191番目の戯言:神
掲載日:2018/09/07
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私は神が嫌いだ。
私のお母さんを殺した。
あんなに優しかったお母さんを殺した。
お母さんに「死ね」と言った。
大好きだったお母さんに。
でも、私は知っているんだ。
お母さんが死んだのは、私のせいだって事を。
私がダメな子だったから。
私が悪い子だったから。
お母さんがおかしくなって。
そして神を連れてきた。
あいつは、私からお母さんを奪った。
私のお母さんだったのに。
お母さんが言った。
「神様がね、私に言ったんだ。『お前は邪魔だ、死ね』って」
間もなくして、お母さんの体が浮いて。
一言も喋らなくなった。
いっぱい汗をかいていたお母さんを見た。
目は、まるで死んでいるようだった。
お母さんが着ている服はいつも白かった。
でも、汗のせいで黄色くなってしまった。
その夜、私は神と初めて会話した。
あいつは言った。
「やっとこの時が来たよ。さぁ、お母さんに会いに行こう」
私は、体が動かせない事に気付いた。
神は包丁を持っていた。
お腹が熱かった。
神は赤かった。
私は最後まで生きていた。
骨になるまで生きていた。
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