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第9話 丸太

「家作り、ですか?」

 首を傾げるレノ。

「そう、家作ってるの。トゥーナと二人でね」

「なるほど……すごいですね」

 ふと、レノが家の中を見回した。

「あれ、じゃあこの家はなんですか?」

「この家は……仮の家かな」

「仮ですか……でも、しっかりした家ですね」

 仮で住むとしても居住性は確保したかったし。

 隙間風、雨漏りも今の所なし。

 いい家だ。

「家作りですか、いいですね。あ、でも私の作り方知りません」

「大丈夫。私も初めは知らなかったし、作って行くうちに覚えるよ」

「そうなんですか?」

「うん、私の経験上」

 習うより慣れろ。

 これが一番だと家を作り始めてわかった。

 それでもやっぱりそこらへんの工作とは違うから、基礎的なことは学んだ。

 屋根が落ちて来たりしたら命に関わるし。

 レノは顔を少し赤らめると、

「そうですか……じゃあ、わ、私も手伝います……家族、ですから」

 そう言った。

 私はその言葉を聞いて、優しく微笑んだ。


 ということで、3人で家を作って行くことになった。

「ユイさん、あそこに家を建てるんですか?」

 外に出てみると、レノがロープの張られた枠を指差した。

「そうそう、あそこに家を建てるの」

「なるほど」

 私はトゥーナとレノを連れて枠の中に入った。

「あ、ちょっと地面が硬いですね」

「レノ、よくわかったね!」

 トゥーナがレノに地面が硬い理由を教えてあげていた。

「姉妹みたいだな……」

 私はその光景を遠目に眺めていると、

「きゃ!レノ!虫!取って!」

 服についた虫を取ろうとパタパタと走り出すトゥーナ。

「トゥーナさん……!止まってください、取れません!」

 パタパタと走るトゥーナの後と追うレノ。

「レノは虫が大丈夫なのか……」

 新たな発見もあった。

 逆に、

「ん!ひゃ!と、鳥!トゥーナさん!助けて!」

 レノの脇に止まった鳩らしき鳥にレノは飛び退くほど驚いていた。

「レノは鳩がダメなの?……ほらほらー、レノが怖がってますよー」

 手を振って鳩らしき鳥を逃すトゥーナ。

「レノは鳥がダメなのか」

 背後から翼を広げて飛んで来ると、耳が聞こえないから恐怖なのかな。


「今日は何をするんですか?」

「今日はね、家を作るわけではないけど、家を作るための材料の準備をするよ」

「材料の準備ですか?」

 首をかしげるレノ。

「そう、切り倒して来た丸太を家の長さに切らないといけない」

 切って来た丸太は長さがバラバラだ。

 ちょうどいい長さに切らなければ使えない。

「じゃあ、このノコギリで切るんだけど、二人にはちょっと危ないかな……」

 丸太を切るためのノコギリなので、歯が大きい。

 子供の指くらいは簡単に切れてしまうだろう。

「二人には……はい、こっち来て」

 私は丸太を台に乗せると、トゥーナを持ち上げて横倒しの丸太の上に乗せた。

「ほら、レノも」

 寄って来たレノも持ち上げて乗せてやる。

「丸太が動かないようにしっかり押さえててね?」

 二人を重り役に任命。

 ノコギリで切っていると丸太が動いてしまう。

 そのために、二人に押さえてもらおうということだ。

「よーし、トゥーナしっかり押さえる!ね、レノ!」

 振り向いてレノにそう言う。

「はい、頑張ります……!」

 レノもグッと握り拳を作った。

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