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異世界に転生したら魔王様の下僕でした!  作者: Irufi
第一章『神魔族転生編』
5/6

『とんでもない学園に入学しようとしていました!』

□ラスト城 サクトの自室 暁 朔斗


 目が覚めた。

 あのまま俺は眠ってしまったのか。

 とりあえず風呂にでも入ってさっぱりするかな。


 俺は服を脱ぎ、シャワーを浴びた。

 とてもさっぱりする。疲れが一瞬で飛んでいくようだ。

 やっぱりこのシャワーの水もあのポーションと同じなのか?

 試しに飲んでみた。

 特に味はせず、無だ。

 あ、そう言えばフェルトに玉座の間に来いって言われてたんだっけ。

 早くシャワー済ませて行くか。



 シャワーを終え、服を着替えて俺は玉座の間に向かった。

 しかし、広すぎてどこがどこなのか全くわからない。

 待っていると。


「どうかされました?」


 俺に話しかけてくる女性の声が。

 振り返ると薄いピンク色のロングヘアーに眼鏡をかけた美少女が居た。

 美人だ。フェルトもかなりの美人だがそれ以上だ。


「あ、いや、玉座の間に行きたくて」

「あぁ。フェルト様の所に行きたいのですね。ならご案内しましょう」


 そう言って美少女は歩いていく。

 俺はとりあえず彼女に付いていくことに。


「そう言えばあなたがつい最近眷属に入ったサクトさんでしたか?」

「あ、そうです。よろしくお願いします。あの……貴女は?」

「申し遅れました。私の名前はマナと申します。以後、よろしくお願いします」

「いえいえ、ご丁寧にどうも」


 めちゃくちゃ礼儀正しい人だ。

 しかも見た感じはとても頭のいい秘書って感じ。

 俺たちはエレベーターに入る。


「まさか本当に人間の方を神魔族(ディアボロス)に転生させるとは。さすがフェルト様。私たちの考えていることのその先を考えておられるとは」

「あの、一つ聞いてもいいですか?」

「なんですか?」

「そんなに人間を神魔族(ディアボロス)に転生させることが珍しいんですか?」


 俺がそう質問すると、マナさんは眼鏡を軽く押した後、こう答えた。


「そうですね。非常に希少です。このラスト眷属にも人間から神魔族(ディアボロス)に転生したのはあなた以外だとーー三名ほどでしょうか?」


「そんなに少ないんですか!?」


「例えば転生出来たとしても、力に過信して殺されてしまう者が多いのです。人間とは未熟な生き物ですからね」


 未熟な生き物って。まぁでもこの人の言ってることはなんかわかる気がする。

 マナさんは続けて言う。


「あなたはそうならないと期待してフェルト様は転生させたのでしょう。くれぐれもあのお方の期待を裏切らぬように」


「はい!」


「いい返事です」


 数秒後、エレベーターは玉座の間がある階に着く。


「玉座の間はエレベーターを降りてこのまま直進すれば大きな扉があります。そこが玉座の間になります」


「ありがとうございます」


「いえいえ。私も少しフェルト様にご用があるので一緒に参りましょうか」


 そう言って淡々と歩いていくマナさん。

 俺も彼女の後ろを付いて歩く。

 暫く歩くと大きな扉が見えた。


 相変わらずでっけぇな……。

 マナさんは扉を二三回ノックした後。


「フェルト様。マナです。ご報告したいことが」


 そう言うと扉の向こうから返事が来る。


「マナか。入ってきて」


 フェルトの声だ。しかし、何だかいつもの明るい感じじゃない。

 何か真剣な感じだ。


「失礼します。君も一緒に来なさい」


 俺は「はい」と返事をした後、マナさんが入った後に玉座の間に入る。

 彼女は迷わず、フェルトが座る玉座の方へ歩いていく。


「フェルト様こちらを」


 そう言い、マナさんは腕に抱えた資料のようなものをフェルトに渡す。

 普段より重い表情をしたフェルトがそれを受け取ると、すぐに資料のようなものに目を通す。

 目を通し終えると彼女はマナさんに言う。


「なるほど。ありがとうマナ。仕事に戻っていいわよ」


「はっ。失礼致します」


 そう言ってマナさんはその場を後にした。


「何かあったのか?」


 いつもとは違う表情のフェルトだった為、俺は気になり彼女にそう聞く。


「あまり時間がないかも知れないわ」


 時間がない?一体なんの事だ?

 フェルトは続けて言う。


「サクトにはこれから魔法はもちろんだけど、神魔族の歴史ついても学んでほしかったんだけど、旧魔王派の抗争が激しさを増してるようなの」


「旧魔王派って確かこの間のはぐれ悪魔のボスみたいな奴のことですか?」


 フェルトは頷く。


「ちょっとハイペースで学んでもらうことになるけど、サクトは平気?」


「もちろん!俺はもうあなた様の下僕ですから!」


 そう言うと少し笑みを浮かべた後、俺に言う。


「ありがとう。それじゃ、早速学校に向かいましょうか」


 そう言うとフェルトは魔法陣から手帳を取り出す。


「はい、これを」


 そう言い手帳を俺に渡す。

 俺はそれを受け取った後、彼女に聞く。


「この手帳は?」


「学生手帳みたいなものよ。とりあえず卒業するまでそれは持ってなさい」


 そう言われ俺はそのまま手帳をポケットへしまう。


「さて、とりあえず学校に行くんだからそれなりに相応しい格好じゃないとね」


 そう言い、次にフェルトは魔法陣から学生服のようなものを取り出す。


「これが学生服よ。向こうに私が着替えで使ってる場所あるからそこで着替えてきなさい」


 そう言い俺に学生服を渡す。

 俺は受け取ったあと、言われた場所に向い学生服に着替える。

 俺が行ってた学校の服とはなんだか雰囲気違うな。

 なんかホスト見たいな学生服だな……。


 着替え終え、戻るとフェルトは魔法陣の上に居た。


「着替え終わったようね。じゃあ学校に行くわよ。魔法陣の上に乗って」


 そう言われ俺は駆け足で魔法陣の上に乗る。

 すると辺りが一瞬眩しくなる。


 気がつくと俺はある学校の前に居た。


「ここは?」


 俺がそう呟くとーー


「ここはヴァルハラ学園。神様が直々に魔法や歴史を教えてくれる場所さ」


 神様が直々に教えてくれるだと!?

 俺はとんでもない学校に入学しようとしていた。

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