第6話 隣の村へ
「それで?トゥーナ。この後どうするの?」
村を創る事にしたのはいいけれど、一体何をすればいいのかさっぱりわからない。村なんて創ったことないからね。
「えっとねー。まずは他の村に行ってみよう?」
「他の村ね。了解」
どうやらこの近くにも別の村があるらしい。初めてだったらそういうところにも顔を出しておいたほうがのちのちいいような気がする。
どんな村だろう。
「じゃあお母さん。早速出発しよー!」
「おおー!」
「ちょっと待って、トゥーナ。村ってどこ?」
歩くこと約1時間。土を搗き固めて作られたであろう道をひたすらに進んでいた。
「ううーん……後1時間くらい?」
まだそんなにあるのか!やっと半分ってこと!?
「まだそんなにあるのかー」
「お母さん疲れたの?」
トゥーナが聞いてくる。
「いやいや……まだ元気……」
本当はかなり疲れているのだけど、トゥーナを見てみるとあまり疲れた様子ではない。
娘よりも先にバテてしまっては母親失格!
自分にそう言い聞かせ一歩また一歩と歩みを進めた。
のだが、足場がとにかく悪い。ゴツゴツしていて歩きにくい。
いかにも砂利道って感じでたまに大きな石が地面から顔を出している。一応搗き固められてはいるのだが……
「おっと……危ない……」
下をしっかり見ていないとつまずいてしまう。気をつけなければ。
ドシャッ!
「ん?」
今ドシャッって聞こえたぞ?
音がした方を見てみると……
「トゥーナ!大丈夫!?」
トゥーナがつまずいて転んでいた。
どうやら地面から顔をのぞかせている大きめの岩に躓いたらしい。
「イタタ……うん、大丈夫。ありがと、お母さん」
「よいしょ」
トゥーナを立たせると、服についた土を払った。
「気をつけなさいね?地面がゴツゴツしてるから、気を付けないとまた転ぶよ?」
「はい、お母さん」
頷くトゥーナ。
どうやら怪我はないようだ。よかったよかった。
「歩ける?トゥーナ」
「うん」
今度はまた転ばないように手をつなぐことにした。
「はいトゥーナ、手。繋いでおこう?」
「ん」
私が手を伸ばすとキュッっと握ってきた。
トゥーナの小さな手からほのかかな温かみを感じた。
「見えてきたよー!」
小高い丘の頂上に立つとトゥーナがそう言った。
「どこだー?……ああ、あった」
建物がいくつも立ち並ぶ中規模の村だ。
黒っぽい木製の壁に赤色が特徴的な瓦が載っている。
今私たちが歩いているこの街道が村のメインストリートになっているらしい。
「お母さん!早く行こ!」
トゥーナが私の手をクイクイひいて来る。
「はいはい、村は逃げないから落ち着いて」
「はーい!」
相変わらず手を引いて来るトゥーナを少し抑えながら、私たちは眼下に見える村へ向かった。