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episode 3 萩村 隼人



改定版です。


ちわっす。

萩村隼人(はぎむら はやと)っす。さっきはひろきの罠にはまってえらいことになっちまいました。あのやろう、ちょっとモテるからって調子にのって・・・・。



あの後全員にクラスを教えて――というより同じだったので、今はみんなで一緒に我らがクラスの1―Cに移動中。もちろん知的ウルトライケメン天才のこの俺様が先頭で。


「はやと、意味わからないわよ」

「え!?何が!?」

思考を読まれただと!?この女、いったいどうやって俺のポーカーフェイスから思考を読み取りやがった!?


「あんたは考えてること口に出してるのよ。いい加減気付きなさい」


「マジで!?」

じゃ、じゃあ今までのも全部?うわっはずかしぃっ!!!

なんだか自分がすごく痛い子にしか思えなくなってきた。

そんなことを誤魔化すために多少強引に話をそらす。


「し、しっかし、全員同じクラスってすごい偶然だな。これは俺たちには切っても切れない縁ってのがあんだよ、きっと」

「そうだね。切っても切っても再生しちゃうもんね。はやとって」

「俺はアメーバかっ!」

相変わらずムカつくことを言いやがるひろき。人をそんな変なのと一緒に――。

「あー、ごめんごめん。それじゃアメーバが浮かばれないね。はやとは存在自体が猥褻物(わいせつぶつ)と同義だし」

「さらにランクダウン!?」

こ、このやろう!


「少しは落ち着きなさい二人ともっ!」

そんな俺たち二人を見かねたのか、ゆうひが長い黒髪をなびかせて仲裁に入ってくる。こいつ可愛いのに俺たちとつるんでるから男共がよってこないんじゃないだろうか?

多少膨れっ面を浮かべながらそんな感慨に捕らわれていると、目的の場所についた。


「あ、ここですね」

常に敬語の美少女――もといい美少年のあおこと青山光昭が足を止める。

「んじゃ、入りますか」

そう言って俺はドアを開ける。ガラガラ、という音と共に教室に入ると、眩い光がっ!なんてこはない、ないのだが、目の前にいた人物を見た瞬間俺の背筋が無意識の内に凍りついた。

「あ〜〜〜〜!!!!」

教室内に絶叫が響く。その声の正体、というより少女がズンズンといったような足取りでこちらに向かってくる。

「あんたさっきの激突魔っ!」

「なんだよ激突魔って!?」

いきなり変なあだ名を付けらたことについ腹がたつ。可愛いのに勿体無い性格、間違いない。

「あの時の毒舌女っ!!」

「誰が毒舌よっ!!」

「げふっ!?」

いきなり鳩尾に蹴りを入れられた。たまらず数歩後ろによろけ、廊下に倒れ込む。

「は、はやと!?」

俺がいきなり倒れてきたことに驚いたゆうひが近寄ってくる。

「し、知り合いですか?」

若干引き吊りながら俺に聞いてくるあお。

ここはビシッと説明して、あの女の本性をさらけ出さねば。


「さっき俺を貶してくれちゃった女だよ」

うん、正確に伝わっただろう。俺って文章力も神並じゃね?

「あー、じゃああんたが悪い」

「え!?なんでだよゆうひ!?」

あれだけ簡潔に言ってやったのに俺が悪いだと!?信じられない!!

周りを見ると、あおが苦笑い、ひろきのやろーがまた腹を抱えてやがる。

「何ぐだぐだ言って―――」

するとあの凶暴女がこっちにやってきた。やばいっ!目がめっちゃ怖いっ!


また一発蹴りを貰う。そう覚悟した俺は目をしっかり瞑った。



・・・・・・・あれ?


いくら待てども蹴りが飛んでこない。訝しく思って片目を開くと、あの暴力女はピタリと制止していた。わけがわからず気が動転している俺、だが次に発せられた言葉に俺を含めた全員の度肝を抜かれた。


「ひろにぃ?」



・・・・・・・・・・は?



何がどうなってんだーー!?!?

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