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日向と大地と  作者: こせよしこ
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ネコと少女と

新発田に連れられて辿り着いたのは、豪邸と呼ばれる類のお屋敷だった。

大きな表札には、『実海棠(みかいどう)』とデカデカと書かれている。

新発田はチラリと横に立つ大地を見た。

大地の被り物は猫になっており、それに付いている鼻をひくつかせている。

「おー、凄いですねぇ」

何故か棒読みでそんな感想を漏らした大地に、新発田は少し苛立たしげに、

「行くぞ」

と門を潜って中へと入って行った。

大地もそれに付いて行きながら、周りをキョロキョロと見回している。

「実海棠って、あの玩具メーカーで有名な実海棠さんですか?」

その疑問に新発田が先を歩きながら、

「そうだ」

と頷く。

「私のこれも実海棠ブランドなんですよ。特注品ではありますが」

そう言い被り物をポフポフと叩く大地。

「そんな物個人的に頼むのはアンタ位だな」

そう言う新発田の声は冷ややかなものだった。

大地は気にしていない様で、

「それはそうですよね」

とカラカラと笑った。

玄関に着くと、そこには着物の女性が立っており、

「こんばんは。貴方が絡繰屋台さん?」

と笑顔で挨拶をしてきた。

「女将さん、絡繰屋敷です」

「あら?そうだったわね」

「こんばんは。はじめまして。絡繰屋敷と申します。被り物をしたままでの挨拶お許し下さい」

大地はそう言うと、執事の様に畏まったお辞儀をした。

「うふふ、良いですよ。うちの商品を身に着けている人に悪い人は居ませんもの」

少女の様に笑う女性は、

典花(ふみか)に会いに来て下さったのですわね。でも、今は別のお客様が居らしてますから、応接間でお待ちになって下さい」

と言い、応接間まで案内をしようと足を進めた。

そこへ、少女と楽しそうに手を繋いだ日向が現れ、

「あれ?だ……所長、どうしてここへ?」

と訊ねてきた。

「奇遇だね。私も依頼されて来たんだよ」

そう言い鼻をひくつかせている大地の顔を、典花は目をキラキラさせて見ていた。

「ネコさん、ネコさんも私のお友達になってくれるの?」

頭だけアニマルな大地に物怖じせずに話しかけてきた典花に大地は、

「そうですよ。お近付きのしるしにこれを差し上げます」

と言って、何処からか取り出した綺麗に折られた薔薇の折り紙を典花に手渡した。

「ありがとうネコさん」

典花の目は更にキラキラと頬は赤く染まっていた。

「で、合格ですか?」

聞く大地に新発田は短く、

「ああ」

とだけ答えた。

その日はもう時間も時間なので、大地と日向はお暇して、翌日また来ると約束をしてから家路についた。

密かに尾行していた新発田の手下をまくのを忘れずに。

空に輝く月はあと数日で満月になろうとしていた。

はじめましての方も、そうでない方も、ここまで読んで下さりありがとうございます。

今の所順調に更新しています。

更新の手が止まらないと良いのですが(;^ω^)

楽しんでる内に書いてしまいますかね?

では、次の作品でお会い?しましょう。

ここまで読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m

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