表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたりのラプソディ  作者: ほしまいこ
第五章 新たな舞台
24/27

第三節 第二ステージ

新たな仕事を選択するネクストステージ編です。

第一話 セキュリティ対策の課題

<アダンの選択 : 新規業務>


「そうか、辞令を受けてくれるのか。ホッとしたよ。奈木君、これからもよろしくな。


さっそくなんだが、君が今後担当する二直勤務の社員の産業医面談のスケジュールを立てて欲しい。300人近くの体制なので、夜勤明けの休暇日や勤務日を考慮してスケジュールを立ててくれ。


それと、離職者の理由は所定フォルダに入れてあるので見てほしいんだが、インシデント対応が多く業務過多に加えて、勤務シフトにも問題があると思っている。


業務内容からは、具体的なインシデント対策にかかるフローを見てもらえれば、業務の改善ポイントを君なら特定できるだろう。

業務の改善はイコール、インシデント数の削減になる。つまり、サイバー攻撃の分析を減らす観点で、企画を進めてもらいたい。君なら問題ないと思うが、迷うことがあれば相談してくれ。


それと、サイバー攻撃等に関する情報セキュリティ全般は、ミソトラル社と業務提携しているので、企画を進めるにあたっては、ミソトラルの大川専務に連絡の上、君の担当について打合わせして欲しい。然るべきセクションを紹介されるはずだ」


俺は辞令を正式に受け取り、尾崎部長に改めてお礼を伝えた。尾崎部長は、期待していると笑顔で握手してくれた。


こうして、俺の新しい第二ステージが始まった。



第ニ話 昔の同僚

<アダンの帰還 : かつての同僚>


「奈木君、お帰り!」


大川専務はアメリカンスタイルなのか、俺をハグして出迎えてくれた。

帰任時の挨拶からひと月くらいしか経っていないが、まるで一年以上振りの恋人との再会のようで、何だか照れた。


佐伯さんや谷藤さんと、懐かしのメンバーが仕事に関係なく集まって来ている。

俺は嬉しくなり、うっすら目元が潤んだ。


「奈木、これから忙しくなるから、感動してる場合じゃあないぞ。ほら、お前たちも仕事に戻れ」


中嶋さんが声をあげて、皆が俺に手を振りながら自席に戻って行く。


椎名は俺と仕事が絡むため会議室に残り、頬杖を付きながら皆とのやり取りを眺めていて、俺と目が合うと軽く手を上げて微笑んだ。


スーツを纏った椎名は、自宅の部屋着姿とはまた違うタイプとなる。

自宅では俺にしどけない姿も、隙のある可愛い一面も見せてくれるが、会社では完璧を装ったイケメンのエリートだ。

だから会社でのスーツ姿は正直、心臓に悪い。


今日はただの白いシャツにえんじ色のストラップのネクタイを締めて、質の良い紺のスーツを着ているだけなのに、なぜこうも絵になるのか。

廊下ですれ違う女子がチラチラと見つめる訳だ。


俺は昨夜、椎名に良い感じにカットしてもらい、長めの前髪を少し整えて、若干ビジネス寄りの髪型にしてもらった。

とは言え童顔の俺は、スーツに着られている感が否めない。

スーツは週末に椎名に見繕って貰った。俺の肌色にあう、ピンク味かがった白肌にあう紺色だそうだが、紺色の違いが全く分からない。


シャツもネクタイもコーディネートは丸投げでお願いした。今日は薄いブルーのシャツと青い小さなドットのネクタイだ。

まっ、恋人が好きなコーディネートだから、他の人に何と思われようと関係ないけどな。


そんなことを考えていると、会議が始まっていた。俺は気を引き締めて、新たな仕事内容の理解に注力した。



会議室を出ると、待ってましたと佐伯さんが駆け寄ってきた。


「奈木さん、今日のコーディネート、ステキです!肌色と雰囲気にピッタリ。カッコいい、と言うか可愛いです!

ところで、歓迎会を各部の女子から依頼受けてますけど、どうします?奈木さん、飲み会あんまり好きじゃないし、今彼女欲しかったりします?でなければ、業務多忙につき、落ち着いてから開催って一旦断っておきますよ」


俺はそれでよろしくと、佐伯さんにお礼を言った。


多分、佐伯さんは俺の気持ちを知っている感がある。椎名とルームシェアしているのはミソトラル社でも知っている人は知っているし、勘づく人はいるだろうし、知られても問題ないと思っている。


佐伯さんはうふふと可愛く笑って、これから楽しくなりますと仕事に戻って行った。


もし椎名が佐伯さんを好きだったら、俺に勝ち目はないな、とぼんやり思ってしまう。


佐伯さんに良い人紹介しないとな、と何となく思った。花本あたりどうだろう?あいつも一度離婚してるし、意外と恋愛は真面目だと言ってたしな。


俺は来週、花本との飲みで聞いてみようと考えながら、ミソトラルの自席へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ