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第23話 カンナ

「さて、じゃあ床張りをやっていこうかな」

 ノコギリを肩に担ぎ、私はトゥーナとレノにそう言った。

「おー!」

「頑張る……!」

 二人ともやる気満々だ。

 無理せずやっていこうか。

「よし、じゃあまずは……丸太を切っていこうかな」

 積み上げた丸太のもとにより、いい感じの大きさの丸太を探す。

「これなんか……どうだろうか」

 一番上に乗っていた丸太を地面に下ろす。

「まあ特にこれってのはないけど……細すぎてもダメだし、太すぎても切るのが大変だから」

 直径30センチくらいの丸太を選んだ。

「これを切るの?」

 トゥーナが聞いてくる。

「そう。前積んだ石の高さくらいでカットするよ」

 ノコギリの刃をキラリと光らせる。

「じゃあお母さん」

「うん?」

「頑張って」

 にこりと微笑むトゥーナ。

「ん?」

「え?」

 レノの方を見る。

「頑張って」

 笑顔で応援された。

 もうこれは頑張るしかないな。

「任せなさい。一瞬で終えてやる」

 そう宣言してノコギリを丸太にかけた。


「頑張ってー!」

「もう少し!」

 娘たちの声援を浴びて必死にノコギリを動かす。

「ふう……ふう……」

 今までに何度もやってきた作業だけど、いまだに慣れない。

 何回目だ、ノコギリ握って丸太切るの。

「……いよっし!」

 最後のひと引きで丸太がごとりと落ちた。

「よし、これでいい」

「切れた!」

「お母さん、お疲れ様」

「ありがとう」

 応援してくれた二人にお礼を言って、地面に転がる切り落とされた丸太を持ち上げ長さを測った。

「うん、だいたいよし」

 私は丸太と定規を置くと置いてあったもう一つの道具を取り出す。

「次はこれ」

「あ、前見た!」

「カンナだよね?」

 この前、壁になる丸太を半分に切ったとき、切り口を平らにするために使った。

 ちなみにこちらはようやく慣れてきた感じかな。

 大工さんの様にあそこまで薄くは削れないけどね。

「これで断面を削って、石の土台の高さに合わせるよ」

「ほー」

「頑張って」

 金槌で小刻みに刃を調節する。

「これくらいかな」

 紙一枚分くらいでた刃。

 薄く削るためにはさらに刃を入れる必要があるようだが、私には到底真似できない。

「これで削ってみるよ」

 丸太の断面を上に向けてカンナを押し当てる。

「よし」

 一気に引く。

 シュルルー、と心地よい音と一緒に薄く削れた木が出てきた。

「おお!薄い!」

 久しぶりに削ってみたけど、割といい感じだ。

 厚さは少し分厚いかつお節ほど。

「腕は鈍ってないかな……」

 まあいいだろ。

 削って削って表面を綺麗にしないと。

 ノコギリので悲鳴をあげていた腕などもはや忘れて、私はカンナを引き続けた。


 翌日、腕が上がらなくなるほどの筋肉痛になったのはまた別の話。

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