表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
”豊穣”を冠する後継の勇者  作者: ネツアッハ=ソフ
美~エロハ~
25/61

プロローグ

 機械仕掛けの神殿、最奥……玉座に(すわ)るブラスはおもむろに顔を()げた。


「何か用事か?マジン」


 虚空(こくう)に声を掛ける。すると、その空間が急激に(ゆが)んでいき、やがて黒い人型の影が現れた。


 二次元的な平面の影。人型の影がその空間に突如として出現する。


 彼の名はマジン、ブラス=スペルビアの造り出した生体兵器であり概念兵器だ。


「二つほど言う事がある。一つは孵化(ふか)の時が近付いている。もう一つは天の川銀河にあるアークで何やら動きが見られる、のでそろそろ俺自身も(うご)こうと思っている」


「大丈夫?もし孵化に影響が出そうだったら、早急に撤退(てったい)するように」


「大丈夫さ。俺も俺の役割を全うするだけだよ。孵化に影響を与えない程度に(あば)れてくる」


 そう言って、平面的な影———マジンはそのまま空間に()けるように消えていった。完全にマジンが消失したそのすぐ後、そっと息を吐くとブラスは玉座に深く腰掛(こしか)けた。


 その表情には楽しげな笑みが自然と浮かんでいる。実際、ブラスは楽しいのだろう。


 その楽しげな感情は、声にもはっきりと出ていた。


「もうすぐだ、もうすぐ彼とまた会える。その時こそ、約束通りに世界を舞台にまた(あそ)ぼう」


 誰も()く者の居ない機械仕掛けの神殿の玉座でブラスは心底楽しげに、しかし満身の覚悟と決意を持ちその名を口にする。強い意思の()もった笑みで、


「ゼノ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ