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第1話 言葉は魔法なんだよ。

 どうぶつかばんと魔法の言葉。


 言葉は魔法なんだよ。


 言葉は魔法なんだよ。

 魔法ですか?

 うん。魔法。

 言葉は大好きって気持ちを伝えることができるすごい魔法なの。

 大好きを伝えるすごい魔法。

 そうだよ。すごい魔法なんだ。

 すごい魔法。(ご主人様の膝の上で、大きな瞳をきらきらと輝かせながら)

 でもね。言葉は魔法だから、とても強い力を持っていて、間違って誰かを心を深く傷つけてしまうこともあるんだ。

 心を深く傷つけてしまう。

 うん。悪い言葉を使うとね。心が深く傷ついてしまうことがあるの。傷跡がずっとずっと残ってしまうくらいにね。言葉は魔法だから大切にしなくちゃいけなんだよ。

 だから悪い言葉は使わないこと。

 わかった? 

 はい! わかりました! ご主人様!(元気に小さな両手をあげながら)


 とことこと小さなお人形パペットの女の子の『どうぶつかばん』が小さな手と足を動かして、お掃除をさぼって、薄暗い大きなお屋敷の中の廊下を走っています。

 どうぶつかばんはいつも持ち歩いている『とっても大好きなどうぶつかばん』を今日も肩からさげて持っています。(子いぬの顔のかわいいどうぶつかばんでした。中にはお菓子がいっぱい入っていました)

 そんな風にいつもどうぶつかばんを持っているから、いじわるなご主人様から「お前の名前は今日からどうぶつかばんだよ」と言われてしまって、どうぶつかばんはどうぶつかばんというお名前になったのでした。

 どうぶつかばんがいつも肩からさげて持っているどうぶつかばんは『前のとっても優しいご主人様からお誕生日にもらった、とってもとっても大切な宝物』でした。

 今の大嫌いないじわるなご主人様とは違って、どうぶつかばんは前のとっても優しいご主人様のことが今でも、とってもとっても大好きでした。

 言葉は魔法。

 言葉は魔法。

 言葉は、魔法!

 ふふふっと笑いながら楽しそうに走っているどうぶつかばんはそんなことを心の中で、ずっと思っていました。

 そんな小さな女の子のどうぶつかばんの後ろをもっと小さなお人形パペットの男の子の『うさぎのさいふ』がとことことと走りながら(がんばって)ついて行っていました。うさぎのさいふも、いつもかわいいうさぎのさいふをくびからさげて持っていたので、いじわるなご主人様にそんなお名前にされてしまいました。

「どこにいくんですか?」

 薄暗い大きなお屋敷の一階の窓のところから外の出ようとしているどうぶつかばんにうさぎのさいふは言いました。

「ここからこっそりと逃げ出すんですよ。いじわるなご主人様は大嫌いです。優しいご主人様のところに戻るんです」

 どうぶつかばんは窓に足をかけながら言いました。

 すると「ぼくもつれていってください」とうさぎはのさいふは言いました。

「どうしてですか? うさぎのさいふもいじわるなご主人様のことが大嫌いなんですか?」

 とどうぶつかばんは言いました。

「ううん。違うよ」

「じゃあ、どうしてですか?」

「どうぶつかばんのことが大好きだから」

 と本当に嬉しそうな顔でにっこりと笑って、うさぎのさいふは言いました。

 大好きという魔法の言葉を聞いて、どうぶつかばんはうさぎのさいふと一緒に二人で、いじわるなご主人様のところから逃げることにしました。

 こうして小さなお人形パペットの二人の子どものいじわるなご主人様のところからの逃走劇が始まったのでした。

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