第4話 19歳
「なーに?お姉さん」
リスを肩に乗せた女の子が首を傾げた。
「あ、いや。えっと……二人は姉妹?」
異様な光景に面食らってしまって何を質問しようか忘れてしまった。
なんだろう、あの会話は。
普通の声で呼んだはずなのに、白い髪の女の子は反応しなかった。
まあ初対面だから、人見知りで顔を合わせづらかっただけかもしれないけど。
「トゥーナとレノは姉妹じゃないよ。でも姉妹みたいな関係だよ」
「姉妹みたいな関係?」
血液関係がないということだろうか。
「まあね。でも二人の仲は姉妹だよ」
「そうなんだ……あ、自己紹介がまだだったね」
出会ってから結構経ったが、未だに自己紹介をしていなかった。
「私は黒姫瑳椰、16歳で高校一年生。よろしくね?」
自信満々にそう言った。
「ん?」
「え……」
二人の反応が悲しいものだった。
心が折れそうになる。
自信満々に言っただけあり、相手の反応でかなりのダメージを負ってしまった。
「えっと……なんて呼べばいいの?」
リスを肩に乗せた女の子が口を開く。
「あ……サヤって呼んでくれれば……」
私の自己紹介のどこがいけなかったのだろうか。
名前も年齢も言った。女なのは髪を見ればわかるだろうし……
問題点を探していると、リスを肩に乗せた女の子が自己紹介をしてくれた。
「初めまして、お姉さん!トゥーナはトゥーナだよ!よろしく!」
元気よくそう言った。
リスを肩に乗せた女の子はトゥーナちゃんと言うらしい。
「ほら、レノも自己紹介して?」
トゥーナちゃんが白い髪の女の子にそう言った。
「は、初めまして……レノって言います。よろしく……」
こちらの女の子はレノちゃんと言うらしい。
「うん、初めまして。トゥーナちゃんにレノちゃん」
自己紹介は完了だ。
初めて会ったのがこの二人で良かった。
別に他の人がダメ、と言う訳でもないけれど。
「それで、二人は近くに死んでるの?」
「うん。森を抜けたすぐの所に家があるよ」
トゥーナちゃんがそう答えた。
「そうなんだ。この森にはよく来るの?」
「うん、だってこの山はお母さんのだもん」
「ん……?」
聞き間違えかな?
今お母さんが山を所有してるって言った?
この二人には申し訳ないけれど、今私の頭の中には老後農家を営む優しいおばあちゃんが浮かんだ。
「あの……失礼を承知で聞くけど、お母さんって何歳?」
出来れば若い方がいいな、などと失礼なことを考えていると予想外の答えが返ってきた。
「お母さんは19歳だよー」
「ん……?」
聞き間違えかな?
もしかしたら耳が悪くなったかもしれない。
「19歳?」
「うん!」
いや若すぎでしょ。
逆に気になってきてしまった。




