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第14話 雫

 いつも通り、朝日が窓から差し込む頃に目が覚めた。

 今日も晴れ。

 遠くの山が霞みなく、外に出れば綺麗に眺望出来るだろう。

 起き上がろうとしたがなぜか動かない右腕。

 トゥーナの胸に抱かれる私の右腕がそこにはあった。

 私はそっと、起こさないようにその抱きかかえる手を外すと、ベッドから出た。

 布団をかけ直し、部屋を出る。

 トゥーナとレノは相変わらず、昨日のままの姿勢で寝ていた。

 どこまでも仲の良い姉妹である。

 まるで本物の姉妹のようだ。

 仲睦まじい二人をしばらく眺め、元気を得たところで部屋を出る。

 いつもならこのまま外に出て太陽の日差しを浴びるのだが、今日はもう一つ。

 今出てきた部屋の隣の扉を開けた。

 見慣れた部屋のベッドで眠る人物。

 その人の体の形がよく見えた。

「……ほら、言わんこっちゃない」

 昨日あれほど言ったのに、サヤは布団を行方不明にさせて寝ていた。

 サヤを起こさないようにベッドの反対側へ回り込む。

「ほら、しっかり掛けて」

 布団をかけ直してやる。

 風邪でも引いていなければいいけど。

 着替えを出そうと部屋のクローゼットへ向かおうとしたその時、サヤが小さく呟いた。

「お姉ちゃん……んん、待って……」

 私は足を止めた。

 そして振り向く。

「待って……行かないで……」

 どんな夢を見ているのだろうか。

 お姉ちゃんと言っていた。

 そう言えばサヤには歳の近い姉がいたらしい。

 ちょうど私くらいの。

 なんとも言い難い雰囲気に包まれた私と眠るサヤ。

 その時、窓から差し込む太陽の光に照らされて、キラリと煌めく雫が見えた。

「……ごめん、サヤ。やっぱり私は……」

 続きを言おうとしたその時、隣の部屋の扉が開く音がした。

「レノが起きたかな」

 私は急いで着替えを持ち部屋を離れた。


「おはよう、レノ。早いね」

 玄関の前で太陽に照らされながら遠くと眺めていたレノの肩をポン、と叩く。

「おはよう、お母さん」

 レノが笑顔でそう返してくれる。

「今日は村に行こう。色々買わないと」

「もうすぐ寒気だしね。たくさん買っておかないと」

 二人で玄関の石段に腰掛けた。

 するとレノがもたれ掛かってくる。

「お母さん、サヤお姉さんってどこかに行っちゃうの?」

 どこか寂しそうに問うてくる。

「……そうだね。サヤにもやりたいことはたくさんあるだろうから」

「やっぱり、そうだよね……」

 黙る二人の間に鳥のさえずりが響く。

「そろそろ家の中に戻ろう?」

 私が提案したその時、背後の玄関の戸がバタンと開く音が聞こ、二人分の足音が近づいて来た。

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