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1.It moves.

西暦2128年全面世界戦争、人口の50%が死んだ


しかしその後テクノロジーの大進歩でクローン人間が大繁殖。


また戦争は繰り返される・・・








六年後・・・







12月24日 -全面世界第×次戦争-






周りは火だるまになって焼けていくビルと人々、町は崩壊寸前だった。


テクノロジーに埋もれた世界は逆に弱さを増していくばかりで、何が平和なんだろうと私は思った。右手には機関銃、左手には血まみれのレーザー銃。

ため息をついてボロボロのコンクリートの壁から敵軍を見る。


「北が核を落とすらしいぞ」


ベンが後ろから顔を覗かせて私の耳元で囁いた。

私はベンの顔をじっと見ながら言った。


「ふうん・・・・平気じゃないの?それよりドイツ強くない?アメリカがこんなに押されるなんてさ」


「仕方ないだろ、日本があれなんだから」



「私、日本人の血も流れてんだけど」


俺だってあっちゃならないハーフだ、と笑いながら言うベン。ベンはスペインとイギリスのハーフ。

一般周りの人からにしては大昔にスペンが乗っ取られたからイギリスを嫌うスペイン人は多い。


だから彼は9歳の頃アメリカに肉親とともに来た、だけど西暦2128年に2月5日世界全面戦争によって彼は肉親を失った。私も肉親を失った。

そこを「Lose」と名乗る軍の情感が私とベンを保護した。しかし待ち受けるのは過酷な訓練。




血まみれになっても鞭で叩く上官。私はそんなことされなかった。忠実に、いたから。

靴を舐めさせて綺麗にさせたり、嘔吐物を食べさせた上官もいた。

脱走したものには焼き殺しの刑。


思い出すだけで頭が痛くなる。いや、全てはみたもの。私はそこまでされてない。

目が赤いから、みんな近づいてこなかった。


「ミスミ、何ぼーっとしてる」


「あ、ごめん・・・ちょっと・・」


「今はドイツと北と北イタリアが攻め込んでるのにのんびりするな、あの平和ボケなイタリアが・・」


「豹変するんだね・・・あんな国でも」



ザッ・・・ザッ、


後ろから足音がして、機関銃を後ろに素早く向けた。そこには血まみれの女の子が立っていた。

女の子は泣きながら「助けて、」と叫んでいた。私はただなにも言わず、その子を見ていた。

仲間がこちらにってきて、銃の引き金を引いた。


ああ、こいつ、麻薬で狂ってんだな、だから人を殺せるんだ。



そう心の中で呟いた。



そして撃たれる、ベンが何かを悟ったように仲間がことらに走ってきたのと同時に私を地面に伏せるように押し倒した。

その瞬間、「バアンッ」と爆破音がした。血が沢山飛び散る。



私はだんだん息が荒くなる。人は血を見ると興奮するらしい。きっとそうなんだろう。

ベンはにやりと笑い、私の口の中にありったけの薬を入れた。

吐きだそうとしても顎を押さえられて、上にあげられて、飲むしかなかった。


「ッカハッ・・・!!」


「何で飲まなかった」


「うるさい・・・」


「上官の居ないところでは悪い子だな」


キッとにらみ、私は「ファック!!」と言って突き飛ばした。ベンはにやりと不気味の笑みを浮かべたままたった。

仲間の男は「気を付けてくださいな」と一言言って自分の行動班のもとへ行く。

銃声の響く中、私はくらくらとも朦朧しつつも立ち上がり、壁に体重を預けるように座った。


「なあ、どうだよ・・・こんな腐った世界の中で人殺しをするのは」


「・・・黙れ」


「殺すぞ」


「私を殺すんだったらまず・・・・」


ベンの後ろに立っているドイツ兵に銃を向けて引き金をすんなりと引いた。


「コイツを殺してからだった方が、良かったかもね」


ベンの背中に倒れるドイツ兵、ベンは「Oh!!」と叫んでこちらに走ってきた。

バタン、と地面に叩きつけられるように倒れるドイツ兵。


「ビビリ男」


「っち・・・・」


「さ・・・どうする?周りは人殺しで夢中だし、いっそほかの星に行こうか」


ああ、例の政府の言ってた月へか、というベン。私は頷いて銃声の響く中、身を屈めて近くの人の少ない廃墟のビルの中に入る。

中には人の死体が沢山あった。腐敗したやつもあってくさい。


「此処にあんだよな」


「そのはず」


ビルの屋上へ行き、私たちは同じ目的を持った仲間と合流し、周りから見えないよう透明になる空間を作った。時刻は深夜0時。

ビルの屋上から見えたのは、黒くて、でも青味のある黒い空だった。





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