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”豊穣”を冠する後継の勇者  作者: ネツアッハ=ソフ
基礎~シャダイ・エル・カイ~
12/61

エピローグ

「……………………これは」


 その場に残った戦闘の痕跡(こんせき)に、キングス=バードは困惑を(かく)せなかった。それはどうやら部下も同様らしくそれぞれが困惑を(あらわ)にしている。


 彼等は今、遠藤クロノと白川ユキがシイルという少年と過ごしていた惑星(わくせい)に来ていた。彼等が居るのは天の川銀河の辺境(へんきょう)にあるとある惑星だ。其処に、シイルという少年が居る筈だった。


 そう、その筈だったのだ。


 キングス大統領はその少年を保護(ほご)する為に、この惑星にまで足を運んだのだ。


 しかし、其処には誰一人として居なかった。どころか、戦闘の痕跡が残っている。


 ……つまり、其処(そこ)で戦闘が行われていたという事になる。


「一足遅かったか?既に、シイル=クリフォードは(てき)の手に掛かったという事なのか?」


大統領(だいとうりょう)!遠藤クロノの自宅(じたく)にこんなものが残されていました!」


 大統領たちが諦観(ていかん)の念を抱きつつあったその時。部下の一人が一枚のメモを手渡した。それは宇宙全土に領土を拡大したこの時代ではあまりにも(ふる)い情報の伝達手段だった。


 即ち、手紙だ。


 大統領はそのメモを受け取ると、其処に書かれていた内容に目を通す。


「………… ………… …………」


 しばらくメモを読んでいた大統領だったが、やがて舌打ちと共に部下に命令(めいれい)を下した。


部隊(ぶたい)を動員しろ!早急にシイル=クリフォードを(さが)し出せ‼」


「っ、了解(りょうかい)いたしました‼」


          ・・・・・・・・・


 時を同じくして、機械仕掛けの神殿(しんでん)にて。ブラス=スペルビアは玉座に座りながら口元を薄く歪めて笑みを浮かべた。それは、楽しさを堪え切れないという風味(ふうみ)の笑みだった。


「そうですか、彼が動き出しましたか。なら、それもまた()いでしょう………」


 そう言って、堪え切れない笑みを浮かべながら。楽しさに声を(ふる)わせながら告げる。


「兄さん………」

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