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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
10/122

その名は魔導機兵(ライデンシャフト)1

 ────前回のあらすじ────


  不慮の交通事故により、命を落とした

 この物語の主人公”日比野達也”。


 彼は異なる世界で、隻眼の少年

”リゼル・ティターニア”に転生し、

 目を覚ました。 


 しかし、主人公”ヒビノタツヤ”は、

 ある困った問題に直面する。


 本来の体の持ち主、

 リゼル・ティターニア少年の意識が、

 転生した体に残っていたのである。


 ここから、

 ヒビノタツヤとリゼル・ティターニアの

 不思議な共生関係が始まる。


────転生先の異世界・とある部屋────



「”屋根裏部屋へいこう!”

……と言われても……。」


 オレは古ぼけた部屋を見渡すが、

 部屋のどこを見ても、

 屋根裏部屋へ通じていそうな階段や、

 はしごらしきものは見当たらない。


(オレの聞き間違いか…、

 まだ転生したてだし。)


 オレがそんなことを考えていると、



<あぁっ、ごめんごめん!>


 頭の中のリゼル少年が、

 オレに話しかけてくる。


「どういうこと?」


 オレはリゼルに尋ねた。


<ごめん、言いそびれちゃった!

 屋根裏部屋へ行くには、

 秘密の仕掛けがあるんだ!!>


「…仕掛け…秘密の…?」


<うん!>


「仕掛けって…、

 何だろ…階段とか、

 はしごが出る仕掛けがあるってこと?」


<そうそう、その仕掛けが、

 あそこのタンスにあるんだ。>


 オレは言われた通りに、

 部屋のすみにある古いタンスの元へ行ってみる。


<タンスの上から二つ目、

 真ん中の引き出しを引っ張ってみて。>


 オレはリゼルに言われたとおり、

 引き出しを引っ張る。


 すると、

 

 ガラガラガラ!!!


 天井の板が開き、縄ばしごが落ちてきた。


「うわー!すげー!

 忍者屋敷みたい。」


<忍者屋敷??>


「え、えーと…、

 それは…、

 説明すると長くなるから、

 またの機会にしよう。」


<ふーん、ご都合主義ってやつだね。>


「ま、まあ……ね。」


(チックショー、

 生意気なガキ!!)


<タツヤ、今何か言った?>


「えっ…いやぁ…、

 その………。」


<…あのさ、タツヤが考えてること、

 全部僕にはわかっちゃうって、

 さっき説明したでしょ。>


(そ…そうだった。)

 

 オレは気を取り直し、

 縄ばしごをつかんで、足をかけた。


「うわー、想像以上に不安定ー!!」


 縄ばしごを登るのは、

 思っていたよりも大変だった。


 オレは慣れない縄ばしごに悪戦苦闘するも、

 どうにか登りきる。


 屋根裏部屋に上がると、

 薄暗い室内の隅っこに、

 大小さまざまなガラクタが置かれていた。

 

(なんだアレ…。)


 オレはそのガラクタの寄せ集めに近づいてみる。


 まず目についたのは、

 大きな一枚のガラス板だ。


 ガラス板の前には、

 ボロボロの椅子。


 ガラス板や椅子の周りに、

 いくつもの木箱が置かれ、

 その木箱に鉄板が取り付けられている。


 ほこりをかぶった鉄板をよく見ると、

 見るからに手作りの計器類と思しきものや、

 スイッチがびっしりと並ぶ。


 それから、ガラス板と椅子の間には、

 木の棒と針金で造られた、

 レバーのようなモノが何本かある。


(なんだコレ…。)


<じゃじゃーん、これは、我が王国軍が誇る

 第3世代型ライデンシャフト

 量産機MLV-207・ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)のコックピット、

 再現版で───す。>


 なかなかの勢いで、

 リゼルが嬉しそうに説明してくる。


「第3世代型ライデンシャフト…!?

 量産機…!? 

 ブルージュ…!?」

挿絵(By みてみん)

<これ、MLV-207・ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)

 コックピットと全く同じサイズになってるんだって!>


「コックピット……、

 なんで、そんなモノがここに?」


<じいちゃんが作ってくれたんだ。>


「じいちゃんが作った…、

 そ、それって説明になってるようで、

 なってないような気が…。

 それにいきなり出てきた、

 リゼルのじいちゃん、一体何者?」


<昔王国軍で整備兵をしてたんだって。>


「せ、整備兵……!?

 いやいやいや!!

 その前に…なんでオレたち、

 普通にコックピットの話してんだろ…。」


 リゼルは困惑するオレを無視して、

 さらに続ける。


<じいちゃんの話だと、

 ここについてる機器類は実物と同じサイズだって。

 一番スゴイのは、

 ウィザード・システム(魔導演算機統制機構)がちゃんと再現されてて、

 スクリーンパネルに映像を映し出して練習もできるんだよ。>


「練習!?

 じゃあ、このガラクタみたいなのが…、

 ホントに動くの!?」


<もちろん、動くにきまってるでしょ!!

 ねぇ、あのスイッチ押してみて。>


 オレはリゼルに促され、

 指示されたスイッチを押してみる。


「………。」


 しかし、何の反応もなかった。


<……あれっ……!?。>


「『あれっ…!?』じゃないよ!

 動かないじゃん。」


<おっかしいなー、どうしちゃったんだろ…。>


 オレはその後、リゼルに執拗にせがまれ、

 何度もスイッチを押してみるが、

 結果は全く変わらなかった。


(……これホントに動くの?)


<う、嘘じゃないよ!!

 いつもはちゃんと動くんだから!!>


(…………。)


 強がるリゼルに対して、

 オレはそれ以上何も言えなかった。


<じゃ、じゃあさタツヤ、右の壁見て。>


 リゼルはおんぼろ装置を諦めたのか、

 話題を変えた。


 オレは言われるがまま、

 右の壁面へ目を向ける。


 そこには、一枚の大きな手書きのスケッチが張りつけてあった。


 パッと見た感じでは、

 甲冑をまとった人が描かれている。


 オレは近づいて、

 そのスケッチをじっくり観察する。


(へぇー、なかなか上手く描けてるじゃん、

 甲冑もなかなかカッコいいし、

 だけど何か違和感があんだよな……。) 


 オレはさらにじっくり観察する。


(………ちょっと待って、

 こいつよく見ると、

 背景の建物や木に比べて、

 相当デカいんだけど…、

 てことは人じゃない……。)


<これこそが、僕がずーっと話してる、

 ”魔導機兵ライデンシャフト”です!!>


「こ、これが、魔導機兵ライデンシャフト…。」


 オレは思わず驚きの声をあげた。


「なんか”巨大ロボット”じゃん!?

 じゃあ、さっきから話してたコックピットて……。」


 それは、いたってノーマルな異世界転生を、

 願っていたオレにとって、

 想定外の代物だった。


<この絵は、軍の施設の近くに行って書いたんだ。>


 リゼルは早速イラストの説明をしてくる。


(いやいやいや…、

 ちょっと待てって。


 ここは異世界。

 異世界といえば、

 剣とか魔法とかドラゴンじゃん…。


 それがまさかの…

 ”ロボット”モノ展開…、

 そんなはずない、

 そんなはずない。)


 オレは必死になって現実逃避を試みる。


(そ、そうだそうだ、

 ここは結論を急いじゃいけない!!

 一旦落ち着いて、きちんと確認しよう。

 オレの勘違いってこともあるし…。)


 オレは頭の中のリゼルに話しかける。


「あ、あのさ、ずーっと気になってたんだけど、

 話に出てくる”ライデンシャフト”

 ”巨大ロボット”なのは一旦置いといて、

 なんでこの世界には”巨大ロボット”が存在するの?」


<なんで存在するのか???

 そっか、タツヤには、

 そこから説明しなきゃいけないんだ。>


「ま、まぁ、この世界の予備知識ゼロなんで…。」


<タツヤのいた世界には、

 ”ライデンシャフト”存在しないの?>


「存在しない!!」


 オレはキッパリ答える。


<へぇー、そうなんだ。>


「アニメとか漫画で、、

 巨大兵器とか、ロボットは出てくるけど、

 実際に動くヤツとなるとまだまだ。


 人間サイズが動くだけでも、

 スゴイことだから。」


<タツヤの元いた世界って…、

 遅れてるんだね。>


(いや…遅れてるとか、

 そういう問題じゃあないような気が…。)


<じゃあタツヤがわかるように、

 簡単に教えてあげるね。>


 リゼルは嬉しそうに説明を始めた――


<一番最初に発見された”ライデンシャフト”は、

 はるか昔、このシルドビス大陸に存在した、

 超古代文明が生み出した巨大な人型兵器なんだって。

 昔は”神の使い”とか”聖神機”って、

 呼ばれてたこともあるみたい。

 

 その一番最初に発見された機体を、

 他の”ライデンシャフト”と区別するために、

 ”ルーツ(始祖型)・オブ・ライデンシャフト”って呼ぶんだ。

 

 そのルーツ・オブ・ライデンシャフトは、

 伝説によると、

 

 

≪彼目覚めしは、大地が震え、

 その歩みは、雷鳴の轟き、

 その一振りは、森を薙ぎ、

 その炎は、大気を焼く。

 その姿……”万物を破壊せし神の如し”≫>


 リゼルは続ける。


<その”ルーツ・オブ・ライデンシャフト”を、

 長い年月、研究解析して、

 姿形、性能、機能を模して造られたのが、

 魔導機兵ライデンシャフト!! 

 あのスケッチにある、

 巨大人型汎用兵器ってわけ。


 今、僕たちの大陸で使われてる、

 この応用型”ライデンシャフト”は、

 ”ルーツ・オブ・ライデンシャフト”

 に性能面では全然敵わないんだけど、

 戦争のやり方を大きく変えちゃったんだ。

 

 その凄さっていったらね、

 応用型”ライデンシャフト”で構成された一部隊(3~4機編成)で、

 歩兵部隊一個連隊規模(1000名以上)をはるかに凌駕しちゃうんだよ。>


「は…はあ…。」


 いきなりの講義に、

 オレはかろうじて相づちを打つ。 


<ライデンシャフトの登場で、

 それまでの魔導兵、魔導騎士、歩兵部隊、騎兵部隊、

 砲兵部隊を主力としてた戦争は時代遅れになっちゃった。


 やっぱりさ、ライデンシャフトを説明するうえでかかせないのは、

 圧倒的な装甲だよね。


 熱耐性、爆破耐性、刺突耐性、斬撃耐性、

 ほぼあらゆる攻撃に対して、

 ばつぐんの耐性を持ってるんだから。云々……。>


 気が付けば、リゼルの説明が延々と続いた。






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― 新着の感想 ―
読みにきました。 設定イラストが、物凄くちゃんとしていて驚きました。 あれ、全部考えたんですか?だとしたら凄いですね! お話も、読みやすく、するすると読み進める事が出来ました。 これから、どうやって…
ライデンシャフトかっこいい!絶対乗ることになるじゃん、絶対乗るよね!?そして転生してからまだ他の人にもあってないから、会った時の戸惑いと焦りが楽しみですね。 心の声が聞こえてしまうのも面白いです、確か…
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