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第19話 生活魔法

バンジーさんのご厚意で武器と衣服を買ってもらい、あとは入学日までバンジーベーカリーでレジの手伝いをしつつ過ごしていた。

「ハヤトくん、ちょっと手伝って欲しいのだけど」


バンジーさんに呼ばれて、パンの焼き場に向かった。


「パンを焼いてみるか」

「えっ、そんな事やった事ないですよ」

「まあモノは試しだ。何個か黒焦げになっても焦げた部分落としてうちらの食卓で消費するだけだしな」

「そこまで言ってくれるのでしたら」

「じゃあ釜に火を付けてくれ」

「ライターか何かありますか」

「えっ!そんなモノないな」


そう言うとバンジーさんは釜を開けて、指先を突き出した。

「火の精霊よ、我に力を貸し給え。ファイアー」

そうすると釜の中に火がついた。


「火を付けるってこういうことなんだが・・・もしかして生活魔法知らないのか」

そういえば、ノヴァルディーに来るときに生活魔法を使えるようにした。と伊勢長官(カイト外務卿)に言われてたが、使い方までは教えてもらってなかった。


「生活魔法を行うときに大事なのは、想像力だ。ワシの場合は火の精霊を想像して、彼らがワシの指先に集まり一緒に火を付けるって感じだ。ちなみに想像力って言った通り、その想像は色々ある。ハヤトくんがさっき言ってた火付け石で火を付ける感じで火の魔法を使う者もいると聞いたことがある」

「つまりどんな感じでも火が付くという想像を働かせればいいんですね」

「うむ。それぞれ個人が一番想像しやすい形が最も適してるって事だな」

「わかりました。やってみます」


ハヤトはもう1つの釜に火を付けさせてもらうことになった。

「えい!」

バンジーさんよりも素早くそして強い炎が付いていた。


「す、すごいじゃないか。どう想像したんだ」

地球(むこう)にあった火を付ける道具であるチャッ○マンで火を付け、同時に酸素をそこに送り込む想像でやりました」

「その道具や酸素って意味がよく分からんが君にとって最も想像しやすいのが、その方法なら君にとっては正解なんだろう。しかし、トライ人が魔法を使うのに優れているというのは、噂には聞いていたが本当だったんだな」


しかし、ハヤトはバンジーより1点だけ注意を受けた。

「誰かと協力して魔法を使うときや、このように日常生活で使う時には何の魔法を使うか口に出すように」

一人暮らしや一人でギルドの依頼をこなしている時は無詠唱で構わないが、今のように誰かと一緒に行動している最中に魔法使う際は何の魔法を使うか言わないと万一魔法が暴走したりした際にとっさの対処ができなかったり、動物や魔物などを相手にチームで戦ってる時も魔法の内容を言わずに使うと味方が巻き込まれたり等思わぬトラブルが起きてしまう事があるからだ。


「という事で生活魔法には3つの魔法がある。今教えた『火の魔法』それに『水の魔法』『風の魔法』がある。そしてこれらの組み合わせでさらに無数の生活魔法が使える」

「火の魔法と水の魔法を組み合わせてお湯を出すとか、そういう事でしょうか」

「飲み込みが早くて教えがいがある。まさにその通りだ」


ハヤトは水の魔法は水道の蛇口をひねるイメージで、風の魔法は扇風機をイメージしてそれぞれ成功させた。

「あとはこれらの組み合わせを色々作っていくことで生活がしやすくなる。そして魔法自体はこれ以外にも土や光などあるがそこら辺は冒険者ギルドなどで魔法使いを紹介して貰い教えてもらったほうがいいだろう」


ハヤトは火の魔法でパンを焼き、風の魔法でパンを切り、水の魔法で野菜を洗うなどして生活魔法を自分のものにしつつ、入学日までバンジーベーカリーでの日々を過ごしたのであった。


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