのビッチ集団ってか?くははははははははは」
〈ボン!〉下着を燃やした。
女達『ああ!?』
リンゴン「ああんじゃねえよ、俺を殺しにあんたらは襲って来たんだぞ?下着で済んで感謝しろ馬鹿!」
女達『う!?うう・・それは・・うう・・』
猫人「あ、あんた!んねえ!?あんた名前!名前は!?」
貴族姫「そ、そうだ!名を名乗らんか!」
リンゴン「うっせえ、糞ビッチ変態ミニスカ集団!そこで寝てる旦那と年寄りになるまでイチャイチャしてろ!それが世の中の男の為だ」
女達『・・・・』
リンゴン「次は子宮ごと腹を殴り潰すからなあ・・会わない事を祈ってるぜ?じゃな?」〈ヒュン〉
残るは静寂のみ。
狼女「・・惚れた・・」
皆『え!?』
ベルクトンに戻ってから暫くは平和に暮らしていたが、王都からの直々の『呼び出し』が各ギルドに手配された。
無視しながらフードを被りいそいそ暮らしていたがー。
優秀な魔術師達からの占いで突き止められた。
国家から無いこと無いことの罪で追われている大犯罪者へと仕立て上げられてしまった。
リンゴン「いくら俺に合いたいからってあそこまでするかねえ?」
洞窟入り口。
リンゴン「・・ま・・俺には人間界は狭すぎって話さな・・くっくっくくはははははははははは」
魔界大陸。
現在の世界地図で人間が暮らしている陸地割合は20%と言われる。
残りの8割は魔界と呼ばれている未踏の地。
洞窟の中に消えて行く笑い声。
洞窟の入り口の看板。
看板〈ここより先人間界にあらず、未だ帰還した者皆無なり、勇者であっても帰還叶わず、故に立ち入るべからず〉
その看板の文字の上から新たな文字〈帰るかボケ!!〉
洞窟入口。
狼女「クンクン、クンクン、ふふ、まってええ、ダーリン♪」
《END》