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第5話 森を抜けて

 暗かった森にも僅かに陽が射すようになってきた。

 どうやら出口が近づいているようだ。

「もうすぐ着くよ!」

 先頭でランプを灯しながら歩いていたトゥーナちゃんがそう教えてくれた。

「やっと出られるんだね。一時はどうなるかと思ったよ」

「暗いし広いから知らないと迷うのも仕方ない……」

 レノちゃんがそう言った。

「一人じゃ出られないと思う……」

 シレッとそんな事を呟くレノちゃん。

 さらに、

「夜になると怖い動物もたくさん出てくるから……」

 そうだったのか。

 私はなんて幸運だったのだろう。

 二人に会えなかったら、迷った挙句野生動物の餌食になっていたかもしれない。

 そうなれば私の第二の人生は一瞬で終わっていた。

「本当にありがとう。二人に会えなかったらもう……」

「今日はレノがこっちに行ってみようって言ったから、レノのお陰だよ」

「そうだったんだ。ありがとう、レノちゃん」

 私がそうお礼をすると、

「別に、たまたま……」

 頬を赤らめた。

「ってことはいつもは違うの?」

「うん、普段は反対側の森に行ってるんだ。そっちの方がよく採れるから」

「へ、へー……」

 もう運使い切ったな、これ。


「お姉さん!森を抜けたよ!」

 トゥーナちゃんがそう言われ顔を上げると、パッと視界が開けた。

「おお、すごい……」

 目の前に広がる風景に思わずそんな声が漏れる。

「ようこそ、私たちの家へ」

 トゥーナちゃんとレノちゃんが口を揃えてそう言った。

 野原の真ん中に堂々と建つログハウス風の大きな家。

 どうやらあれがトゥーナちゃんとレノちゃんと二人の親が住んでいる家らしい。

「可愛い家だね」

「でしょ?トゥーナが設計したんだよ!」

「トゥーナちゃんが?それはすごい……」

 この子そんな事できるんだ。

「でね、この家はトゥーナとレノとお母さんの三人で建てたんだよ!」

「三人で?えっとそれは……どう言う意味で?」

 家ってそんな簡単に作れるものだったっけ?

「そのままの意味だよ?三人で建てたんだ」

 私の住んでた家とあんまり大きさ変わらないんだけど。

「もしかしてお母さんは大工?」

 確か19歳とか言っていたけど、あり得なくもない。

 可能性としてはもうこれくらいだろう。

 そうでなければ……

「みんな家作ったのは初めてだよ?」

「お母さんは主婦……」

 トゥーナちゃんとレノちゃんが同時に口を開く。

 早く会ってみたいのですが。

 その、家を建てる19歳の主婦の方に。

「お姉さん!早く来て!」

 見れば玄関の前で二人が手招きをしている。

 私は頷くと二人の元へ歩いて行った。

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