第29話 パンとサラダとオムレツ
普段着に着替え終わるとエプロンを身につけた。
今から朝ごはんを作ろう。
「二人とも、顔洗って来て、ほら」
渋々ベッドから出てきたトゥーナとレノはダイニングテーブルの前に立っていた。
「はーい……」
「わかった……」
微妙な返事を残して二人は顔を洗いに行った。
「さて、何を作ろうか」
主食はすでに用意してある。
村で買ってきたパンだ。
なぜか知らないけれど、こちらの世界のパンは一ヶ月ほど保存しておける。
とりわけ硬いわけでもなく、普通のパン。
違和感があるわけでもない。
フランスパンは冷凍すれば一ヶ月保つらしい。
でもこのパンはそこまで硬くない。
「不思議だ……」
大きな麻袋の中からパンを三つ取り出した。
そしてそれを木皿に乗せた。
「よし、あとはどうしようか」
サラダでも作っておこうか。
そうなればまずは野菜を持って来なければいけない。
私は家を出るとすぐ横の河原に出た。
そして水の流れが緩やかな、窪んでいるところで水に沈んでいるカゴを持ち上げる。
「これと、これと、これでいいか」
冷たい川の水で冷えた野菜を両手に抱えて家に戻った。
そして手早く洗い、まな板へ。
食べやすい大きさにカットして木のボールへ。
ついでにドレッシング的なものも作ってしまおう。
酢と油を野菜の入った木のボールに注ぐ。
これで完成。
シンプルだけどこれが意外にも野菜に合う。
一人暮らししていた時によく作っていた。
「もう何かあればいいんだけど……」
食料庫の中を覗く。
「あ、まだあった」
白い楕円形のアレが見つかった。
「いただきます!」
「いただきます」
娘たちの元気な声が響き渡った。
「やっぱり美味しいね」
「ね、美味しい」
食卓に並ぶのはロールパンとサラダとオムレツ。
二人はオムレツを頬張っていた。
「そう?ありがとう」
素直にそう返す。
「毎日食べても飽きない」
流石に毎日オムレツ食べるのはキツくないかな。
でもまあ、そう言えるくらい二人には美味しく感じられているのだろう。
多分。




