第一話 勘違い野郎との婚約破棄騒動(1)
「僕は知っているぞ!君がリリアン・ヴォルティナス男爵令嬢にいじめをしていたということを!」
いやいやいや。ちょっとお待ちなさい。話についていけないではありませんか。というか、いじめって一人ではできないのですよ。複数でやるからいじめなのです。一人だったら嫌がらせかしら?いや、そうじゃない。気にするところはそこではありませんわ。てかいじめてないし。
「いじめって…どういうことですの?私がヴォルティナス男爵令嬢になにか不快な思いをさせるようなことをいたしましたか?」
「知らっばくれるんじゃない!君は学園で君の取り巻きと一緒に彼女の悪口を聞こえるようなところで言ったり、教科書やドレスを破いたり、そのうえ学園内の池に突き落としたりしたんだろう!」
私達は王立ルナトリア学園に通っています。国内の全ての貴族がそこに通う義務があり、通う期間は7歳から18歳まで。私は16歳、ディラン様は17歳、ヴォルティナス男爵令嬢は15歳です。いやしかし、悪口を言うならまだしも、教科書やドレスを破いたら、大事になっているでしょうし、池に突き落としていたら、殺人未遂で今頃牢獄にいたかもしれないですわ。ディラン様の中の私、どれだけ物事を考えられないのかしら。
「ディラン様、私、そんなことしていませんわ。そもそもまともに関わったことがないのです。いじめに関して証拠などはあるのですか?そのような事実があったと、学園が認めましたか?まさか証拠は男爵令嬢の発言だけとか、おっしゃいませんよね?」
「いや?リリアンの発言だけだが?そもそもなぜ学園側に聞かなければならないのだ?」
まーじーでーすーのー。発言だけってどういうことですの!?嘘なんてホイホイつけるではありませんか。ディラン様、それがわからないほど馬鹿ではないでしょうに。
「はあ…その男爵令嬢がの発言が嘘ではないって証明できますの?」
「リリアンが嘘をつくはずないだろう!お前のような性悪女と違ってな!」
これは心底男爵令嬢にどっぷりなようですわね。こんなのに発言力で負けるなんて婚約者としてどうなのかしら。
「とにかく!お前と話すことはもうない!婚約は破棄だ。わかったら出ていけ!」
はあ…こんなのと話しても無駄ですわね。
「わかりました。お望みどおり出ていってやりますわ。しかしこれで終わると思わないでくださいましね?次は法廷で会いましょう。」
「ハハハハハ!やれるものならやってみろ!」
結局、もう夕方になっていました。家に帰ったら、どう家族に説明しましょう。怒り狂うに違いませんわ。もちろん、あのクソディランに対して。うふふ、、、痛い目見せてやりましょう!
「うふふふふ!」
帰りの馬車でひとりでに笑っていたのに対し、御者が怯えるような目で見ていたことを、フレイヤは知らないのであった。
パソコンで書いているのですが、やや下を見ているせいか肩がものすごく痛い。
ぼちぼち投稿していきます。よろしくおねがいします。