エピローグ
そうして、その後緊急議会の末。最終的にゼノ及びブラス=スペルビアの打倒の為、僕達は大規模な超銀河国家連合を結成する事となる。その代表、というか最前線に立つ事になったのは僕だ。
少しだけ不本意だけど、それでも僕はクロノさんとユキさんの息子だ。英雄と呼ばれたクロノさんの後継として、勇者を名乗るならこの程度は熟さなくてはならないだろう。
なら、僕はこれ以上ぐだぐだ言っている場合ではない。僕はやらなきゃいけないんだ。
少し、不本意なのはやはり内緒だ。
「では、これにて緊急議会を閉幕とさせて頂きます。どうもありがとうございました」
そうして、僕達は緊急議会を終えて各々が決戦の準備へと移行する。筈だった。
僕に話し掛けてくる者が現れるまでは。
「おう、クロノの息子。確か、えーっと?」
「シイル=クリフォードです」
話し掛けて来たのは、川上ヤスミチさんだ。少しだけ意地の悪い笑みを浮かべ、僕の方を見ているのが理解出来る。うん、そこはかとなく嫌な予感がするのは気のせいではない筈。
うん、やはり気のせいではないな。これはそこはかとなく嫌な予感がする。
そんな僕に、ヤスミチさんは話を続ける。
「おう、シイル。お前、これから少しだけ時間は空いているか?」
「時間、ですか?えっとあまり手間がかからないなら……」
その言葉に、ヤスミチさんはにっかりと満面の笑みを浮かべた。その笑みに、僕は思わず僅かに後ずさるように後退する。だが、時すでに遅しだろう。
「まあ、其処まで時間は掛からないさ。お前に会いたいと言っている奴等が居る」
「えっと、僕に会いたい人達ですか?」
「ああ、其処まで時間は掛からねえよ。多分な」
最後の多分が気になるけど。まあ、良いか。そう僕は諦めてそっと溜息を吐いた。
こうして、緊急議会は無事?に幕を下ろした。




