表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
”豊穣”を冠する後継の勇者  作者: ネツアッハ=ソフ
栄光~エロヒム・ツァバオト~
14/61

1,暴食の君

 端的に言って、アルファとブラスの兄妹は不幸(ふこう)だった。不幸としか言いようのない境遇、そんな中でその兄妹は()きてきたのである。


 生きるには過酷に過ぎる不毛(ふもう)の大地で、親からも愛されず友人にも恵まれず、そして周囲からは徹底して虐げられてきた。そんな中、兄妹は身を()せ合って過ごしてきた。


 兄であるアルファが安全地帯を(つく)る異能を発現したのはそれが原因だ。


 本来、この異能は自身と最愛の妹を(まも)る為に発現した異能なのである。


 だが、妹は(ちが)った。というより、どうやら兄とは視点(してん)が異なっていたらしい。


 妹のブラスに発現したのは暴食(ぼうしょく)というあまりにも凶悪な異能だった。と、いうよりも厳密に言えば捕食した対象をその魂ごと己の内へと内包し永遠に記録(ほぞん)するという異能だ。


 即ち、その異能は暴食の異能であると同時に群体(レギオン)の異能でもあるのだ。


 何故、そのような異能が妹に発言したのか?それは、彼女の特異(とくい)な視点に原因がある。


 ブラス=スペルビア。彼女は人の輝きに()せられていた。いや、あるいは人間という生き物の放つ輝きに憑かれていたと言った方が正しいだろうか?


 彼女は、劣悪(れつあく)な人間関係の中であってそれでも人間の持つ(かがや)きを信じていた。あるいは人間の持つ輝きというものを妄信(もうしん)していたのである。


 人間という生き物は劣悪な環境にあって尚強く美しく輝く。いや、劣悪な環境であるからこそ強く美しくそして眩く輝けるのだろうと。


 故に、その輝きが失われるのを(ゆる)せない。故に、輝きを自身の傍に(とど)めておきたい。


 そして、それ故にその輝きを自身の内で永久(えいきゅう)のものとしたい。そんな考えに至ったのだ。


 そんな彼女だったからこそ、暴食(レギオン)の異能に目覚(めざ)めたのである。


 そして、暴食の異能に目覚めた彼女は何を思ったのか?どういういきさつがあったのか?


 それはアルファには分からない。知るよしもなかっただろう。だが、何かがあったのは確かでありだからこそブラスはこう決断を下したのだ。


 自身がこの宇宙で絶対の魔王として君臨(くんりん)しよう。人類にとって絶対の脅威となろう、と。


 そう(かんが)えたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ