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第30話 クレーン

 朝食で使った皿を三人で片付けていた時、

「今日は壁作り?」

 トゥーナが手渡した皿を拭きながらそう問うて来た。

「そうだね。今日は壁を作るよ」

 私は杭を縦に振って肯定する。

「あ、でもそも前にクレーンを作ろう」

「クレーン?」

「なにそれ?」

 机を拭いていたレノまでもその手を止め首を傾げた。

「クレーンって言うのは簡単に言うと、丸太を楽に持ち上げるための道具のこと」

 これがあると、重いものを持ち上げたり、高く持ち上げたりするのが格段にやり易くなる。

 レーネポーロは私一人でも持ち上げられる軽い木だけど、高さが出てくると流石にキツイ。

 そこでクレーンを使うことにした。

 ちなみにレーネポーロとは、巨木の割に女性一人でも持ち上げることのできる木である。

 強度の面でも申し分なく、

「巨木で軽いくせに強い」

 と言うのが売りらしい。

 ここら一帯にしか生息していないようで、希少価値があり高値で取引されるとか。

 希少価値とかなんたら言っているらしいけど、我が家の裏の森にはそれらがわんさか生えています。


 と言うことで作りました。

 この前基礎作りで使った櫓を再利用して、もう一つは新しく作った。

「これでよし」

 櫓が二つ。

「で、これを壁を作るところに立てて……うん、そっちにも立てて」

 丸太の長さほどの距離を離して櫓を立てる。

「それで……ここに丸太を持って来て……」

 山のように積まれた丸太を一本持ち上げ、櫓の下に通す。

「一本目は特に使わないから、まだ作らなくてもよかったかな」

 そんなことを呟きながら再び丸太を取りに行く。

「次は二番のやつ……」

 切り口に「二」と書かれた丸太を探し出し、持ち上げる。

 それを今度は先ほど置いた丸太とは別の、垂直の位置に置く。

 木が薄くなっているところ同士をくっつけると、隙間なく合わさった。

「お、ぴったり」

 上からポンポンと叩いても動かない。

「いい感じだね」

 丸太の端を少し残して二本の丸太は家の角を成した。

「ここが家の角?」

「そうだね。まだ一段だけど、ここが角になる予定だよ」

「へー」

 これでやっと壁作りが開始した。

 山のように積まれた丸太はまだ沢山ある。

 あれらの山を全て無くした時、家の壁は役目を果たすようになる。

 まだまだ時間はかかりそうだけど、そこは急がず焦らず丁寧に。

 安全第一で作っていこう。


 クレーン作ったのはいいけど、どうやら使うのはまだ先のようです。

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