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第33話 屋根

「持ち上げるねー!」

「気をつけて、ゆっくりねー」

 トゥーナとレノがロープを引くと、長い丸太が上がって来た。

「はい止めてー」

 丸太が自分の目の前で止まると、私はロープを外して肩に担いだ。

 そして壁の上を歩いていく。

「これは……ここと」

 壁と壁の間に、橋を渡すように丸太を倒す。

 壁の一部が窪んでいるところに、先ほど運んできた丸太を収めると、ビクともしなくなった。

「これで最後かな」

 丸太をポンと叩き、立ち上がるとそこから辺りを見回した。

 見えるのは、同じように壁と壁の間に橋を掛けている丸太と、床をグルリと取り囲む壁。

 やっとここまで来た。

 壁を作り終わり、梁を渡し終え、残る作業は屋根作りと内装作り。

 建築会社の作ったログハウスにも劣らないものに仕上がっていた。

「お母さん!できた?」

 トゥーナとレノが梯子を使って上まで上がって来たようだ。

 私は二人の元に寄ると、

「あとは屋根を作るだけ。長かった家作りもゴールが見えてみたよ」

 そう言った。

「本当?」

「もうすぐ完成?」

 梯子から壁へと移り三人で並んで腰掛けた。

 普段より少し高いところから眺める。

 ほんの少しだけ空が近く感じた。

 青く広がる空はどこまでも続いている。

 柔らかそうな雲を多数浮かべて、心地よい風が吹き抜ける。

 夢にまでみた田舎暮らしが、もうすぐひと段落付きそうだ。

「家を作り終わったら、畑とかも本格的に作ってみたいね」

 私がそう二人に話しかける。

「もっと動物さんを飼いたいな」

 トゥーナがそう言った。

「動物?鳥以外がいいな」

 そう言えばレノは鳥が苦手だったな。

 たまにユーナと遊んでいるところを見る限り、鳥以外は大丈夫なのだろう。

「まあ、そこら辺も家が出来てからだね。あと少し、屋根を作っちゃおう?」

「うん!」

「残りも頑張ろう……!」

 三人で屋根作りに取り掛かった。


「屋根っていうのは、雨とかから家の中を守るために、こうやって少し下が重なって出来てるんだよ」

 二枚の板を持ってそう説明する。

 瓦でも木の板でもそうだが、雨から室内を守るために段重ねにしているらしい。

 確かにあちらの世界の我が家でもそうなっていたな。

 二人に簡単に屋根板の張り方説明して、いざ屋根作りへ。

 肩に、これまたレーネポーロから切り出した軽い板を担いで、右手には釘をトンカチ。

 職人になった気分で屋根張りの作業を始めた。

 あらかじめ、掛けておいた垂木の幅に合わせて木の板を下から貼り付けていく。

 三人で並んで一枚一枚丁寧に。

 ちょっとずつ上へと進んで行った。

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