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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
29/123

やればできる!?2

 レインは、蹴りをくらう直前、

 機体をそらし、致命的なダメージを抑える。


「……ちっ、なんて攻撃だ!!」


 敵機の無茶苦茶な戦いぶりに、

 ビシス・レインは困惑した。



────────────────────────────


 オレたち(ツヴァイ)の蹴りは、

 ガタカⅡにかわされ、肩口をかすめた。

 

 機体は、

 そのままの勢いで、

 大地を削り、

 ようやく止まった。



「くっそー、よけやがった!!」

 

<あ────っ!!

 惜しい!!>


「リゼル、次は!?」


<”次”の前に、タツヤ、

 もっと力を抜いて操作してみて!!>


「こ、こんな状況で力を抜けって!

 無茶言わないでよ!!」


<だってさ、

 まだ、ボクの力を出し切れてないみたい。>


「わ、わかったよ。

 …すぅ~、はぁ~。」


 オレは、一度深呼吸をして、

 操縦桿、ラダーペダルを、

 とにかく動かす。


「こうやって、こうか…!

 それから、こうして…。」


 オレは思いつくまま、

 めちゃくちゃに機体を操縦する。



 そんなオレの動きに惑わされたのか、

 相手は攻撃のタイミングを計れずにいた。


────────────────────────────


「ちっ…、なんとかかわしたが、

 先ほどの接触、

 右腕がやられたか…。

 

 しかし、何なんだ。

 立て続けに体当たり。

 今度は…、

 ”変な踊り”だと!! 

 

 この戦場で…、

 なめたマネを!!」


 レインは目の前の相手に、

 怒りをおぼえる。


────────────────────────────



<あははは、何その踊り!!>


「え、ああ、この踊りか、

 オ、オタ芸…ってんだ。」

  

<変なダンスはともかく、

 いいよ、タツヤ!!

 確実に動きがスムーズになってる!>


「そ、そう。」


 オレは褒められて、顔がゆるむ。


「なんか集中すれば、

 機体をこうしたいっていう

 イメージ通りに操作できるんだ。」


<…………。>


「なんでだろ…?」


<それって、僕の練習の成果かな!?>


「あのオンボロシュミレーター!?」


<オンボロは余計だってば!>


「あれ、ホントに動くんだ…。」


<タツヤ、今はそんなことより、

 目の前の敵と戦わなきゃ!!>


「そ、そうだった…。

 アイツと…戦わなきゃ、

 いけないんだよな。」


 オレは現実に引き戻される。


<じゃあね、今度は武器を使おう!!>


「武器!?」


<そうだよ!!

 ずーっと体当たりなんて、

 機体がもたないでしょ!>


「そ、そりゃ、そうだけど…、

 武器ってどこにあるんだ?」


<ハイヒートグラディウス(剣)が左腰に、

 魔導砲が、

 腰の後ろにあるよ!

 今は、ハイヒートグラディウス(剣)を

 取って戦おう!!>


「わかった。

 とりあえず剣だな…。」


 オレは機体を操り、

 大型の剣(ハイヒートグラディウス)をにぎる。


「こ、これでいいか。

 でもさ、

 オレ剣術なんてしたことないんだけど。」


<大丈夫!!

 

 タツヤは立派に戦えてるよ!!>


「そ、そうかな…。」


<じゃ、構えて!! 

 反撃だ──────!!!>


 ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)は、

 大型の剣(ハイヒートグラディウス)を構え、

 敵ガタカⅡへ突進する。


「こうなったら、なるようになれだ────!!

 くらえ────っ!!」


────────────────────────────


 ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)

 攻撃に対し、


「くそっ!!

 させるか─────!!」


 迎え撃つガタカⅡは”左手”に大型剣を構える。

 

────────────────────────────


ガキィィィィン! ガキィィン! ガキィィィィン!!


 交錯する二機のライデンシャフト。

 ブレードが連続でぶつかり、

 弾き、ねじ伏せあう。


「うぐぐぐぅ……。」「くっ……………。」


 二機のライデンシャフトは互いに譲らず、

 斬りあいが続く。



「うわっ─────────!!」


 互いに打ち込みが続く中、

 オレは叫んだ。


 その瞬間、≪ツヴァイ≫の動きが勢いを増す


<ま…まただ!?

 出力が上がった!?>



────────────────────────────


「なに─────っ!!!」


 急に勢いを増したツヴァイに対し、

 押し込まれるレイン


────────────────────────────


ジュザザザンッ!!!


 力を増したツヴァイの斬撃が、

 ガタカⅡの剣もろとも、

 左腕を切り落とした。 



「……!?」


<やったー!!!>




────────────────────


「ちっくしょう!!

 どうなっていやがる!!」


 ビシス・レインは唇を強く噛んだ。



────────────────────



「や、やったのか…オレ…。」


<タツヤ!!

 何ボーっとしてんのさ!!

 とどめを刺さなきゃ!!>


「と、とどめ…!?」


 その言葉に、

 オレは次の攻撃をためらった。


 オレがちゅうちょした、

 その隙を、敵は見逃さない。


 ガタカⅡは、

 バーニアスラスターを急噴射して、

 上空へ逃げる。


「あ────っ!!

 リゼル!敵が逃げた───!!」


<もおっ!!!

 タツヤがモタモタしてるから!!


 さあ、追うよ!!>


「あ、あの、リゼルくん、

 そこまでしなくても…。

 敵は逃げたわけで、

 ひとまず、村は助かったんじゃぁ…。」


<ううん、1機だけってことはないはず!!


 普通、部隊は複数機で編成されてるんだ。

 だから、絶対近くに仲間の機体がいる!!>


「えええ────っ!!!」


<まさか…、敵は1機だけだと思ってたの?>


「えっ…、いやぁ…、

 まさか…、そんなことは…。」


<…思ってたんだ。>


「は、はい。」


<はぁ…。>


「追います、追いますよ!!

 追えばいいんだろ、追えばいいんだ!!」


 オレは半ばやけになって、

 ペダルを踏み込み、

 大空へ飛んだ。


<タツヤ!!操縦は冷静にしなきゃ!>


「うっ…、正論だけど、

 まったく、誰のせいで…。」


<僕のせいだって言いたいんでしょ。


 そういうのは、

 終わってからにしようよ。


 まだ戦闘は終わってないんだから。


 今は操縦に集中して!!>


「うっ…、うう…。」


 オレはこみ上げる怒りを、

 なんとか抑え、


「すぅ~、はぁ~。


 すぅ~、はぁ~。」


 深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。


「くっそー!!

 集中、集中しろオレ!!」


 オレはブツブツつぶやいた。


<あのさ、タツヤ、


 ライデンシャフトには、

 空中で、姿勢を安定させるために、

 空中姿勢制御システム、

 ってのが、備わってるんだ。


 さっきは使わなかったんだけど、

 今度は空中戦だから、使わなきゃ!>


「空中制御システム…。」


 その間に、

 機体は、敵ガタカⅡと同じ高度に達する。


 オレは、機体の上昇を止め、

 リゼルに言われた、

 その何とかシステムを、

 コントロールパネルを操作して、

 起動させる。

 

 システムを起動させると、

 機体は前後左右あらゆる方向に、

 不規則にゆれ始めた。

 

「わーっ!

 ちょっと、なにこれっ!!


 バランスおかしくない!?」


 機体は、フラフラとして、

 きちんと止まらない。


<あっ!!>


「ど、どうした!?」


<そういえば…。


 グレアム少佐…、


 サブスタビライザーが損傷したって、

 言ってたっけ。>


「そのせいなのこれ!!

 もう、早く言ってよー!!」


<…タツヤだって聞いてたじゃん。>


「そ…そうだっけ…、。

 オレ、あの時よくわかってなかったし…。」


 オレは、話しながら、

 操縦桿を色々な方向に傾けたり、

 足元のペダルを微調整しながら、

 おかしな挙動を、

 正常な状態に近づけようとガンバってみる。

 

「まったく、

 えっと…、こうして、

 なんでこんな目に、

 こうやって…、

 あわなきゃなんないんだよ!!

 と。


 よしよし…なるほど、

 まったく、ふざけんなっての!


 あー!!こうか…、

 ちっくしょー!

 

 ふ~、

 多少コツがつかめてきた…。」


<…タツヤ…………、


 ………すごいよ…。


 すっごい文句ばっかり言ってるけど、

 壊れたサブスタビライザーの補正、

 しっかりやってる。>


「え、何か言った?。」


<ううん、何でもない。>


 その時、

 正面スクリーンパネルに、

 いくつもの影が映る。


「─────!?」


<タツヤ、どうしたの?>


「あ、あれ…。」


 影の正体は、

 帝国軍ライデンシャフト、

 ガタカⅡの集団だった。


 オレは、敵機体数を確認する。


「1、2、3、………、

 ……7……9機!?


 9機もいるじゃん!!!」


<タツヤ…、

 これからが、本番だね!>


「マ…マジっすか…。」


 オレは、自分の置かれた状況に、

 ただただ、呆然とした。 









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― 新着の感想 ―
[一言] 一安心かと思ったら絶望的な数来ましたね。 どう切り抜けるのか。 続きも読んでいきますねー
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