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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
31/122

オレの戦闘2

ドシュウウウ!!!バシュウウウ!!!ドシュウウウ!!!ドシュウウウウウ!!!


「撃ってきた──────!!」


 敵ガタカⅡが、

 オレたちめがけ魔導砲を、次々と放つ。


 オレは、リゼルに言われた通り、

 集中力を高めて、

 リゼルの操縦感覚を呼び起こす。


「ふぅ……。

 頼む動いてくれよ。」


ドシュウウウ!!!バシュウウウ!!!


 熱線が、さらに襲いかかってくる。


<タツヤ!!回避行動!!!!>


「やってるよ!!!!」


<とにかく、

 当たったらダメだからね!!!!>


「なんだよそのアドバイス!!」


ドシュウウウ!!!ドシュウウウウウ!!!


 オレは、不思議な感覚で、

 機体を操り、

 放たれた魔導砲を、

 最小限の動きでかわす。


「す、すっげぇ……!!

 オレ、ちゃんとよけてる」


ドシュウウウ!!! ドフウウウ!!! ドシュウウウウ!!! 


「くっそー、

 こっちは初心者だってのに、

 手加減無しかよ!!」


 オレは文句を言いながら、

 回避行動をとり続ける。


<うんうん、タツヤいい感じ!!>


ドシュウウウウ!!! ドシュウウウウ!!! ドフウウウウウ!!! 


「このリゼルの感覚をうまく使えば、

 もしかしたら…。」


ドシュウウウ!!! ドシュウウウ!!! 


 オレが余裕を見せた瞬間、

 敵魔導砲の熱線が、腕部、脚部とかすめていく。

 

「あ、あっぶね──────!!!」


<もう何やってんの!!!>


「ごめんごめん!!」


<もっと集中して!!!>


「は、はい!!」


(はぅ…結局…、

 戦うのはオレなんだよな…。)


────────────────────────────


ドシュウウウン!!! ドシュウウウン!!!


 帝国軍ライデンシャフト部隊は、

 魔導砲を放ち続ける。


バシュウウウ!!! ドシュウウウ!!! ドシュウウウ!!! 


 しかし、数発、王国軍機をかすめただけで、

 そのほとんどが外れた。


「な、なぜ、当たらん!!!!」

「おいおい…どうなってんだ…」

「パイロットは、…いったい何者…。」


 レインは動揺する部下たちへ、


「うるさい!!黙って撃て!撃てー!!」


 乱暴に言葉をかける。  


 オレたちめがけ、

 帝国軍の集中砲火が続く。


シュドオオオ!!! ドシュウウウ!!! 


「あ、あの…、リゼルくん…、

 オレ、いつまでよけ続けてりゃ…。」


 オレは歯を食いしばって、

 必死に機体を操る。


<もう少しガマン!!

 反撃のタイミングは絶対くるから!!>


「だけど…これ…、なかなか…。」


<ガンバって!!もう少し敵のエネルギー削らなきゃ。>


「ふぅ…、オレ…まだ…、

 よけ続けんの…。」


<もう少しだから!!>


ドシュン!!! ドシュン!!! ドシュン!!! 

ドシュン!!! ドシュン!!! ドシュン!!! 


「わかったよぉ!!!」


 オレは半ばやけくそ気味に答える。 


ドシュン!!!ドシュン!!!ドシュン!!!


 敵の容赦ない砲撃は続く。


「…はぁはぁ…、

 この、リゼルの能力がすげえのは…、

 わかったけど…。」


ドフウウウウ!!! ドシュウウウウ!!! ドシュウウウウ!!! 


 オレは、神経を研ぎ澄まして、

 機体を操り、敵の砲撃をかわし続ける。 


「これ使うの…、

 正直疲れるかも…。」


 オレは、他人の感覚を使っての慣れない操縦、

 その想像以上のしんどさから

 一瞬気を抜いてしまう。


「あっ…………!!」


<えっ!!!!!?>


ドゴオオオオオオオオ!!!!!


 やってしまった。 


 機体は激しく揺れ、

 スゴイ衝撃がオレたちを襲う。


 砲撃はブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)の右胸に直撃した。


ドシュウウウ!!! ドシュウウ!!! ドフウウウウ!!!


 そのすぐ後も敵の魔導砲撃が機体をかすめる。


「や…やっちまった……、

 …もう……ダメだ…。」


 オレはたまらず弱音をはく。


 その瞬間、


<おいタツヤ!!!

 動け────────────っ!!!>


 リゼルの叫びがオレの頭に響く。


 オレは、リゼルの絶叫で我に返り、

 操縦桿に力を込め、

 もう一度回避行動に集中する。


<泣き言言ってないで動かし続けなきゃ!!!>


「ちょ、直撃した…のに…、

 まだ動くの……。」


<ブルージュの装甲なら、

 1発ぐらい大丈夫!!>


「す、すげえ装甲…。」


<だけど、次はないよ!!

 もっと集中して!!>


「は、…はい。」


 オレは気合を入れなおし、

 操縦桿をにぎる。


ドシュウウウン!!!ドシュウウウン!!!



───────────────────────────



「1発確実に当たったはずだが…。」


「この状況でまだあきらめんのか。」


「…読めん。

 パイロットは、

 いったい何を考えて操縦しているのだ…!!」


「中尉!!

 ここであまり時間をロスするわけには…」

 

 予想外の展開に、 

 隊員たちの間に動揺が広がる。


「くっ…。」

 レインは強く唇を噛んだ。


────────────────────────────


 ドシュウウウ!!!


「はうっ!!」


 ドシュウウウ!!!


「ほあっ!!!」


 オレは被弾して、気合を入れなおし、

 再びひたすら敵の魔導砲をかわし続ける。


<す、すごい!!>


ドシュウウウ!!!


「どりゃ!!!」


<…タツヤ、

 僕のチカラ使いこなせてきたみたい。>


(はあっ… はあっ…

 研ぎ澄ませ……集中力……

 次ちょっとでも……操作を誤れば、

 せっかくの…転生人生も、…お終いだ。)


<ううん、違う!!

 僕のチカラ以上の操縦だ…。

 怪我のせいで、視界は右目だけだし、

 サブスタビライザーだって、

 正常じゃないんだもん…。>


 オレは、操縦に集中して、

 リゼルの独り言に反応できない。


ドシュン!!!ドシュン!!!ドシュン!!!


(ほっ…はっ…よ──────っと!!)


 オレは、リズムよく敵の攻撃をかわし続ける。


<いったい…何が起きてるの…!?、

 今のだって、けっこう近い距離からの砲撃だよ?

 レーダーを見ながらかわすなんて…できっこないし…、

 背後からのも…、

 ぎりぎりのところで、かわしてる……!?

 うしろからの砲撃を……!?>


ドシュン!!!


「こっちかっ!!!」


ドシュン!!!


「今度は、ここかっ!!」


<や、やっぱりだ!!……

 タツヤは、敵の動きを目で追ってない!!!>


ドシュン!!!


「よっ!!」


<空中戦で、敵機の砲撃を受けた時は、

 空中戦起動”乱数回避機動ランダム・マニューバ

 で相手の照準をはずすのがセオリーなのに…。

 僕たちは、それを使わないで、ぎりぎりでかわしてる……。>


ドシュン!!!ドシュン!!!ドシュン!!!


「はぁ…はぁ…、

 よっ、はっ、ほっ、と。」


<僕も操縦には自信あったけど…、

 こんな操縦…、やったことない。>  

 

「なぁリゼル!!

 もうそろそろ、

 反撃していいんじゃない?」


<え……!?

 あ…、ごめん何?>


 オレの突然の呼びかけに、

 リゼルは驚いたようだ。


「ちょっとちょっと!!

 さっきから一人でぶつぶつ言ってさ、

 ちゃんと人の話聞いてる?」


<え!?

 あ…、あははは。>


 リゼルは笑ってごまかした。


「敵の攻撃が弱まってきたみたいだから、

 そろそろ反撃出来るんじゃないの。」


<そ、そうだっけ…。

 じゃあ、いよいよ反撃だね!!>


───────────────────────────


「中尉!!これ以上あの角付きを、

 相手にするのはいかがと…。」


「…なにっ。」


「魔導砲のエネルギー残量を考えると、

 これ以上の消費は、

 レイクロッサ攻略作戦に響きます。」


 部下からの現実的な提案だった。


 レインは、現実を受け止められずにいた。


 たかが1機相手に、

 警戒こそしていたものの、

 ここまで手こずるとは考えられなかった。


 パイロットが誰であれ、

 敵基地のエースであるグレアム機を撃墜すれば、

 殊勲の手柄となる、そう考えた、

 レインの判断ミスだった。


「”角付き”は無視して、進撃するべきかと。」


 部下はさらに続ける。


「……」


 レインは自機の腕を切断された屈辱も重なって、

 冷静な判断力を失っていた。


「そんなにエネルギー残量が気になるか…、

 ならば、接近戦で仕留めるまでだ!!」


「私に続け!!

 なんとしてもあの角付きを仕留める!!!」


 帝国軍は編隊を崩し、

 レイン機を先頭に、猛スピードで飛行し、

 王国軍角付きに対し接近戦を挑む。


───────────────────────────



 敵の砲撃が止んだ。


 敵軍はスピードをあげて一斉にこっちへ向かってくる。


「リゼル、砲撃は止んだけど、

 敵がこっちに向かってきた─────!!」


<敵は接近戦に持ち込むつもりなんだ!!

 タツヤ!!魔導砲構えて!!>


「え!?

 魔導砲!?

 剣じゃなくて!?」


<あれだけの数をいっぺんに相手するんだよ!!!

 剣じゃ無理!!

 距離を保って魔導砲で仕留めてやるんだ!!

 絶対近づけさせちゃダメだからね!!>


「りょ、了解!!

 距離を保つんだな…。」


 オレは敵から逃げるように、

 機体を反転させ、

 一気にメインバーニアスラスターを噴射する。


<よーし!!

 これから屋根裏部屋の装置の練習成果、

 見せてやる!!>


「オ、オレだって、

 ゲームと出会って20年、

 ぼっちゲーマーなめんなよ!!」


 オレたちは、一気にガタカⅡを引き離した。


───────────────────────────


「中尉!!

 ”角付き”がスピードを上げ、

 …逃げてゆきます!!」


「…追うぞ!」


 レインの返答はシンプルだった。 


「し、しかし…、」


「命令が聞こえなかったのか!!

 追うぞ!!」


「「「はっ!!!」」」


 9機の帝国軍機が、

 たった1機のライデンシャフトへ迫る。 









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― 新着の感想 ―
[良い点] 「ぼっちゲーマーなめんなよ!!」めっちゃツボりました(笑)
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