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Reality is that which, when you stop believing in it, doesn't go away.
Philip K. Dick
現実とは、それを信じるのを止めたとしても消えないもののことである。
フィリップ・k・ディック
十五年前、僕が生まれた日――
初めて、僕の国に〝怪獣〟が現れた。
硬い皮膚で覆われた巨大な躰――
高層ビルを軽々と薙ぎ倒せる爪と尻尾――
全てを丸呑みしてしまうように突きだした大きな顎――
巨大な鰐のような躯をした怪獣は、口からは灼熱の炎を吐き出し――
町を、街を、都市を、土地を、大地の全てを灰燼と化して、何一つ残らない焦土にしてしまった。
その怪獣〝アトミック・ボンバー〟が通った、その後――
何十年間、もしかしたら何百年の間――誰一人、足を踏み入れることができない、そして二度と草根の一つ生えてこない、この世の地獄になった。
その日――
今は〝北日本消失〟と呼ばれる怪獣出現の出来事により、東京を含む北関東圏、そして、北日本は壊滅した。
怪獣出現の十二月二十五日から、怪獣消滅までの七日間で――
日本の人口の約半分が消滅した。
そんな、日本全国はおろか、世界中を恐怖のどん底に突き落とした、阿鼻叫喚の悲劇の中――
怪獣消滅の地となった首都東京での〝首都決戦〟――
最大の爆心地となった東京の地で――
――――たった一人、僕だけが生き残った。