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4話目 4月12日 間違った日本語と間違った理解

見てくださりありがとうございます。


当分の間は1^3日に1話というペースでやっていこうかなーと思っています。自分の執筆ペースが把握できたら予約投稿等を活用して定期更新に切り替えようかと。。

4月12日続き3


 よく分からない。よく分からないんだ。

 僕は普段はこんなに暴力的じゃないんだ。

 挑発ばかりしてくる彼らがいけない。



 ん…?ああ、スラム○ンクは僕のバイブルです。






------------------------------





 薄暗い神殿の中、異様な雰囲気が漂っていた。


 召喚は成功した。しかし、召喚された男は極悪非道な魔王だった。

 なぜ、極悪非道かって?


 年老いた術士長を容赦なく蹴り飛ばし、(大した怪我は負っていないようだが、

 一緒に召喚されたであろう、かわいそうな少女を上空に投げ飛ばし、

 あろうことか…その少女を跡形もなく消し飛ばした・・


 これを極悪非道と呼ばずして何という。


 何よりもあの目だ。

 今にも大量虐殺を始めようとする、そんな目だ。


 あの目が求めているのは血!血!血!


 ああ、駄目だ、目を合わせてはいけない、殺される。

 私も蹴り飛ばされる、投げ飛ばされる、消し飛ばされてしまう。


 口もひどい…さきほど少女と話していた時のあの大きな口といったら…

 そのまま少女に齧り付くのではないかと思ったほどだ。

 きっとあいつの主食は人だ、間違いない。







 こんなハズではなかったのだ…


 召喚に関する文献がなぜか全て日本語だったため、実のところ、

 召喚の詳細は我々の誰も分かっていない。


 日本語が使えるのは、300年前に召喚された数人のみであり、そんな人が生きているはずがない。


 しかし、しかしだ。ろくに辞書という物がない中、我々はその文献を解読し、なんとかなんとか召喚にこぎつけたのだ。


 文献によれば、武も知も優れた人が召喚されると言う記述があった。

 文献ではなくこれは伝承だが、召喚された彼らの多くは


「困っている人、元気がない人を見ると放っておけない。


 常に感謝の気持ちを忘れず、厭なことはすぐさま忘れ、前向きに生きる。


 みんなの喜ぶ顔が見たくて、けじめを大切に、喧嘩せず、しているのを見つけるとすぐ止めに入り、


 物事をはっきり言わない奥ゆかしさを持ち、笑顔を絶やさない。」


 そんなまさに「善人」という名にふさわしい人物ばかりであったそうだ。

私たちの国民性に似通っている所も多々ある。


 その記述を、その伝承を信じて、血のにじむような努力をしてきたつもりだ。


 そして…その仕打ちがこれか?あれが善人だというのか?

 誰が魔王を召喚した責任を取るというのか?

 誰が私達がしてきた努力の責任を負う?言いだしっぺの私か?



 ああ、駄目だ駄目だ駄目だ!とにかくこの場を収集しなければ…。


 言葉が分からないにしてもやりようはある。元々それは想定していたんだ。


 だから土下座も知っていたし、「ワタシニホンゴワカリマセン」という魔法の呪文を知っていたのだ。

(どうやらこの呪文を言うと、日本人は困った顔してこちらの事情を理解し、なんとかしようと努力してくれるらしいのだ・・今回は全くもって効果が無かったのだが)


 幸いにもまだまだ魔法の呪文は残っている。諦めるにはそれらを全て試しつくしてからでも遅くは無いはずだ。


「ジェイ、呪文Bを使うのだ」

 近くの術士に声を掛けた


「シャッチョーサン!ヨッテッテーヨ!ワタシノアマゾン川ミテイカナァイ?」

 殴り飛ばされた。くっ・・これも駄目なのか。


「次、スーさん、Cだ!」


「パパニモブタレタコトナカッタノニ」

 また殴られた…


「オカエリナサイゴシュジンサマ」

 蹴り飛ばされた。


「ゴハンガイイ?オフロガイイ?ソ・レ・ト・モ・・」

 全部言い終わる前に、頭突きをされた。


「モエタヨ・・モエツキタ‥マッシロニ」

 はたかれた…


「アキラメタラソコデシアイシュウリョウデス」

 お、なんか効果があったようだ。握手していた。


・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

 駄目だ、その後数十の呪文を試してみたがほとんど効果がないようだ…

 呪文の数ももうすぐ尽きようとしている。なぜか魔王もぜーぜーと息を切らしている。

 どうしたら我々はあの魔王を宥め、そして意思の疎通ができるというのか‥

・・・・・・

 ふと周りを見回していると…無事に2本の足で立っているのは、私と王しか居ない。

 こうなったら、王に


「ん、何を見ている、まさかワシを危険な目に合わせようと言うのではないだろうな?」


「そんな馬鹿な、何を言っているんですか、王様。

 ただ、ここに載っている一文を彼に言ってもらうだけで良いんですよ?」


「それが危険な目にあわせているといっているんだ!おぬしがいけ、おぬしが」


 チッ・・さすが賢王と呼ばれているだけある、だまされてくれない。

 どうせなら勇気ある王として名を轟かしてくれればいいものを・・。


 ああ…もうウダウダしてもしょうがない。きっと痛いのは一瞬だろう。

 覚悟を決め、魔王に近づき声を掛ける。


「オトイレハダイジョウブデスカ・・・?」


 魔王が今度は平手でこちらをはたこうとして・・あぁ死ぬんだ私・・。

 と目をつぶったが、予想していた衝撃が来ない。あれ、どうした?

 ふと顔を上げると、魔王の青白い顔にも赤みがさして、顔を人差し指でぽりぽりとしている。

 まさかの事かと思うが、何かはずがしがっているようにも見えた。



 そしてその指であちこちを指差す。目には?マークが浮かんでいる。

 まるでどこかをこちらにたずねているようなポーズだ。



 まさか効いたのか!呪文が!喜びの余り倒置法を使ってしまった!

 いいね、やったね、最高ですね!ふぅ~・・・・何事も試してみる物だな。


 さて見上げると(やっぱりでかいですね、私も長身な方なのですが)、

 相変わらず場所を尋ねている感じの魔王。











 あれ?あれ?私、これからどうしたらいい?どうしたらいいの?

 さっきの呪文の意味とか全くワカラナイヨ?

 もしかして早く答えないと殴られる?あぁ、どうするよ、私、どうするよ。


 絶望感に苛まれる私であった。

もうひとつ場面を進めるつもりだったんだけど、ワルノリしてしまったw

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