表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
15/122

偵察任務2(王国軍対帝国軍)

「間もなく帝国領内!!」


 ルカ曹長の口ぶりが変わった。


「…うむ。」「了解!」「おっしゃー!!」


 先ほどまでの砕けた雰囲気が一変し、

 隊員たちの目に力がこもる。


──────────────────────────────────


 彼らに与えられた任務は、

 「威圧偵察」。

 

 しかし、偵察とは名ばかりで、

 実際には敵との交戦を目的とした、

 純然たる戦闘行為だ。


 この日もレイクロッサ基地司令部より、

 彼らに「威圧偵察」任務《オペレーション》の命令が下された。


 彼らはいつも通り任務にあたる。


──────────────────────────────────


 グレアム隊前方眼下に大河”ボグドー川”が現れる。


 これより先は帝国領である。


「スラスター限界航続時間、

 残り六百四十秒、

 離脱可能時間まで三百二十!!」


 シャマ上等兵がみなへ告げた。


「よし!!」


 グレアムの声に熱が入る。


「我が隊は敵国領域へ侵入!!

 これより敵国第一迎撃網、各員、戦闘準備!!」 


「さあ、帝国のみなさん、

 いつでもいらっしゃい!!」


 シャマが威勢よく言い放つ。


 しかし、敵帝国部隊は沈黙したままだ。


「隊長!!

 …いつもと…様子が違います。」


「ルカ、どういう状況だ。」


 グレアムは落ち着いてたずねた。


「森の先の敵照射反応ですが…、

 ほとんどありません!」


「ほとんどない…、

 いつもなら≪ダントン≫の森を抜けると、

 第一迎撃網として、

 移動式簡易火撃魔砲台(ふみだい)が、

 しっかりと待ち構えているはずだ…。」


「隊長、どうしますか!?」


「敵の罠の可能性もあるか…。」


 グレアムの脳裏に、

 一瞬、退却の文字が浮かぶ。


 しかし、自分の勘だけを根拠に、

 退却命令は出せなかった。


「…このまま進軍!!」


「当然っすよ!!」


「対空防御制圧に入る。

 このまま第一迎撃網を突破する!」


「「「了解!」」」


「各機フレアバルーン展開!!」


 ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)リアアーマーの兵装ポッドから、

 格納されたフレアバルーンが、

 次々と射出される。


 グレアム隊4機の周囲に、

 それぞれ3機分のフレアバルーンが展開。


 これにより、敵基地レーダーに映る

 グレアム隊は、

 中隊規模となった。

 

 ─────フレアバルーン─────


 敵レーダー攪乱兵器。


 敵地対空攻撃を分散化し、

 弾幕を薄める戦術補助兵器。


 疑似ライデンシャフトのバルーンに、

 使い捨て型の熱源発生装置が組み込まれている。

 

 高精度バルーンで作成され、

 高高度上の望遠レンズからでも、

 敵機と誤認させることが可能だった。

──────────────────────────────────



ドゴオオオ!!!ドオオオオン!!!ドゴオオオ!!!


 帝国領土側のダントンの森を通過すると

 移動式簡易火撃魔砲台の砲撃が、

 グレアム隊めがけて一斉発射される。


「敵砲撃!!!」


「ようやくお出迎えか。」


「あたるかよ、そんなもんが!」


 シャマ機は機体の軌道を変え、

 空中戦機動の乱数回避機動に入る。


 不規則に乱舞する機体は、

 飛襲する砲撃をすり抜ける。


 敵機砲撃は、

 休むことなく、

 グレアム隊めがけて撃ち続けられた。


ドフウウウウ!!!ドゴオオオン!!!


 敵砲撃が、

 フレアバルーンに着弾した。


「はずれだっつーの!!。

 この程度の弾幕じゃ、

 オレたちは止められないぜ!!。」


「シャマ!気を抜くなよ!!」

「抜きませんよ!!」

「全機速度上げろ、一気に抜ける!」


 グレアムの一言で、

 隊機はさらに航行速度を上げ、

 砲撃の中を進む。


 機体速度を上げながら

 グレアムは、操縦桿のトリガーに指をかける。


 王国軍が誇る最強火器兵器

 ”MRK-16・280mm魔導砲”の銃口が、

 ダントンの森へ向けられる。


 グレアムは躊躇なくトリガーを引く。


ドシュウウウ!!!


 魔導砲から放たれた紅い閃光が、大気を切り裂く。


ドシュウウウ!!!ドオオオオ!!!ドシュウウウ!!!

 

 シャマ、ルカ、マイスも、

 グレアムに続き魔導砲を放った。


 大地が燃え、

 そこからいくつもの黒煙が立ち昇った。


「見たかグレアム隊の魔導砲撃!!」


 調子づくシャマ上等兵。


 グレアムたちの反撃をうけ、

 帝国軍自走砲は沈黙した。


 立ち昇る黒煙を後にし、

 空中を推進し続けるグレアム隊4機。


「───本部管制

 こちらグレアム隊、

 隊は敵第一迎撃網を突破。

 さらに敵領域内に深く侵入を試みる───」


「───こちら本部管制、

 レーダー上に敵機確認!!

 警戒せよ――」


 その声にルカがいち早く反応する。


「ルーンレーダーに大型魔導反応!!

 その数5!!!

 移動速度から、

 帝国軍”ガタカⅡ・タイプ”

 と推測します。」

 

 それを聞いたグレアムは、


「ようやく、おいでなすったか…、

 さぁ!ここからが本番だ!!」


 みなへ檄を飛ばした。


「「「了解!!」」」



 帝国領域内で、

 ライデンシャフトによる

 戦闘の火ぶたが切られようとしていた。












読んでいただき本当にありがとうございます。


もし『面白そうor面白かった』『続きを読んでみたい』

など思われた方は、ぜひブックマークや下の評価(☆が並んでいる所)をお願い致します。


皆さまのその貴重なひと手間が、作者の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 4人の掛け合いが気が置けない仲間同士といった感じで良いですね。 お調子者でいじられ役のシャマには「がんばれー!」とエールを送ってあげたいです。 [一言] ZWEI(ツヴァイ)がカッコいいで…
[良い点] 地理、歴史、戦争、機体など様々なところに散見される重厚な設定や、ロボットに関する知識量や熱量に心打たれました。異世界転生とロボット軍記ものを掛け合わせるという発想はとても画期的でこれからの…
[良い点] 設定資料や挿絵、前回のあらすじなど、楽しく読める要素がてんこ盛りで楽しく読めることが出来ました。 あと文章がとにかく読みやすいです。 おそらくスマホ用だとは思いますが……。 設定の説明…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ