このドロドロした【君を愛することはない】~公爵様は〇〇だった!
「君を愛することはない。初夜で申し訳ない。契約結婚にしよう。白い結婚だ。叔父上には内緒にしてくれ。夫人の予算は弾むよ」
夫婦共同の寝室にいくら待っても来なかったので、メイドを呼び旦那様の体調を心配した。
しかし、白いガウンに身にまといやってきた旦那様は、本当に就寝中だったようだ。ナイトキャップを被っているわ。
私はナイトドレス。恥ずかしいわ。
グレーメル公爵のウルリッヒ様は今上の陛下の甥である。今年33歳だわ。
女好きと言われて、奥様が2年で交代をする。
私は7番目の妻だ。
6人の奥様は2年結婚生活をおくった後、有力家門に嫁入りか多額の慰謝料をもらい事業を興した方もいるわ。
「奥様、お茶をお持ちしました」
「ありがとう。ねえ、ケリー」
「はい、奥様、何なりとお聞き下さい」
「旦那様は、ホ『ガチャン!』ら?」
「失礼しました!」
まあ、ポットを落としたわ。
それから、執事にも聞いた。年若い子だ。旦那様はもしかして・・・
「ねえ。セルト、聞きたい事があるの」
「はい、奥様、何なりとお聞き下さい」
「旦那様はホ『ゴホン!ゴホン!』」
「まあ、咳ね。下がってお薬をお飲み下さい」
まあ、詮索をするなって事ね。
猫ちゃんにも膝抱っこしながら聞いたわ。
白の長毛種よ。
「ねえ。ミリー、貴方、旦那様は『ニャン!ニャニャニャー!』キャア!」
タタタタタ~
暴れて私の手を振り払って去ったわ。
ピタ!
と止って、こちらを見る。
タタタタタ~
また、去ったわ。猫ってこうよね。
国王陛下に結婚の挨拶をした。
旦那様と一緒だ。
「うむ。マーガレットよ。我が甥、ウルリッヒを宜しく頼むぞ」
「はい。公爵夫人の職責を果たせるように頑張りますわ」
「まあ、マーガレット、私の義娘も同然よ。何でも相談してね」
「有難うございます。王妃殿下、身に余る光栄でございます」
「ところで・・・マーガレットよ」
「はい、なんでございましょう」
「父君は・・・いないのだよな」
「はい、お父様は、行方不明ですわ」
「おお、そうか、よ、いや、悪い事を聞いたな」
私のお父様は若い頃、女を作って出て行った。
伯爵家の財産を根こそぎ持ち出して・・・お母様とお兄様たちと使用人の皆で何とか私を貴族学園に行かせてくれたわ。
公爵家との縁組の話が来た時。即断をしたわ。王家直々の仲介だった。
私は快諾した。
結納金を頂くためよ。
公爵様はハンサムで優しいけども、奥様が2年ごとに変わる。
女好きとの噂があったけども、でも、皆のためよ。
でも、2年間、これから何をしようか。
公爵様から商会でも紹介してもらって、ドレス店のお帳簿係でもやろうかしら。
私は執事たちから帳簿を本格的に習ったわ。
「奥様、飲み込みが早いです」
「セルト、有難う」
「いえ、光栄です」
セルトも良いわね。
と穏やかに過ごしていたら、父がやってきたわ。
容姿はかなり貧相になっている。平民の茶色のジャケットを着て太っている。髪も所々抜けていて、歯も抜けている。
「おい、マーガレット!何だ。伯爵家の籍を勝手に抜きやがって、ワシは当主であるぞ!」
「ですから、お父様、勝手に借金をされないように、貴族院に廃嫡、当主降任の届け出をしました。2年間音信不通でしたので受理出来ましたわ」
「何だ。子が親を養うのは常識だ。ワシに資金援助しろ!」
公爵邸の玄関広間で使用人たちが止めている。
「マーガレットよ。でないとあることないことバラすぞ!」
最低な男だ。捨てた娘に金の無心に来た。
しかし、使用人達は父を逃がそうとする。まるで、父が逃げた方が良いみたいだ。
「今のうちにお逃げなさい。貴方は老けて太ってハゲで臭いです」
「そうです。的の真ん中になっていますわ。見逃しますから」
「はあ、何訳の分からないことをいっているか!」
その時、ものすごい勢いで階段を降りる音がした。
旦那様だ。
ダダダダダダダダダダーーーーー!
「ダミ声を聞いたぞ。マーガレット、君の父君か?」
「はい、左様でございますわ」
「公爵様、娘は親不孝で困っています。親を助けないのですよ~」
「おお、そうだ。子は親を助けなくてはいけない」
「援助してください。マーガレットと離婚したくないでしょう」
「もちろんだ。援助しよう!そうだ。屋敷に滞在してもらおう。セルト、客間は埋まっているよな」
「はい、公爵様」
「ケリー、私の寝室に義父上の滞在を願おう。準備してくれ」
「はい、旦那様」
「え、男同士で?それは・・・いや、お金さえ頂ければ退散します」
「いいから、来い!」
「ウギャアアアーーーー!マーガレット助けて!」
まさか、老けている方がいいのかしら。父の首根っこを片手で掴んで階段を登った。
力あるわね。
それから、旦那様はお父様を隣に座らせて食事までしている。
「ヒィ、公爵様、もう、ご勘弁を」
「援助しないぞ。何てね。あ~ん。の練習をしたい。マーガレットとするためだ。男同士遠慮はいらないだろう。そうだ。午後、一緒に湯浴みをしよう」
「ヒィ、マーガレット、公爵閣下はホ『ほら、お父様、窓際に小鳥が来ていますわ』」
いつの間にか、使用人達のように、父の言葉を遮ったわ。
そう、ウルリッヒ様は、これさえなければとても良い人なのだわ。
そう、旦那様は、ホ【ミャン!ナアアアアン!】
「あら、ミリーちゃん。お膝に乗ってきたわ。そうね。ミリーちゃんもお食事にしようかしら」
おまけでミリーちゃんも私に懐くようになったわ。仲間と認めてもらえたのかしら。
2年後、旦那様から、婚姻の延長が来ないか。今からどうしたら良いか考えている。
最後までお読み頂き有難うございました。