3,手記の内容より:後
その後の顛末は、私ことブラス=スペルビアが代筆する事とする。
遠藤クロノと白川ユキとの戦闘はあまりにも激しかった。その戦闘の余波により、地は裂け海は割れ天は震え星が死んだ。そう、文字通りの意味で星が死んだのだ。
星は生きている。その生命が、私達の戦闘の余波に耐え切れずに死んだ。そして、その戦闘によりゼノは討たれ死亡した。いや、厳密には死亡してはいない。まだぎりぎりで生きている。
ゼノは言った。何れ、再び復活し私と再会しようと。その為の器を用意し待っていろと。
その為に、私は逃げ延びる事にした。今は逃げ延び、そして準備を整えよう。準備を整え、ゼノの復活に備えて全てを覆そう。その為に性別を変え、姿を変え、ゼノ復活の為に器を用意する。
姿を隠し、ゼノの乗っていた惑星型宇宙戦艦を改造する。全てを覆す、準備を進める。
全ては再びゼノと会う為に。そして、ゼノと一緒に遊ぶのだ。この宇宙を舞台に。
全ての宇宙を舞台に。大戦争などという、実に悪趣味でふざけた遊戯を。
全宇宙、全ての物語を引っ掻き回す大舞台。その主役はゼノで、私は舞台で彼と遊ぶのだ。何と心躍る演劇なのか?気が狂ったと思うならば思うが良い。
私は、彼ともう一度大舞台で踊りたいのだ。遊びたいのだ。
きっと、それこそが全てなのだろう。それが全てで、それこそが私の真実だ。
止めたければ止めるが良い。この手記を後に読む者に告げる。
私はブラス……ブラス=スペルビア。全ての盤面を覆す、死神を愛した魔王。