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スタートは本能寺の変の直後

「バカ息子」

「間抜け」

「伊賀に攻めこんだ無謀な奴」

「無能」


歴史が好きな俺は信長の息子、信雄をこう評して度々ネットに書き込んでいた。


バカにして散々罵った相手。


どういうわけだか俺の魂はこの信雄の身体に入り込んだようだ。


数時間前、大学の講堂の階段から滑って転げ落ちた俺は気絶した。目を覚ますと、とんでもなく美しい女が俺の目の前にいて、こう言ったのだ。


「私は女神です。あなたは頭を強く打ちました。このまま死なせるのは可哀想なので、好きな歴史上の人物に転生憑依させてあげましょう。誰がいい?」


決まってるだろ。信長だ。本能寺の変を上手く回避できたら最高の人生だ。


「信長で!」




辺りが白い光に包まれ、女神の姿が見えなくなった。あまりの眩しさに目を閉じる。

次に目を開けると、俺は暗闇の中で横になっていた。


「三介殿、三介殿」


女の声だ。何やら必死だ。


「三介殿!起きてください! お父上が本能寺で討たれましたよ!」


それは叫び声に近かった。甲高い声で「三介殿!」を繰り返しながら俺の肩を激しく揺さぶる。


「やめろ!起きるから!で、本能寺がなんだって?」

「お父上が京の本能寺で討たれたと知らせが入りました!」


え、本能寺の変はもう起きたのか……しかも俺は「三介」?……あのバカな信雄かよ! うわぁ。


リクエストは信長だったのに、なぜか、息子の方に生まれ変わってしまった。

しかも赤ん坊スタートじゃない。この身体はすでに成人済みじゃないか。(作者都合だな、めんどくさがりやめ)


本能寺の変の後、ということはこの後信雄は……何したんだっけ??


「なあ、この後、俺はどうすれば……?」


薄暗い中、だんだんと女の顔の輪郭がわかってきた。けっこう可愛い顔の女だな。きっとこの女もさっきの女神の仲間的な存在じゃね? 俺はどうしたらいいか、教えてくれ、女神の仲間!


「はぁ⁈ さっさと着替えて家臣達に指示してください!」


キレまくる女。

女はキレ散らかしながら灯りをつけ、俺の着ている物を鮮やかに剥ぎ取りあれよあれよという間に俺を鎧帷子具足の姿にした。


「しっかりしてください!あなたは北畠の当主なんですよ!」



明るくなった和風の部屋で、俺の好みどストライクの女が眉をつりあげて見つめている。めちゃくちゃかわええ。この娘、何者なんだ。


「……いや、その、君はだれ?」

「はぁあ⁈ あなたの妻ですけど!」


俺の妻? ということは信雄の妻か。こんな可愛い嫁さんいたのかちくしょー。


「あなた、お父上が亡くなって辛いのはわかりますが、今はふざけている場合ではありません! 今にこの城にもお父上を討った敵勢が攻めてくるかもしれませんよ!」




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