第7話 人生相談
「ねぇ、結衣ってさ」
「ん?」
「彼氏とかいないの?」
「ストレートに来た……」
「いいじゃん?別に」
「まぁ……いいんだけど……んんー……」
「何悩んでんの」
「別に」
「言いたいことはわかるぞ」
「ん?」
「ま、早いとこ見つけておかないと子供ができないぞー」
「何それ……そんなの一回も思ったことないないし」
「嘘ー?」
「それじゃあそっちこそ今にも子供ができそうな彼氏がいるの?」
「ゔ……」
「はーい。そういう深雪こそいないんじゃん。人のことよりまずは自分のことを心配しなさい」
私はそう深雪に言うと手元にあるオレンジジュースをゴクリと飲んだ。
「違うんだな、いないんじゃない……作らないだけだ!私は彼氏を作らない主義なのである!結衣とは違う!」
「はいはい……ってそれ私がができないみたいじゃん!?……まあいいや……」
勘違いされてるのか?それとも素なのか?
深雪は私のツッコミをサラリと受け流し、話を続けた。
「でさ、もし子供ができるとしたたら息子か娘かどっちがいい?」
「今度は……そんなことか……んー、そんなの考えたことないな」
息子か娘、どちらかといえば……
「娘かな」
「娘かー。いいんじゃない?私も結衣の娘さん見て見たいな。」
何を言って言っているんだこいつは。
「もうすぐできる?え?もうすぐ生まれる?」
ちょっと待て
「私子供できてないよ?勘違いしないでよ?」
なんか誤解されてるぞ……
「さっきも言ったけど彼氏いない」
私がそう言うと
「なんだよー」
「……何残念そうな顔してるの……?」
「別にー」
本当にまず自分のこと心配しようよ。
「早めに彼氏と子供を作りなさい」
「はいはい……」
何言ってんだこいつは、的に私は適当に受け流す、と。
急に真面目な顔になった深雪が
「でもさ結衣。これから真面目に考えていかなきゃいかんと思うよ、私は」
と言った。
「まあねー……」
確かに深雪の言う通りである。
あと2年もすれば大学を卒業する。その後は就職か結婚か。
でも私は卒業後はまずは就職する予定。結婚は二の次である。
「結衣はやっぱり大卒で就職かい?」
頬杖をついてこちらの顔を覗く深雪。
「んんー……そのつもりだけど……その就職どうこうとか言う前に、色々と疲れたよ私は」
「疲れたと言いますと?」
首をかしげる深雪。
「そのままだよ、そのまま」
「色々と、か……何よ?色々って。ほら例えば勉強とかさ、恋愛とかさ」
「ええと……一先ず恋愛は否定しておくよ」
「恋愛じゃないと……勉強以外に……何がある?」
割と真顔でそう深雪が問うてえきたのでちょっと傷ついた。
「……私は勉強と恋愛だけで、でできてるとでも?」
「い、いやまさか!でもいま新たに一つ思いついた」
「うん、何?」
「それは……人生?」
若干キメ顔をしているのがウザい。殴ってやろうかと思った。
でもまあ……
「正解っちゃ正解だよ」