プロローグ
軍事国家ライ……かつて銀河大戦の中心となった地。その地に各銀河国家の首脳が集う。
クラウン、キングス=バード、飛一神、アルジュナ、クリシュナ……
そして、軍事国家ライの現大元帥。ギイ=ステラジア。かつて、銀河大戦を引き起こした首謀者である将軍ロイの血を分けた弟である。
銀河大戦の後、首謀者である将軍ロイが死亡しその責任として当時の大元帥であるロイとギイの父親が自ら大元帥の座を退いた。そして、比較的性格が温厚だった弟が大元帥の座を継いだのだ。
しかし、戦後も将軍ロイの所業は残り続けた。簡単に説明すれば、軍事国家ライの信用は地の底にまで下落したのである。
いや、それだけならまだ良い。ロイの家族は後の世で常に後ろ指を差され続けた。
彼の一族は悪魔の一族。戦争狂の群れ。彼のものの血は戦争によってのみ満たされる。
そんな風評被害まで出回る始末だった。
だが、ある意味仕方がないのかもしれない。それが、利己的な理由で戦争を引き起こした。そんな男を止められなかった者達の責任なのだから。
例え、後代の一族たちが泥をかぶる事になっても……
それが、将軍ロイの罪を背負う一族としての責務なのだから。
ただし、その罪を許せる存在が今後現れなければの話だが……