表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/306

第34話 二回作業

「この葉っぱって本当に水弾くの?」

 トゥーナが顔ほどもある大きな葉を持ち上げてそう言った。

「やってみる?」

 私はそう言うと、落ちていた板にその葉っぱを貼り付けて石に立てかけた。

「見ててね?」

 川で汲んできた水をそっとその葉っぱに垂らす。

 すると、

「ほんとだ!」

「弾いてる……」

 葉っぱの上を静かに水玉が滑り落ちていった。

「凄いでしょ?これを屋根に敷くの。そうすれば雨水は染み込まずに全部流れる」

「へー、なるほど」

 本当は普通の葉でも水は弾いてくれる。

 が、どうやら普通の葉だと、少しずつ水を吸い込んでしまうようだ。

 水が染み込んでしまうと、次第に葉が腐ってきて、防水の意味がなくなってしまう。

 しかし、このハスの葉の様なこれを使うと、超撥水性で水が全く染み込まず、長年役目を果たしてくれるそう。

「これを屋根に敷くんだけど……できる?」

 私がそう問うと、トゥーナとレノはコクリと頷いた。

「よし、じゃあ始めようか」

 束ねた葉っぱと釘を持って三人で屋根に上がる。

「屋根板を貼った時と同じ様に、下から重ねて貼っていくよ」

 万が一屋根板を通り抜けて水が流れてきた際、下から重ねて貼っていれば、水は葉っぱの上を綺麗に流れてくれる。

 この前も使った方法だ。

 二人も出来るはず。


 三人で談笑しながら進めること約二時間。

 一通り葉っぱを貼ることができた。

「こんな感じでいいの?」

「完成?」

 トゥーナとレノが両手に葉っぱを持って問うてくる。

「うん、お疲れ様。葉っぱは貼り終えたよ」

 私がそう答えると、二人は満足そうな笑みを浮かべた。

「次は何の作業をするの?」

「ん、次?次に進んじゃう?」

 今日は葉っぱを屋根に貼るところで終えようと思っていたが、どうやら二人ともまだ作業を進める気満々なようだ。

「もう少し進める?でも無理はしちゃダメだよ?」

 そう二人に言うと、

「トゥーナまだ大丈夫!」

「私も大丈夫……!」

 そんな言葉が返ってきた。

「じゃあ続けようか」

 二人の要望もあり、作業を続けることにした。

「次の作業もまた屋根板を貼る作業なんだけど……本当にいい?」

 同じような作業ばっかりやって二人とも飽きないかな。

 心配になったので一応そう聞いてみたのだが、

「いいよ!やろ!」

「板貼るのも楽しいから……!」

 だそうで。

 再び三人で板を持って屋根に上がった。

 今度貼る板は一番最初に貼った板とは少し違う。

 一番外気にさらされる板なので、防腐処理をしっかりしておかなければいけない。

 そこで、あらかじめ村で買っておいた防腐剤を、三人で手分けして塗った板を使っている。

 あっちの世界で言う、柿渋の様なものだ。

 物凄い臭いで死ぬかと思ったが、何とか三人で生き延びてみせた。

「もう臭いはしないね」

 トゥーナがそう言いながら木の臭いを嗅いでいる。

「あの時は死ぬかと思った……」

 レノが目を閉じた。

「そうだね……次からはもうちょっと工夫しよ……」

 嫌なことを思い出してしまった。

「……まあ、今はもう臭いはしないし、気を取り直して作業を進めていこうか」

 そう言って、本日二回目の屋根上作業に取り掛かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ